簿記では教えてくれない債権管理〜債権と倒産リスク〜
簿記を勉強すると「売掛金」という勘定科目が出てきます。
しかし実務では、
「売掛金をどう管理するか」がとても重要です。
売上はあるのにお金がない。
そんな状況が起こる理由も、ここにあります。
今回は、
・そもそも債権とは何か
・債権はいつ発生するのか
・債権管理とは何をするのか
を実務経験がない方でも分かるように解説します。
債権とは何か?
債権とは、、、
ざっくり言うと「お金を受け取る権利」です。
債権が発生するケースには下記が挙げられます。
①製品・商品を売り上げた時 = 売掛金
②製品・商品以外を販売した時 = 未収入金
③他社に対してお金を貸し付けた時 = 貸付金
会計システムで管理する債権とは主に①を指します。
そのため、当Noteでは①について説明をしていきます。
※②を債権管理モジュールで管理する場合もあります。
補足:製品・商品とは?
製品 =
企業が主に販売しており、自社製造しているもの。
商品 =
企業が主に販売しており、他社から仕入れているもの。
上記を販売した時、「売掛金」が発生します。
自社使用していた中古の機械や車両のように、
恒常的に売却しないモノは
製品・商品以外に該当します。
どういう時に発生する?
前項で記載した通り、
顧客に対して製品・商品を売り上げた時に
債権が発生します。
しかし私たちがコンビニで
現金払いでモノを購入した時、
コンビニ側に債権は発生していません。
確かにコンビニ側は、
お金を受け取る権利を得ますが、
すぐに支払されるため権利はすぐに消滅します。
会計仕訳は
現金 1,000 / 売上 1,000
になります。
では、どのような時に債権は発生するのでしょうか?
債権は
販売~入金の間に「ラグ」がある取引時に発生します。
企業間の取引の場合、
購買側企業は納品の都度支払をしません。
1ヵ月間で発生した販売実績をまとめて
月次請求書を作成し、
販売企業→購買企業に送付します。
購買側は月次請求書に載っている
1カ月分の金額を、
まとめて支払うのです。
つまり販売直後ではなく、
月次請求書送付後に入金がされます。
販売~入金に期間があり、
その期間「お金を受け取る権利」が残り続けます。
このように販売~入金の間に
ラグがある取引の時、
「債権(売掛金)」が発生するのです。
債権管理とは何?
債権管理を説明するためには、
販売~入金間のラグについて、
もう少し説明する必要があります。
企業間で取引を始める時、
基本的に「締め日」と「支払期日」が定められます。
締め日:
月次請求書に載せる販売実績の締め切り。
支払期日:
月次請求書に載っている金額を支払う締め切り。
例えば、
企業Aと下記の契約を交わしました。
締め日:月末日
支払期日:翌月25日
企業Aに対し、
3月中下記の販売実績があった場合、
締め日が月末日(3/31)であるため、
この3件が月次請求書に載って
企業Aに送付されます。
①3/5 10,000円
②3/10 20,000円
③3/31 40,000円
合計:70,000円
支払期日は「翌月25日」になっています。
そのため、企業Aは3月分の請求に対して
翌月4/25までに70,000円入金する必要があるということです。
債権管理とは、
上記①~③で発生した債権に対して、
正しく入金されたかを管理することです。
企業は支払期日までに入金された金額と、
締め日の間に発生した債権(売上実績)と突合し、
金額が一致するかを確認します。
入金が確認できた債権に対して✓をしていきます。
この作業は「入金消込」という、
企業が一般的に行っている債権管理業務です。
まとめ
債権とは何かをまとめると、
・お金を受け取る権利
・販売~入金の間に「ラグ」がある時に発生
債権管理とは、
・債権を支払期日別に管理すること
・顧客からの入金実績を管理すること
・支払期日別の債権と入金実績を突き合わせ、消込すること
債権管理を疎かにすると、、、?
債権管理は「資金繰り」と直結します。
上記で記載した通り、
一般的に販売~入金の間に「ラグ」が発生します。
つまり販売 = 売上が立っているが、
入金はまだされていないという状態なります。
売上が立っていることに安心して、
それに対して仕入を増やすと、
入金が支払に間に合わないということも
起こり得ます。
過去には売上は伸びているのに倒産してしまう
「黒字倒産」が増えた時代もありました。
※余談ですが、
これを機にキャッシュフロー計算書が導入されたという背景もあります。
仕入に対する支払が
成り立つかどうかを把握するために、
支払期日ごとの債権を把握することが大切です。
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