嫌いな人にありがとう|青ブラ文学部
嫌な先生だった。
中学の時の、担任。
いつも、厳しかった。
「宿題を忘れるな」
「時間を守れ」
「中途半端はするな」
俺は、よく叱られた。
目の敵にされていると思った。
「やり直し」
何度、言われただろう。
今から思えば、俺も相当生意気だった。
反発ばかりしていた。
大学を卒業し、社会人になった。
配属された営業部でも厳しい先輩がいた。
俺はついていない、と思った。
あるとき、その先輩と一緒にクレーム処理に行った。
クライアントから、散々厳しいことを言われた。
言われて仕方のないこともあったが、大半は理不尽な言い分だった。
相手の言うことを黙って聞いていた先輩は、去り際にもう一度頭を下げた。
「申し訳ありませんでした。ありがとうございました。」
弱腰の先輩の対応が、俺は、情けなかった。
その思いをそのまま先輩にぶつけた。
先輩は俺を見つめて言った。
「営業を続けたいなら覚えておけ。
嫌いな人にありがとうと言えるようになれ。」
俺は、口先を尖らせながらも頷いた。
そんな俺が今、後輩に言っている。
時間を守れ。
約束を守れ。
仕事を、きちんと仕上げろ。
先生と先輩がいつも言っていた言葉だ。
俺はまだ嫌いな人にありがとうと言えるようにはなれてはいない。
けれど、嫌いだった人に、心からこう言いたい。
「ありがとうございました」
山根あきらさんの青ブラ文学部に参加させていただきます。
お題は「嫌いな人にありがとう」
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最初は気にもとめてもらえないかもしれない、
嫌われるかもしれない。
それでもいつか
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を自然にいただける記事を書けるようになりたいと思っています。
