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Stillfall|内面に触れる静けさ

#創作大賞2025 #オールカテゴリ部門


プロローグ

なぜ涙が流れるのか、わからなかった。
誰かを思い出したわけでもなく、
何かを思い出したわけでもない。
ただ、静かに落ちていた。
音も、言葉も、重力さえもない世界で。

──これは、日本の“そんな物語”です。

「始まりではなく、終わりでもない——境界の中で目を覚ます

1|境界が溶ける空

空とも地ともわからない空間に、ただひとり、浮かぶシルエット。
それは現実と夢の境界が曖昧になる“入り口”。

空と海の境もない、夢の入り口。 誰でもない誰かが、ただ、浮かんでいた。

2|風音のない風景

「静けさが、ふと心に触れた」
「誰にも触れられず、でも確かに揺れたもの」

風の音がないのに、風だけがある。
そんな世界を、私たちは“感じる”ことができるのだろうか。

聞こえない風が、涙をそっとなぞる。 感じることだけが、確かにそこにあった。

3|存在の記憶と気配

「そこに“誰か”がいた気がする」
でも、声も姿も残っていない。
残されたのは、ふわりと揺れた空気だけ。

気配だけが残る世界で、 誰かを懐かしむ心が、まだ揺れていた。

4|包まれるということ

それは、声ではない。手でもない。
けれど、確かに「包まれていた」と思える瞬間。

声でもなく、手でもなく。 ただ、「ぬくもり」という名の記憶に抱かれていた。

エピローグ|落ちていく先で

人は、内面の静けさに“戻る”ことができるのか。
あるいは、生まれる前のやさしさに“触れる”ことができるのか。

静寂の渦に、やさしさは残る。 生まれる前のその場所へ、そっと還るように。


#創作大賞2025 に寄せて

この作品は、言葉にならない感覚や、
誰にも届かない感情が、たしかに「そこにある」という世界を描こうとしたものです。

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(c)accelerate2025

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