見出し画像

芸人のネタは落語のように受け継がれないのはわかっているけれど

もうすぐM-1グランプリの季節がやってくる。
お笑いに詳しくなくてもこの番組は知っているという方も多いだろう。

皆様は、少し前に話題になった準々決勝のニュースを知っているだろうか。

トリをつとめたラパルフェが男性ブランコの「音符を運ぶ」を完コピしたネタを披露したのだ。

ちなみに前年度(準々決勝)もニューヨークのネタを完コピ披露しこれまた注目を集めた。

M-1の応募資格は「とにかくおもしろい漫才」。
規約の中に、オリジナルネタでなければならないという項目はない。
おもしろいというのはそのネタを見た人たちの感性にゆだねられている部分もあるが
準々決勝の会場に足を運んだお笑いファンは「音符」のネタを知っている人たちが多いだろう。
それを加味してでも大爆笑をさらったというから、やはりどのような形でも観客を笑わせるという心意気には脱帽だ。
(ちなみに結果は敗退)

さて、本題である。
この話題を目にしたとき、ふと感じたのが
漫才(やコント)というのは、それを作った人たちが披露し、作成者が消滅した時点で受け継がれられないままで終わっていくものだと。

果たしてそれでいいのだろうか。

落語は違う。落語家がいなくなっても、その演目を受け継いでいく弟子がいる。
漫才は、そのネタを作った人たちだけのものになってしまっている。

全国ツアーでネタを披露する芸人さんは、全部新ネタを売りにすることが多いと思う。
それはそれでいいのだけれど、そのツアーで披露したきり、その後はまったくやらずにそれっきりなんてのもざらだ。
長年ファンをやっていると「あのネタもう一度見たいなあ」なんて思う時もある。
Youtubeチャンネルを開設している芸人(もしくは事務所)の動画には過去のネタを載せている場合もあるが
平成に限って言えば1990~2010年頃にブレイクした芸人の過去のネタはほぼ見る事ができない。
人力舎所属の芸人が特にそうで、合法的に見たいのならアマゾンやメルカリで廃盤になったDVDなどを探さないと難しい。
公式でネタを公開しているラーメンズなんてありがたい存在なのだ。

じゃあ誰か昔の芸人のネタ完コピして披露してよ、と言ってもそれはなかなか難しい。
個人的意見だが、漫才(コント)はざっくり分けると3つに分類されると思う。

①ガチの若手じゃないとできないネタ
②間が重要なネタ
③演者のキャラクターありきで作られたネタ

①であげられるのは「貧乏」「金がない」「プロポーズ」だろうか。
NON STYLEが爆笑オンエアバトルで披露したプロポーズのとあるくだりを例にあげる。

ざっくり文字おこし

井上「彼女にあげるもの、給料三カ月分や」
石田「明細?」
井上「なんでそんなものあげて喜ぶねん!見ても「この先苦しい」しか言われへんやろ!」


最後の井上さんのせりふは若手だからこそ思いつくネタだと思う。
このプロポーズネタ今現在、さすがに使えない部分だろう。2人ともご結婚されたし。(給料三カ月分も多分今の子はピンとこないだろうし)

②であげるネタでわかりやすいのがスリムクラブだ。
第10回のM-1で披露されたのは独特のゆっくりとした喋り方で繰り広げられる漫才。
真栄田さんのボケに内間さんが「え?」と聞き返す間の感覚も絶妙だ。
ふたりとも沖縄県出身のため、独特さがさらに増し、これを機に一気に知名度が上がった。(結果は準優勝)
コントだとアンジャッシュがあげられる。
音声を使うネタを多々披露しているが(例:心の声、ピーポ君)
テレビ出演の際は、局のスタッフさんではなく、ツアースタッフ等を担当する事務所の後輩に音出しを頼んでいたという。
テレビ局の人はいい顔をしなかったそうだが、普段から行動を共にしている後輩のため
「このタイミング!」という彼らなりの感覚があり、そうしていたのだろう。
(書籍 『ザッツ「アンジャッシュ」メント』 講談社 より抜粋)

間というのは少しずれたらどんどんずれていく。これは日常生活でも当てはまる事が多いのではないか。
最高の状態でネタを披露するためにも、このようなこだわりは必要だと思われる。

③はキリがないほどある。
ペナルティ、ワッキーの「草刈り機」
アンタッチャブルの「街頭アンケート」
流れ星、ちゅうえいさんの「肘神様」
最近だとバッテリィズのエースさんの「何も知らないキャラ」を逆手に取った漫才
ダイタクの双子ネタ(これは双子じゃない限り無理)。。。

キャラありきのネタはそう簡単にコピーは難しいので手を出さない方がいい。


長々書いて何が言いたいんだよと思った方のためにまとめます。

現在の漫才(コント)は一度きりの場合が多くて運が悪ければ一生見れないネタもある!
だからこそ、このネタ面白いなって思った時に誰かが受け継いでほしいなと思って書いたんだ!
というか、過去のネタも劇場ばっかりでやらないでツアーで披露するなり動画チャンネル作るなりして世に出せ!


。。。なんか、この一度きりって悲しくない?
面白いネタは時が経っても面白いじゃない。
ドリフの「志村うしろうしろー!」だってわかっているから笑っちゃうし。
音楽なら、誰かがカバーしてそれがヒットして、元歌が注目されるっていう循環があるでしょ?
後世に伝えるなんて大げさな言い方だけど、何らかの形でつないでいってほしいんだよ。。。

と思ったんですよ。。。

さて今年M-1、どのコンビが優勝するのか。
個人的には紅一点のヨネダ2000かヤーレンズ
本命はエバースで。

おまけ

個人的に好きなネタ動画を貼ります。
興味のあるかたは再生してみてね。

①NON STYLE「もしも朝起きて相方の体になっていたら」

サムネが「石田が絶望」になっているが、このネタを作ったのは石田さんである。


②ファイヤーサンダー「復帰」

キングオブコント2025の決勝で披露されたネタ。内容が尖り過ぎていてかなり賛否両論があったとかなかったとか。

③チュートリアル「冷蔵庫」

徳井さんがただただ変態じみた事しか言っていないのにビジュアルのおかげで薄まっている。これもキャラゆえのネタか。(作っているのは徳井さん)

いいなと思ったら応援しよう!