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小さな美しきものへの共感 -ロックフェラー・コレクション花鳥版画展 北斎、広重を中心に@千葉市立美術館(-3/1)

 2月某日、友人たちと、千葉市立美術館。

 浮世絵を観に行った。

 まずは駅ビルでの、ブランチから。


ロックフェラー・コレクションの「花鳥版画」

 本展は、米国RISD美術館所蔵のロックフェラー・コレクション。一人の女性の手によって収集され、寄贈されたものだ。

モダン・レディが恋した、可憐な浮世絵

花や鳥を主題とした浮世絵「花鳥版画」。美しくも可憐な花鳥を、季節のうつろいとともに描いたこれらの作品は、葛飾北斎や歌川広重が活躍した時代に数多く制作されました。

米国ロードアイランド州に位置するロードアイランド・スクール・オブ・デザイン(通称・RISD美術館)には、こうした花鳥版画が大半を占める「ロックフェラー・コレクション」が所蔵されています。

アメリカの名門ロックフェラー家の一員、アビー・オルドリッチ・ロックフェラー(1874-1948)によって収集・寄贈されたもので、浮世絵の中でも役者絵や風景画、美人画ではなく花鳥版画を中心に据えた点で、世界的にも稀有なコレクションです。

本展では、同コレクション700点あまりから163点を厳選して紹介します。花や鳥の種類、制作した絵師、作品のかたち、どれをとっても多彩な作品の数々。みずからも慈善家として活躍したアビーは花鳥版画、ひいては日本そのものに恋をし、これらの作品に囲まれて過ごしていました。

そんなアビーの眼差しをとおして、アメリカでの受容に加え、日本で作品が生まれ、愛された時代の空気にまでも触れていただけるでしょう。

このたびは、北斎、広重をはじめとする浮世絵師たちによる花鳥版画を一堂に鑑賞することができる、希少な機会となります。親しみやすく見ごたえのある花鳥版画の世界を、ぜひご覧ください。

同上

 感想を少し先にいうなら、浮世絵のイメージがちょっと変わった。コレクターの役割についても、改めて考えた。

風景と鳥、花と鳥

 「美人画」や「風景」や江戸の風俗や―というイメージを覆し、展示室には風景×鳥、花々×鳥、といった、美しくかわいらしい作品が並ぶ。

 「撮影可能作品」のみの写真となるけれど、雰囲気は伝わると思う。

 さまざまな種類がある浮世絵のなかから、花鳥版画だけがこれだけ並ぶと、なるほどと感じるところがある。

 たしかに写実的なのだけど、モチーフ、アングルにしても、そして鳥や動物たちの表情にしても、ちょっとイラストや漫画のテイストが入っているというか……いかに美しく配置するか、ということを優先して作画されているように感じられた。

 「団扇」の原画も。なんて粋な。

 全般にわたる「〇〇に××」というシンプルなタイトルも、心地よい。

小さきものを愛でる心

 会場は、2フロアに渡っていたが、

 作品は、どんどん小さくなって、大きめの短冊、ポストカードというサイズになる。しかし近寄って眺めれば、達筆な筆文字で狂歌が書かれていたりと、見ごたえがある。

 こんなふうに、背景として上野の不忍池の弁天島が小さく描かれている作品も。

 米国人のアビゲイルさんが、うっとりと小さき画面を眺めている。そんな姿が目に浮かんできた。

印刷物としての浮世絵

 コレクションの浮世絵だけでも、かなりのボリュームだった(小さな画面の中に、文字も含めたたくさんの情報量が詰まっていたので、鑑賞にも時間がかかった)が、番外編、のような展示もあった。

 それは、印刷物としての浮世絵。原寸のほか、こうした拡大パネルもあって、わかりやすい。

 近年のものであるせいか、時代的な古さも感じない。

浮世絵を「重ね押し」してみる

 常設展の隣に、体験学習的なコーナーもあった。

 版画を、スタンプで疑似体験してみようというもの。

 まず、緑色。

 朱色を押して、

 紫、

 背景色、

 そして黒。

コレクターの目を通した浮世絵

 「コレクション」の展覧会は、そのコレクターのセンスや好みを堪能する機会でもある。

 「正直、似た感じの作品が多い」という素朴な感想を持ったけれど、それこそが、コレクターの好みなのだ。

 きれいで静かで小さなものが好きなんですね―(わたしも、好きです)

 そんな言葉を伝えたくなるような、かわいらしい展示だった。


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