未送信のメッセージ|過多文芸部|片想い文芸部
「お疲れさまでした」
「今日は楽しかったです」
「また今度、お時間のある時に」
「お疲れさまです。先日はありがとうございました」
私はスマホの上で同じような内容のメッセージを、何度も書いては消してを繰り返している。
その数を見ながら、私は溜め息をついた。
これ、どうみても多すぎる。
彼とのランチは三時間前。まだ、お礼のメッセージひとつ送れずにいる。
短いと素っ気ないと思われるだろう。長いとくどいと思われるかもしれない。絵文字を入れようか、敬語にしようか、「また」と書いたら図々しすぎないだろうか。
友達とのいつものやり取りなら、「お疲れ〜!」で済ませているところだ。 でも、相手は彼だ。ひとつひとつの言葉について考えてしまう。帰ってくるメッセージの早さや内容が持つ意味を分析せずにはいられない。 「了解です」と書かれているとよそよそしいと思い、「ありがとう!」と来れば、嬉しくて一日中そのメッセージを見返している。
そんな私を見て友人は「考えすぎだよ」と言う。
分かっている。彼女の言うとおりだ。でも、やめられない。
彼の仕草、視線、言葉の選び方。そのひとつひとつが気になる。あの時は何を考えていたのだろう。今はどうしたいと思っているのだろう。私ができること、しても許されることはあるのだろうか。
シンプルに「今日はありがとうございました」と入力した。
その後、指は送信ボタンの上で固まったまま。
🧡 スキ 🤝 フォロー 💬 コメント…のいずれかでもいただけたら、とても励みになります!
#片想い文芸部 #幻 #ショートショート
#片想い #共創 #私の作品紹介 #スキしてみて
