創作と現実が交錯しておかしくなってるヤツの話。
生活に支障が出ている。
先週、夢を見てから、そこから妄想を膨らませて恋愛小説を書いているのだが、
この物語に出てくる「川上くん」という男性にはモデルがいる。
中高生時代の元彼である。仮にTくんとする。
私にしては大変珍しいことなのだが、当時は相当夢中だったのに、別れた後は未練もなく、
「ときどき懐かしく思い出すことはあっても、帰郷した際には思い出さない」くらいの存在だった。
それなのに、小説の中で川上くんの存在感が増していくほどに、Tくんのことが恋しくなってきてしまった。笑
別れた後のことで詳細は知らないが、彼は10代の終わりからギターやベースを練習し、歌を歌っていたようだ。
大人になってからFacebookでアカウントを見かけ、ライブの告知などをやっているのは知っていた。山崎まさよしが好きだったらしいから、そんな感じで歌っているのだろうと雑に想像していた。ただ、実際どんな歌を歌っているのかは知らなかった。
小説を書きながら、そのTくんに疑似恋愛のような感情を抱いてしまったせいで、ふと、「彼はまだ音楽をやっているのだろうか」と思い、彼の名前をグーグルで検索した。すると、YouTubeで5曲ほど自作の曲を歌っているのを発見してしまった。
こともあろうに、5曲とも私の好みで、特にその中の1曲にすっかり心を射抜かれてしまった。退廃的な美しさ、哀愁、色気を感じてしまい、身動きが取れなくなった。
今も、狂ったようにエンドレスで聴いている。仕事もPTAも手につかず、小説も書き進められなくなってしまった。
これは完全に「恋」の症状が出ている。
今、それらの再生回数を70回ずつくらい伸ばしているのは私に他ならない。17年前にアップロードした曲だから、今の観客は私だけだろう。ここで妙な優越感を感じているのもおかしな話だ。
タイミングよく(?)昨日がちょうど彼の誕生日だったので、Facebookのチャットから、意を決してメッセージを送ってみた。祝福の言葉と、曲に感動していることを中心に思いを綴った。
どこまでも重いキモ女である。
しかし、アーティストというのは、自分の作品を褒められて嫌な気はしないのだろう。20数年ぶりに、チャットで饒舌な交流をすることとなった。笑
私以上にネクラで、実を言うと「無事に生きているんだろうか……」と思ってしまうような人だったから、なんだかんだ幸せそうで、ホッとした。するとTくんは、小説の中の川上くんのように軽口を叩いてきた。
「もう会えないだろうけど、もし会えたら、イヤというほど愛し合おうね」
大爆笑してしまったが、まんざらでもない自分がいることに焦った。
そしてふと、もう戻らない過去、薄れていく記憶、身の置き所のない故郷を思ってめそめそと泣いてしまった。どう考えても頭がイカれているとしか……
でもこれは、小説を書いていることでの一時的な好転反応みたいなもので、書き終えて出し尽くしたら、きっとこの恋の疑似症状から脱するだろう。
まだ何か、未消化の感情が眠っていることに気づけて、それだけでも大収穫である。
ただ、Tくんのフォークソングが小説の世界観とあまりにリンクしているために、
「もしこの小説が映画化されたら、彼のあの曲をエンディングテーマとしてオファーできないか」
などと妄想しニマニマしてもいる。
ギターの曲なのに、勝手に脳内でオーケストラバージョンで再生され始めてしまった。
重く、感傷的で、最後はおめでたい人間である。
そんな感情の起伏も創作の糧にして、明日、第5章をアップしたいと思う。
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