足跡の手紙(偏平足和紙)|毎週ショートショートnote
祖母の遺品を整理していると、折りたたまれた古い和紙が出てきた。開いてみると墨書きの手紙だった。
「偏平足のあなたへ」 差出人の名前はない。
でも、祖母が大切にしまっていたということは、きっと特別なものに違いない。
手紙を読み進めると、内容が興味深かった。偏平足で歩くのが大変だった祖母を気遣う言葉、一緒に歩いた思い出、そして最後にこんな一文があった。 「あなたの足跡は、他の人とは違う形だけれど、私にはそれが一番美しく見えます」
母に見せると、目を細めて言った。 「恋人時代のおじいちゃんからの手紙ね。二人とも筆まめな人だったのよ。」
私は、年代物のその手紙を大切にしまいながら思った。
私の偏平足は祖母からの遺伝のようだ。実はいままで靴選びの度に、煩わしく思ってきた。 でも今は思う。この足跡を、きれいだと言ってくれる人が現れたなら、お返しに祖父から受け継いでいるはずの思いやりを私が捧げたいと。
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