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森美術館20周年記念展 ワールド・クラスルーム:② [国語]

「森美術館開館20周年記念展 ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会」。すでに2回足を運んだ。


【国語】の作品群から

 本展は「国語」からはじまり、そのトップは、コンセプチュアル・アートの提唱者のひとりであるジョセフ・コスース の「1つと3つのシャベル」(写真撮影不可)。下記説明にある「椅子」の「シャベル」ヴァージョンだ。

コスースの最も有名な作品は、「椅子、その椅子の写真、辞書の「椅子」の項目を拡大したもの」の3つを一緒に展示する『1つおよび3つの椅子』(en:One_and_Three_Chairs)(1965年)である。3つの椅子を提示していると同時に、プラトン的なイデア(視覚化できないもの)としての1つの椅子を表現しようとしている。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 同じく写真撮影不可作品に、絶滅しかけている言語をさまざまな話者が話すフィルム作品、スーザン・ヒラーの「ロスト・アンド・ファウンド」があった。

イー・イラン

 展示の順序は後になるが、「ロスト・アンド・ファウンド」からの言葉つながりで印象的だったのが本作。

ダンシング・クイーン 2019年
竹の織物、カユ・オボルの黒い染料、マット・シーリング剤 221×303 cm

 平易な英文の羅列を読んでいくと「ん?」と気づく。作品タイトルが答えにもなっているのだけど、タペストリーに記された言葉は、わたしたちにもお馴染みのポピュラー音楽の歌詞だ。

 仕事をしながらポップスを口ずさむ、タペストリーの向こうから、そんな女性労働者の姿がたしかに浮かび上がってくる。

米田知子

 その人物ゆかりのテキストを、その人物が使っていた眼鏡のレンズを通して撮影する、米田の代表作。作品そのものは大きく引き伸ばされた1枚の紙焼き写真なのだけど、情報量が非常に多い。

谷崎潤一郎の眼鏡─松子夫人への手紙を見る
(「見えるものと見えないもののあいだ」シリー ズより) 1999年
ゼラチン・シルバー・プリント 120×120 cm

谷崎 松子(たにざき まつこ、1903年9月24日 - 1991年2月1日)は、谷崎潤一郎の3人目で最後の妻、随筆家。『細雪』の幸子のモデル。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


 眼鏡の持ち主とテキストの関係、レンズのピントが合ったテキストに書かれた文字の意味合い、作家の意図。さらには作家がカメラレンズを通してそれらを俯瞰するときに新たに生まれる関係性・・・。想像力を膨らませながら作品の前に立てば、時間があっというまに過ぎていく。

ル・コルビュジエの眼鏡─「近代住居」の講演 原稿を見る
(「見えるものと見えないものの あいだ」シリーズより) 2003年
ゼラチン・シルバー・プリント 120×120 cm
ジョイスの眼鏡─シルヴィア・ビーチへの手 紙を見る
(「見えるものと見えないもののあ いだ」シリーズより
1998年 ゼラチン・シルバー・プリント 120×120 cm

シルヴィア・ビーチSylvia Beach1887年3月14日 - 1962年10月5日)は、アメリカ合衆国に生まれ、フランスで活躍した書店出版社経営者。1919年パリ英米文学を紹介するシェイクスピア・アンド・カンパニー書店を設立。1920年代にヘミングウェイフィッツジェラルドら「失われた世代」の作家をはじめとする英米の作家とフランスの作家が交流する場となり、とりわけ、1921年にアメリカで発禁処分を受けたジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』を刊行したことで知られる。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マーラーの眼鏡─交響曲(未完成)第10番の 楽譜を見る
(「見えるものと見えないもののあいだ」シリーズより) 1999年
ゼラチン・シルバー・プリント 120×120 cm

マーラーは1910年に本作の作曲を開始したが、翌1911年、死去により完成させることができなかった。楽譜は第1楽章がほぼ浄書に近い段階で、他の楽章は大まかなスケッチがなされた状態で残された。国際マーラー協会は第1楽章のみを「全集版」として収録・出版しており、これに基づいて第1楽章のみ単独で演奏されることが多かったが、第二次世界大戦後、補筆によって数種の全曲完成版が作られている。なかでもイギリスの音楽学者デリック・クックによるものが広く受け容れられており、補筆完成版の演奏機会が近年増加傾向にある。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フロイトの眼鏡―ユングのテキストを見るⅡ
(「見えるものと見えないもののあいだ」シリー ズより) 1998年
ゼラチン・シルバー・プリント 120×120 cm


ワン・チンソン(王慶松)

フォロー・ミー
2003 年 Cプリント 60×150 cm

 作品はスチール1枚なので、どんな講義が行われたかは想像するしかない。板書から、白熱した講義が長時間行われたと推測される、それを辿ってみよう、という謎かけが作品ということなのかもしれない。

【社会】はかなりのボリューム

 次の【社会】は、かなりの作品数だ。
 本展は何度も鑑賞したい作品が多く、また足が向きそうだ。ここではゆっくり時間をかけて、振り返っていきたい。

森村泰昌
モデルヌ・オランピア2018
2017–2018年
Cプリント、透明メディウム 210×300 cm


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