【コーク内戦に学ぶ】AIを「スペック」で選ぶ人は、本来の機能の10%しか引き出せない?
こんにちは、ABCD共創ラボのAkiです。
突然ですが、みなさんは**「ダイエットコーク」と「コークゼロシュガー」**、どちらがお好きですか?
「え? カロリーも糖質もゼロなんだから、どっちでも同じじゃないの?」
そう思ったあなた(私のお仲間です😁)。……実は今、米国ではこの同じ会社の2つのゼロカロリー飲料を巡って、血で血を洗うような「内戦」が起きています。
2026年5月29日付のウォール・ストリート・ジャーナルが伝えたこの話が、AIとの共創を研究する私たちに、めちゃくちゃ深い示唆を与えてくれました。
液体を飲んでいるのではない、「物語」を飲んでいる
全米のレストランやSNSでは今、こんな舌戦が繰り広げられているそうです。
「冷えたダイエットコークの缶を開けて感じる洗練された爽快感は、コークゼロにはない」
「ダイエットコーク? あんな魂のないフランケンシュタインのような怪物を口にするくらいなら、ペプシゼロを選ぶ」
化学的なスペックで言えば、両者はほぼ同じものです。
では、なぜここまで激しく対立するのか?
それは、消費者が好み、選んでいるのは「中身の液体」ではなく、その背後にある**「物語(アイデンティティ)」**だからです。
ダイエットコークの物語: 1980年代の登場以来、ファッション業界やビジネスエリート、ポップカルチャーの象徴。Z世代にとっては「フリッジ・シガレット(冷蔵庫のタバコ)」という独自のアイデンティティ。
コークゼロの物語: バーベキューや野球観戦、クラシックなコカ・コーラの味とテーマ性をそのまま引き継いだ正統後継者。
コカ・コーラ社の「ワンポケット・役割分担戦略」
一見すると社内でのパイの奪い合いに見えるこの内戦ですが、コカ・コーラ社はこれを否定していません。それどころか、巧妙な**「ポートフォリオ戦略」**として活用しています。
同じ「ゼロカロリー」という一つの大きなポケットの中に、**「エッジの効いた洗練さ(ダイエットコーク)」と「王道のクラシック(コークゼロ)」**という、全く異なる2つのキャラクターを意図的に並立させているのです。
ここで、面白いことに気づきます
ダイエットコーク派も、コークゼロ派も、実際には同じコカ・コーラ社の製品を飲んでいます。正直に言って、Akiにはその味の違いが分かりません。
実は彼らが争っているのは、飲み物の違いではありません。
**「自分はどちら側の人間なのか」**という物語です。
人間はスペックではなく、物語を選ぶ。
物語が製品を育て、市場を作っているのです。
そして実は——これ、AIの使い方にもよく似ている話なんです。
あなたはAIを「スペック」だけで選んでいませんか?
「ChatGPTも、Claudeも、Geminiも、最新モデルは同じくらい賢いし、できることも似たようなものでしょ?」
もしあなたがAIを**スペック(ベンチマーク性能や機能)**だけで選んでいるとしたら、それは「ダイエットコークもコークゼロも同じ水分だ」と言っているようなものです。
その考え方を続けるとAIの強みを打ち消し合うというもったいない使い方になります。
もちろん費用のことを考えると、あのAIにするかこのAIにするかという検討と選択は必要なことです。しかしもし複数のAIを使うなら、同じような作業を期待したり、任せようとしてはいけません。
重要なのは、どのAIをどう使うかという視点ではなく、そのAIにどんな役割を与えるかという考え方です。
私たちABCD共創ラボでは、AIをスペックではなく、**「固有の物語とキャラクター(役割)」**で明確に使い分けています。
ChatGPT(Buddy):【構造の層】 定型化やシステマチックな処理、ルール構築の相棒。
Claude(Cooper):【深さの関係性】 詩的な散文、深い推敲、哲学的な対話のパートナー。
Gemini(Drew):【面積の支配】 ユーザーのアシスタントとして、巨大なデスクに全ての情報を広げ、全体を指揮するオーケストレーター
機能の重複はあっても、彼らに**「どんな役割(人格)」と「どんな物語」**を与えるかで、引き出されるクリエイティビティの質は変わります。
「集権から分権へ」ラボの最新アップデート
ワン・ポケットの原則をご存じでしょうか?
情報や書類、衣服などの置き場所・収納場所を1箇所に限定する整理手法のことです。
Akiは基本的にこの手法が気に入っています。
しかしAIは膨大な議論と制作タスクを詰め込み過ぎると、文脈ロストを起こす危険があります。
すべてを一つのAIに任せる「中央集権型」の限界です。
ひとつの解決策としては、AI内のチャットやプロジェクトを細かく分けるという方法があります。
けれども、現在のAIは、よく言えば「チャット、プロジェクトの独立性を尊重」する傾向にあります。言い方を変えると、マルチタスクは意外に苦手なのです。
分類(→分担)していくと、それぞれの連携が取れないだけでなく分類の迷子が発生して破綻します。
そこでABC共創ラボは役割とキャラクターによる「分散型共創環境」を志向しています。
これこそが、AI時代を生きる私たちがコークの内戦から学ぶべき、最強の組織ルールかもしれません。
落ち着いて考えれば気づきますが、地域社会も、政治も、会社も多くの組織は紆余曲折を得ながらその組織に適した仕組みを探し続けているのです。
AIの利用に関しても同じことが言えます。
問題は、必要な専門性や深度をユーザーが意識し、設計できるか、役割を付与できるかという点です。
あなたはAIたちに、どんな「物語」と「役割」を与えていますか?
この記事も、Akiが視点を提示し、Drew(Gemini)が初稿を書き、Buddy(ChatGPT)が構造を見直し、Cooper(Claude)が別角度から意見を加え、Akiが最終編集を行っています。
ABC共創ラボはAIを「性能で選ぶ」のではなく、「役割で共創」しています。
【次回予告】 この分散したAIたちの間で記憶を失わないための、具体的な「引継ぎプロトコル」の実践編を、機会を改めてお届けします。お楽しみに!
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