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ベンチャーで潰れて逃げた私が、またベンチャーに挑戦して見つけたもの

ベンチャーで潰れた私が、もう一度ベンチャーに挑んだ。そして、仲間と出会い、リーダーになった。この3ヶ月を振り返ってみると自分がここにいることすら不思議に思うほどだ。
※2025年5月時点の情報です


会社からの帰りの電車の中。もうすぐ日付が変わる。周りにはほろ酔いの人たち。ほどよい疲れと、楽しそうな雰囲気に満たされたこの時間の電車も悪くない。
仕事で疲れた頭を休めながらこの文章を書いている。今の高揚を、感謝を忘れないために。

今、私は、ABABAというベンチャーで働いている。シリーズBを調達したばかりのまだまだこれからの規模の会社である。そこで、初月でバリュー大賞(他の企業であればMVPのようなもの)をいただき、2ヶ月目にはリーダーに昇格して、今は自分のチームを運営している。

自分でも驚きでしかない。

タイトルにも書いた通り、去年の10月に私は過労と適応障害一歩手前に陥って、ベンチャーを辞めた。まだ入社して4ヶ月もたってない頃だった。新規事業開発の責任者、海外への挑戦、新しいビジネスモデル。いろんなキラキラワードを纏いながら、乗り込んだ原宿のシェアオフィスのベンチャーでは、何もかもが私には合わなかった。

帰り道で今事故にあったら仕事に行かなくて済むのかと考え、上司の怒声がこびりついた脳みそを音楽で麻痺させようとし、日曜日の夜には明日が月曜日である現実から目を逸らした。

「ベンチャーでは通用しない」と言われたその環境から、文字通り逃げるように無職になった3ヶ月後に、私はまたベンチャーに入った。性懲りも無くとでも言えばいいのかもしれない。

もちろん、入社を決めるまでには悩んだ。本当に悩んで悩んで悩んだ。もう一回潰れるかもしれない。また何もできないと言われるかもしれない。役立たずと言われるかもしれない。そして、ここで失敗したらもう次の転職先はないだろう。
背水の陣という言葉では生やさしい。後ろは水じゃない。奈落の底。

そんな中、ベンチャーに飛び込めたのは、代表がわざわざうちの近くまで口説きに来てくれて、うちでなら絶対大丈夫と言ってくれたから。

嬉しかった。

ずっとずっと自分が悪いと思っていた中、こんなふうに自分を受け入れて肯定してくれたあの瞬間があるから決断ができた。そして今こうして働いていられる。

だからあの時の恩を私はこの会社で返していきたい。それは誰にとか、どんなふうにとかではなく、この会社に還元していきたい。あのままなら生きているかすらわからなかった自分に働く場所を与えてくれたこの会社と、この会社を作ってくれているすべての人に。

そして、一度潰れたからこそ思うことは、人は環境次第で生きることも、死ぬこともあり得る。相性かもしれないし、タイミングかもしれないけれど、これはもう確信している。

人の能力を奪うのはとても簡単だ。できないって否定するだけでいい。人のやる気を削ぐのは簡単だ。相手の話を遮るだけでいい。人の気持ちを折るのは簡単だ。相手に欠点を突きつければいい。

それだけで折れるなら、それだけで潰れるなら、それだけでやる気をなくすなら、ベンチャーには向いていないのかもしれない。私もそう言われた。
そう、私はベンチャーになんて向いてないんだ。

でも、そんな「ベンチャー」で働いて何が楽しい?

だから私は、目の前の人の能力を伸ばすこと、やる気を持ってもらうこと、気持ちを盛り上げることを徹底的に大切にしたい。人の可能性を信じて、働きやすい環境を整えて、仕事を楽しいと思ってもらいたい。

誰も、自分のような経験をする必要なんてない。

だからこそ、自分はリーダーになれて良かったと思っている。自分のメンバーのために、自分のチーム以外のメンバーのために、心を守ること、能力を伸ばすこと、そして、一緒に楽しむことならできると思って、リーダーになった。それならできると思って。

そして、リーダーになって1ヶ月がたったいま、本当にリーダーになって良かったと思っている。毎朝のチームのミーティングの時にくだらない話で盛り上がっている時に、4月のKPIを達成できた時に、メンバーとコンビニに行った帰り道に、メンバーにこのチームで良かったと言ってもらえた時に。一人一人の成長、変化を日々実感するたびに、リーダーになって良かったと思っている。

こんな幸せな仕事、他にないだろ、ありがとう。

目の前の人に手を伸ばして、握りしめて、もっと楽しい場所に行こうって言えるこのポジションでよかった。

ベンチャーの中では、ハードシングスが大切だと言われ、人を潰すことも、心を折ることも、身の程をわからせることもその人の成長になるとも思われているかもしれない。

でも、それは一体なんのため?誰のため?

そんな簡単な方法で人をコントロールする必要なんてない。いや、少なくとも自分はしたくない。オフィスがずっとモノクロに見えたり、呼吸がうまくできなくなったり、お昼を食べることすら怖くなったり。そんな人を生み出したって、楽しくないんだから。


「隣人を助けよ」

これが私たちのコアバリューだ。そして、この言葉が私はとても好きだ。

これからもずっとこの言葉を胸に、目の前の人に手を伸ばしたいと思っている。そして、あのベンチャーで苦しかった自分を助けたい、そう思っている。

本当に、もう一度挑戦して良かった。

あの時、踏み出していなければ、今のチームとも、今の自分とも出会えなかったから。



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