失敗の日に考える、公務員とベンチャーの「失敗への備え方」の違い
10月13日は「失敗の日」だそうだ。
2010年にフィンランドのアールト大学の起業家グループが提唱し、ヨーロッパを中心に広まった国際的な記念日。失敗を恐れずに挑戦すること、失敗から学ぶことの大切さを伝える日らしい。
この記念日を知った時、不思議な気持ちになった。失敗を記念する日があるなんて、公務員時代の自分には考えられなかった。
公務員時代の「失敗しない」という文化
公務員として24年間働いていた頃、失敗は避けるべきものだった。
国会対応や記者会見、重要な会議の前には、必ず想定問答を準備する。100問以上になることは珍しくなかった。
「こう質問されたら、こう答える」
「この角度から追及されたら、この資料を示す」
「最悪のケースではこう説明する」
あらゆる可能性を想定し、すべての失敗の芽を事前に摘み取る。それが公務員の仕事の基本姿勢だった。
文書も同じだ。作成者がチェックし、係長がチェックし、課長補佐がチェックし、課長がチェックし、審議官がチェックし、局長までチェックが入る。一つの文書が完成するまでに、何度も修正が繰り返される。
新しい取り組みを提案すると、必ず聞かれる言葉があった。
「それ、大丈夫なのか」
失敗すれば国会で追及される。マスコミに報道される。組織全体の信頼が損なわれる。だから「挑戦しろ」と言いながらも、より安全な選択肢が選ばれる。
これは矛盾ではない。税金を使う以上、慎重であることは正しい判断だ。
ベンチャーで直面した現実
ベンチャー企業に転職して、最初に直面したのは財務状況の厳しさだった。
公務員時代は、予算が決まっていた。承認された予算の範囲内で、確実に執行することが求められた。
ベンチャーは違う。収益は限られている。正直に言えば、非常に少ない。それでも新しいことに挑戦し続けなければならない。実績を作らなければ、次の仕事が来ないからだ。
特に考えさせられたのは、プロジェクト計画書を作成する場面だった。
単体のプロジェクトとしては、収益性が厳しい。しかし、計画書には以下の戦略的意義を記載した。
将来的な改修案件での収益見込み
技術的なノウハウの蓄積
いずれ直面する技術課題への先行投資
タイミングを逃すと後から追いつけない領域
公務員時代、「単年度で赤字」という時点で予算は認められなかっただろう。ベンチャーでは、将来の案件獲得を見据えて、今投資する。
ここから先は、具体的な投資判断の基準と、失敗の分析プロセスについて書く。
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公務員から民間へ、そして独立へ|40代のキャリア実録
24年間、霞が関で働きました。46歳で国家公務員を辞め、民間企業へ移り、その後、自分の会社と行政書士事務所を立ち上げました。 職務経歴書…
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