時間差読書会。矢部宏治『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること』ちくま文庫と、ルース・ベネディクト『菊と刀』、司馬遼太郎『街道をゆく6 沖縄・先島への道』
本の感想を投稿して、興味のある方からコメントをいただいて、というのをnote上でやりたいです。
この本について、また私の投稿についてnoteに(他のブログ等でも、もちろん可)書かれたらお知らせください。読ませていただきます。
そして、構わなければコメントさせていただくかも知れませんし、それを含めてまた投稿するかも知れません。
そうやって、やりとりが続くと楽しいなぁと思います。
すぐでなくていいんです。気が向いたときにコメント、1年後でも、2年後でも、それ以上でも。
はじめに
矢部著『本土の‥』には、読むまで知らなかった戦後の歴史、特に日米関係についてが詳しく書かれていて、とても興味深かった。
と、同時に表題にあげた2つの本への言及がめちゃ刺激的で、面白かった‥本当は日本人全体に関わる問題だし、ひょっとしたら自分が寿命を全うするまで日本がもつかを左右するような事柄ではあるのだけど、それ以前にワクワクしてしまった。つまり矢部氏の指摘は妥当かどうか、頭の体操として面白いと思ってしまったのだ。
今回は、それについて主に書きたい。
ルース・ベネディクト『菊と刀』について
あー‥まずは言い訳をば、前置きとして。ちゃんと見て確認しないといけないかも知れないけど、自分の覚えてるまんまで書くので正確でないかも知れない。これは、ただの読書感想文なので。
『菊と刀』は文化人類学者であったベネディクトが、太平洋戦争時にアメリカ政府から依頼されて、日本人の精神構造を分析し、日本を占領してからの統治に役立てようと執筆したものとされているが、矢部氏によると、そうではないのだと。
つまり、ベネディクトはアメリカ政府が統治がやりやすいように、日本人に自分たちのことをそう思わせたい事を書いた、もちろん意図的にだというのだ。曰く、日本人は他のアジア人とは違う独特な民族だと思わせて、日本がアメリカから離れて、アジア諸国と親密になったりしないようにと。
へえー‥。まず、『菊と刀』は多分終わりまで読んだと思うけど、あんまり憶えてなくて、自分ではどうとも判定しがたい。
そして自分が学んでる最中の心理学では、質的研究では論文に、自分の立ち位置について言及せよ‥振り返りっていうんだろうか、日本語では‥とあるので、人類学だってそうかも知れないと思う。研究者の視点が全く中立な、客観的なものということはあり得ないという前提があるらしい。
だからベネディクト自身の興味関心やら、自分の利益への関心やらあっても不思議ではないのかも?
ん? 研究者自身が人間として生きていりからこそ、自分なりの視点があるとしても、自己の利益に基づいて記述したものは研究ではなく、別のジャンルの文書じゃないのか?
矢部氏の指摘は、ホントかいなと思うが、どうなんだろう‥。
司馬遼太郎『沖縄・先島への道』について
矢部氏によると、これまた同様に、司馬遼太郎が読者にそう思わせるよう、上手に文章を作ったのだと。矢部著『本土の人間は‥』のなかの見出しにあるように、司馬遼太郎は「戦後体制の守護神」だから本でも戦後沖縄のマズい事、つまり米軍基地の存在や数々の不祥事には絶対に触れないのだと。
いやいや、私は司馬遼太郎が大好きなのだ💖 『沖縄・先島への道』も読んでいたけど、矢部氏の本を読んでから、もう一回古本屋で買って、見直した。
確かに、那覇に着いて、先島に行く前に沖縄本島をドライブしてるけど、南部の糸満の方なので基地は見なかったかも? その後は先島諸島だし。それに解説で、牧祥三が真っ先に米軍基地のことを言ってるのだ。もちろん司馬遼太郎も解説の内容をokして本を出したと思うし。
もちろん戦後体制は、特に沖縄の人にとっては理不尽極まりないものだけど、そこから人の目を逸らさせるように司馬遼太郎が謀ったというのは八つ当たりというか、ちょっと違うんじゃないだろうか。
戦後体制のこと
上に書いたように『沖縄の‥』にはクビを傾げるような点もあったけど、目を開かせられた事も多かった。
例えばサンフランシスコ平和条約と同じ日に日米安保条約が調印されて、戦後体制というのはこの2つがセットであること。
米軍基地関係の日常的な細々とした事、例えば米軍基地の不祥事の始末とかは日米安保条約という大枠の下、日本政府(の役人)とアメリカ政府が定期的にあって取り決めているけど、記録は覚書という形でしか残されず、(アメリカが後年に公開した後も)日本ではいつまでたっても公開されないこと。内容を知る日本の役人は限られており、それこそが出世へのパスポートであること。
矢部氏も書いている通り、では日本の役人が、オヌシもワルよのう、という事かというとそうではなく、日米安保条約は条約であるから、日本の法律よりも優先して従うべきであること。そして田中耕太郎最高裁長官が、安保関係については憲法判断しないという判例を作ってしまったために(まさに「国賊」じゃなかろうか‥)、安保条約関係で日米の役人たちが決めた事に物を言える人はいないこと。
はぁー、、、司馬遼太郎が何もしなくても戦後体制は鉄壁でしょと思う。
米軍基地周辺で、少女の強姦が相次ごうと米軍が住民を危険にさらそうと、出来ることはないみたいだ。
かといって、矢部氏は、憲法は条約より上位にあるので、憲法を改正して外国の軍隊には駐留を許さないと書きこめというけど、それはいくら何でもと思ったりする。
どうなんだろう‥。
