いびつな甘さ|風まかせ文芸部
ソフトクリームは、いつも少しいびつだ。
機械から出てくる瞬間、微妙に傾いたり、てっぺんが崩れたりする。完璧な渦巻きになることは、ほとんどない。
夏の終わりの商店街で、一人でソフトクリームを舐めながら、私はそんなことを考えていた。
彼との関係は、このソフトクリームに似ている。 付き合っているのか、付き合っていないのか、はっきりしない。時々手をつなぐけれど、時々そっけない。甘い時間もあれば、冷たい沈黙もある。
「君といると、なんだか落ち着かない」 昨日、彼はそう言った。あれは褒め言葉だったのか、そうでなかったのか。
溶けて指に垂れてきたソフトクリームを急いで舐める。舌は甘さを喜んだけれども、指は離れていく口元を惜しんでいる。
完璧な恋愛なんて、きっとない。 雑誌に載っているような、映画に出てくるような、理想的な恋人関係。そんなものを求めていた頃もあった。
でも、今の不完全で曖昧な関係も、それなりに心地よい。
ソフトクリームが完璧な形でなくても、その甘さは変わらない。むしろ、少し崩れているところが愛おしい。
私たちも関係がはっきりしないからこそ、一緒にいる時間が特別に思える。いつ終わるかわからない今のこの瞬間を大切にしたくなる。
最後の一口を食べ終えて、空になったコーンを見つめる。 溶けてしまえばもう形はない。でも、その甘さは舌に残っている。 そしてその先を求めている。
明日、彼に会ったら、一緒にソフトクリームを食べよう。 ひとつのいびつな甘さを、二人で分かち合いながら。
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