ちゃんとしてる人ほど、立ち止まる場所がない。
夜の歩道橋って、
少しだけ世界から切り離されている気がする。
車の音も、
街のネオンも、
ちゃんと聞こえているのに。
ここに立つと、
全部が少し遠い。
頑張ってる人ほど、
止まり方がわからなくなる。
ちゃんと働いて、
ちゃんと返事して、
ちゃんと空気を読んで。
「ちゃんとしてるね」
って言われるたび、
少しずつ、自分の置き場所がわからなくなる。
本当は疲れてるのに、
立ち止まる理由が見つからない。
だから、
夜の歩道橋に来た。
誰かに助けてほしいわけじゃない。
ただ、
少しだけ、
風に触れたかった。
少しだけ、
誰にも急かされない場所が欲しかった。
この街は明るい。
明るすぎるくらいに。
でも、
光が多い街ほど、
見えなくなるものもある。
誰かの孤独とか、
無理してる顔とか、
「大丈夫」の奥にある沈黙とか。
歩道橋の上から見る街は、
綺麗だった。
悔しいくらい、
綺麗だった。
だから今日も、
もう少しだけ歩いてみる。
ちゃんとしてなくても、
止まりながらでも、
ちゃんと生きてるって、
思える夜がありますように。

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