【写真】高松-豊島 棚田の絶景とオーバーツーリズム
9月某日、高松港から豊島(てしま、香川県小豆郡土庄町)の家浦港まで。


高松港ー豊島(家浦港)
島々の位置関係は、こんな感じ。

高速船の後方デッキに座る。この日は波が荒くて、

波しぶきを浴びながら、船はぐんぐん進む。

10時45分高松発の便は、直島を経由していて、




約1時間の乗船で、家浦港へ。


オーバーツーリズムとミニバス
高速船に乗ったときから、もしかしてと思って早め早めに行動してきたのだけど、案の定、バスは長蛇の列で


この日は、半数以上の乗客が積み残された(もちろん、レンタサイクルといった代替はある。そして、もしかしたらそのほうが賢明かもしれない)。
下の路線図の①家浦港から⑦唐櫃(からと)港まで約17分。なのだけど、道路の大半は急な坂になるので、すべてを歩くのは至難の業だ。

⑥豊島美術館バス停付近は、瀬戸内海に向けて棚田がある、絶景スポットだ。この日の最終目的地は、豊島美術館なのだけど、バスは⑦の唐櫃まで乗車することにする。

バスから望む急こう配の棚田と海も、こんなに美しい。


唐櫃港~棚田を巡る
唐櫃港で下車したのは、島の端のほうにある、「心臓音のアーカイブ」に寄り道を決めていたからだ。



小さな美術館を後にして、ふたたび唐櫃港方面へ。


バスの本数が非常に少ないので、棚田の写真を撮りがてら、豊島美術館方面へ、ひたすら坂道の道路を、徒歩で進むことにする。ちなみにこの日の気温は34度もあり、9月半ばとしては珍しいくらいの酷暑だった。




次のカーブこそ…と念じるようにして、山道を進んでいき、

ようやく、棚田の一角がみえてきた。

豊島の棚田と稲穂
棚田を撮りに、は、昨年も訪れていた。
美術館周辺のあまりの人の多さに、あえて美術館の休館日に訪れたりしていたのだけど、今年は考えが変わって、美術館も含めて楽しんでみることにした(それは、大正解だった)。
この日は暑さのせいもあってか、人のいるところと居ないところの差がとても激しく、



棚田は、農作業に勤しむ方々の姿と、時折農工具の音が響く、とても静かな世界が広がっていた。


こちらが豊島美術館。

今回の旅で、2日訪れた。
そのくらい素敵で…といえば、簡単に済んでしまうのだけど、その素敵さがどんなものかは、なかなか言葉にできるものではない。
なおかつ自分のなかでアートそのものについて考えを深める契機にもなったくらい、深く響いたのだけど、それは稿を改めて書いてみようと思う。

「棚田プロジェクト」
豊島美術館で時間を過ごしたあと、後ろの絶景を振り向き、振り向き、バス停へと坂道を登る。

昨年は秋桜が咲き乱れていた場所に、今年はその姿がなかった。



レンタサイクルの人たちと頻繁にすれ違う。わたしは急こう配での自転車の運転に自信がないけれど、得意な人ならお勧めだ(電動自転車のレンタルもある)。



ちなみに、豊島の棚田は維持、保存がプロジェクト化されてもいる。




帰路 再び、家浦港へ




バス時刻表。あくまでの住民の方のもので、船の時間とは必ずしも連絡してはいないので、1本早めの行動…となると、バス組の我々は、1時間前に動いたほうがよいことになる。


乗車する人が、続々と集まってくる。


お待ちかねの赤いバスがやってきて、

家浦港へ、再び。


高速船のチケット(高松港での往復販売はされていない)は20分前から開始なので、パーカーのフードをかぶって、港に佇んでみる。
人の居るところは非常に混雑していて、居ないところにはほんとうに誰もいない、この極端さが、オーバーツーリズムの実態なんだなと実感する。

船会社の対策
チケット販売開始。購入して、振り向けば、長蛇の列ができていた。
村内バスはレンタサイクルという代替があるからいいものの、船の積み残しは切実だ。その対策として、船会社はまず、冒頭でも示した「乗船整理券」によって人数を把握している。そして席に座れなくとも、乗船可能な人数であれば「立ち乗り」も許容されていた。

それを上回る乗客が、たとえば経由地の直島で待っていて、乗りそびれた場合。実際にそうした場面に遭遇したのだけど、「30分後に迎えにくるから」ということで、船はイレギュラーにも稼働しているようだ。
高松港で窓口の方に訊いた際も「積み残しは出ていない」ということだった。それを聞いただけでも、ずいぶんと安心感は増す。

ちなみに、こちらが時刻表。豊島美術館開館日(通常は火曜)にあわせてダイヤが変わり、祝日などで美術館休館日が変更すると、「それにあわせて」ダイヤも変更される。
つまり、何曜日であれ、美術館がお休みなら、本数が少なくなる。

家浦港から高松港へ
高速船に乗り、高松港に向けて1時間の旅。



心地よい疲れと、船の規則性のある振動のなかで、帰路はその大半を、眠って過ごした。

高松港到着。眠気をひきずったまま、港で少し休憩。

まるで芸術祭開催中のような熱気
人々の熱気と、対照的な静けさ。この感じって…なんだか、芸術祭開催時期のようだなと思う。(早くも、来年2025年は開催年だ)
島民の方々には、騒がしくて申し訳ないと感じつつも、世界中から、アートを観にはるばる島へ渡る、そうした人々の集団の中にいるのは、わたしは心地いい。
そして、キャパシティをはるかに超えてしまうオーバーツーリズムに何とか対応しようとしているみなさんの努力も、ありがたい。
そのすべてが、楽しい旅の思い出の1つずつのパートとなって、自分のなかに蓄積されていく。
そしてまた、次の旅へと。

