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公園の鳩|虹色創作部

朝、私はベンチに座っている。
いつもの公園、いつもの時間。

もうすぐ、彼がジョギングで通り過ぎる頃だ。
最初は偶然だった。散歩の途中の休憩だった。
けれど颯爽と走る彼を見ただけで、目が離せなくなった。私の前を走りすぎる後姿をいつまでも追った。

それから毎朝、同じベンチに座っている。

そんな私の周りには、いつも鳩がいる。 パンくずを持ってくるわけでもないのに、鳩たちは私の足元に寄ってくる。何かを探すかのようにして、少し近づいてはまた離れていく。

その姿はまるで私みたいだ。 彼が走ってくると、私は、つい身を乗り出してしまう。目で追いかけて、通り過ぎるとため息をつく。でもまた、同じ場所で待っている。

ある日、彼が私の前で立ち止まった。

「ここの鳩は、人に慣れていますよね。」

息を整えながら話しかけてくるその声に、私はどぎまぎした。 いつもその姿を目で追っているのに、目を合わすことができなかった。

「この子たち、人懐っこいんです」
「この時間、この場所が穏やかで平和だからですかね。僕は、好きなんです。」
そう言って、彼は微笑んだ。 まるで彼が私のことを「好き」と言ってくれたような気がして、私は何と返事をしたらいいのかわからなかった。

そのとき、一羽の鳩が私の膝に乗ってこちらを見上げた。

「あなたに特別に懐いてますね。羨ましいです」

彼が走り去った後、私は膝の上の鳩に話しかけた。
「あなたは片想いするのかな?」
鳩は首をかしげて、くるりと向きを変えた。
でも、飛び去ろうとはしない。 ここにいることを選んでいる。私と同じように。

明日も私と鳩たちは、きっとここで待つのだろう。
彼を待つ、小さな平和な時間、それだけで十分。





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#私の作品紹介 #スキしてみて

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