50代・60代でも住宅業界で必要とされる人。20年間、転職を見てきて思うこと。
「もう55歳なので、転職は難しいですよね?」
「60歳を過ぎたら、さすがに紹介できる会社はありませんよね?」
「75歳を過ぎたら、さすがに転職は難しいですよね?」はい、難しいと思います。。。
住宅業界で人材紹介の仕事をしていると、こうした相談をいただくことがあります。
結論から言います。
50代でも60代でも、住宅業界で必要とされる人はいます。
私は20年以上
住宅業界に特化して人材紹介・ヘッドハンティングの仕事をしてきました。
その中で、50代、60代の転職にも何度も携わってきました。
今日は、その中の一人の話をしたいと思います。
10年前、東北で出会った50代の施工管理
今から10年ほど前。
東北で、一人の施工管理の方とお会いしました。
当時すでに50代。見た目は若々しく、少し俳優のような雰囲気もあり、
見た目でも得をされているなぁという印象を持ちました。すみませんね、少し良く言いすぎましたね。
長年、工務店で戸建住宅の施工管理に携わってきたベテランでした。
ところが、ある時、勤務していた工務店の経営方針が突然変わりました。
戸建住宅の販売を中止する
会社としての方向性が大きく変わってしまったのです。
本人が仕事で失敗したわけでもありません。
能力がなくなったわけでもありません。
会社の方向性が変わったことで、それまで積み上げてきた経験を活かす場所がなくなってしまった。
そんなタイミングで、私はその方とお会いしました。
50代での転職です。
当然、不安もあったと思います。
「この年齢から、新しい会社に入れるのだろうか。」
「今までの経験を評価してくれる会社があるのだろうか。」
でも私は、その方と話をしていて思いました。
この人には、まだまだ活躍できる場所がある。
長年、戸建住宅の現場を経験している。
職人さんとの付き合い方を知っている。
現場で問題が起きた時の対処方法を知っている。
図面だけでは分からない、住宅施工の勘所を知っている。
これは、20代や30代がすぐに身につけられるものではありません。
50代だから価値がないのではなく、
50代だからこそ持っている価値がある。
私は、この仕事をしていて何度もそう感じています。
企業が欲しいのは「経験年数」だけではありません
ただし、
「30年間施工管理をやってきました。」
それだけで採用されるわけではありません。
50代、60代になるほど、企業が見ているポイントは変わります。
「その30年間の経験を、うちの会社でどう活かしてくれますか?」
ここです。
例えば施工管理なら、
現場を安心して任せられる。
若手の施工管理を育てられる。
職人さんとうまく付き合える。
お客様への説明ができる。
トラブルが起きても冷静に対応できる。
こういう人は強いです。
資格ももちろん重要です。
でも私は、それ以上に、
「この人と一緒に仕事をしたいと思えるか」
が大切だと思っています。
住宅営業でも同じです
50代、60代の住宅営業でも活躍している方はいます。
ただ、自分一人が売れるだけでは、若い頃と同じ評価にはなりません。
若手の商談に同席できる。
契約までの流れを教えられる。
店長として数字を見ることができる。
新人を育成できる。
経営者と現場の間に立つことができる。歩合の入る時期を気にしない、契約後なのか着工時なのか
つまり、
自分の経験を周囲に渡せる人。
こういう方は、年齢を重ねても必要とされます。
逆に、50代・60代で転職が難しくなる人
ここは少し厳しい話です。
過去の成功体験にこだわりすぎる方です。
「前の会社ではこうだった。」
「昔はこれで売れた。」
「俺が若い頃は……。」今こんな事を言う人はあまりいませんけどね(^^💦
これだけでは、新しい会社ではなかなか評価されません。
会社が欲しいのは、昔の武勇伝ではありません。
その経験を、これからどう使ってくれるのか。
そこです。
私がこれまで見てきた中で、50代、60代になっても活躍している人ほど、意外なくらい謙虚です。
年下の上司でも気にしない。
新しい会社のやり方を覚える。
分からないことは素直に聞く。
若い社員の意見にも耳を傾ける。
「自分はベテランだから」と偉そうにしない。
これは、本当に大きいと思います。
役職を一度手放せる人も強い
前職で部長だった。
支店長だった。
役員だった。
もちろん、素晴らしい経歴です。
ただ、転職先でも、
「部長以上じゃないと嫌です。」
「自分より年下の上司は嫌です。」
となると、選択肢は一気に狭くなります。
最初はプレイヤーとして入社して、結果を出してから役職を目指す。
そのくらい柔軟に考えられる人は強いです。
実際、入社後に評価され、再び店長や部長、役員へ上がっていく方もいます。
年収も「過去」ではなく「これから」
年収についても同じです。
「前職で年収1,000万円だったので、次も1,000万円欲しい。」
企業からすれば、それだけでは判断できません。
企業が知りたいのは、
「年収1,000万円を払ったら、あなたは会社にどんな価値をもたらしてくれるのか?」
ということです。
年間20棟売れる。
若手を育成できる。
施工管理部門を立て直せる。
新店舗を任せられる。
クレーム対応まで安心して任せられる。
具体的な価値があれば、50代、60代でも高い年収を提示する会社はあります。
年齢だけで諦める必要はありません
10年前、東北でお会いした50代の施工管理の方もそうでした。
会社の方針が変わったことで、それまでの仕事を続けられなくなった。これは本人の能力とは関係ありません。
人生には、自分ではコントロールできない環境の変化があります。
会社の業績が悪くなる。
事業がなくなる。
経営者が変わる。
会社が買収される。
そんなことは、長く働いていれば起こります。
だから、
「50代になって環境が変わった=キャリアが終わった」
ではありません。
むしろ、それまで積み上げてきた20年、30年の経験を、必要としている会社へ持っていけばいい。
私はそう思っています。
住宅業界は、人が相手の仕事です。
住宅営業も、施工管理も、設計も同じです。
経験がある。
でも偉そうにしない。
素直で、謙虚で、まだ学ぼうとする。
そして、自分が培ってきた経験を次の世代に渡していける。
そんな50代、60代は、まだまだ住宅業界で必要とされています。
もし今、
「もう年齢的に転職は無理かな。」
そう思っている方がいたら、年齢だけで諦めないでほしいと思います。
一度、自分自身に問いかけてみてください。
「自分が20年、30年かけて身につけたものを、次の会社でどう活かせるだろう?」
そこに答えがある人なら、50代でも60代でも、まだまだ活躍できる場所はあります。
20年以上、住宅業界の転職を見続けてきた私は、本当にそう思っています。
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