偽善者の自分で好かれるくらいなら嫌われたい。
前略
昔から嫌われたい願望がある。
なぜなら、ほとんど嫌われたり、
いじめられたりなど、
他人から窮地に追いやられたことがないからだ。
一切経験がない、というよりは、
弾き返せるし、倍返しもできるので、
次第に誰も挑戦者がいなくなった感じだろうか。
わからない。
だからといって、被害者の気持ちは理解できる。
だから、人からはぶられたり、いじめられるような環境や、
その加害者そのものがいなくなってほしいと思っている。
し、私はどちらかと言えば加害者に適切な指導やサポートをすべきと考えている。こいつが放置されると永遠に自覚せぬまま加害者となりつづける、負のスパイラルに陥るので。
これまで、自分がなぜ周囲から好かれやすいのか、本気で理解できない人生だった。しかし、自己分析の末、自分の芝居の上手さと、立ち回りの上手さを自覚してから、その理由がよく解った。
芝居を学んでいなければ、幼少期に掛けられたこの呪いは、一生解けなかっただろう。
私に敵意を向けて来た奴がいると、
そいつは私にとって格好の餌食になる。
大人の芝居も上手くなった年頃、
それでも、
何事にも飽きが来るのが私の性分で。
もっとプロレスしようぜ
と思うのだけど、
大抵の場合相手は
すぐにひれ伏すか
逃げるか
私を敵と見做して喚くか
のパターンに分岐するので
面白みが無い。
同じENTJなら対等なゲームができるし、
ムカついたと思って本心をそのままぶちまけても
撃ち返してくれるから
こっちも感情を出せるし、
本気で殴りかかることができる。
けど
最近の人間は豆腐ばっかりで
叩くとすぐに崩れてしまう。
だから私は、人に自分から関わることをしない。
来た者を拒まないのも、仲間外れを恐れる人の気持ちを想像できるからだ。
私がその感情に同調するかどうかは気分次第で、この共感性に関しては、自分ではコントロールできない。
共感する時は激しい滝のように共感するが、しない時の心は氷床のように微動だにしない。
或る人は、これをサイコパスの特徴だと言っていた。
「ああ、確かに」と思った。
私の圧に耐えられる人間が少ないことは、子どものころから知っていた。
昔、同級生の男子を泣かせたことがある。
正直言って、なんて弱虫で、他責的な性格なんだと思った。
叱られたかどうかは覚えてないが、私はあの時、許せないことがあって、彼のことを殴った。正確に言えば、背中を強く叩いた。
あれ以来、隣りの家のその弱虫男とは犬猿の中となり、ことあるごとに目の敵にされたが、私からすればその辺の虫と変わらないどうでもいい存在になった。
その弱虫男はガキ大将の腰ぎんちゃくとなり、中学を卒業するまで陰気な目を向けてきたのを感じていた。教室にまでやってきて、私にちょっかいをかけてくるガキどもに対して私はよく「消えろ」「うざい」「失せろよ」などと罵った。
口の悪い女だ。ウケる。
そりゃ誰も私に歯向かわなくなるだろう。
陰キャだ陽キャだスクールカーストだと、喚き散らす奴らがいるが、そんなものは全部バカの産物だと思っていた。
クラスの人気ランキングとか、事あるごとに人間どもは格付けをしたがる。
心底くだらない。
他人を批評する暇があるなら、批評される側の人間になってみようとは少しも思わないのだろうか?
人には偉そうに言う癖に、自分が批評されると途端に怒り散らす塵どもを、私は人間だとは認識できない。
ただその辺に揺蕩う塵以下だ。何の役にも立たない。
繊細さというのは弱さではない。
こういった持論を吐き出すたびに、自覚させられる。
あゝ
私は本当に
どこにでもいる
平凡女の皮を被った
悲しき怪物だ
と。
でも私は理解している。
茨のような自分が、本当の自分だと。
これを隠さず生きられることが、私の本当の望みだと。
この形容し難い虚無感を埋めてくれる
逸材を探してるし
私自身が演者となって
その舞台に上がれるように
積み上げて来た過去は確かにある。
具体的なことはエッセイには書かないけど、
私なりに、自分の居場所を探して来た人生だった。
居場所がないことに悲しいとは思わない。
ないなら私が創ればいい
の精神で生きてきたから。
ただ、面白くない。
私を型にはめる社会と
それに本心では抗いたくも、
型を演じられてしまう不必要な器用さ。
芝居を学んでいた頃、講師はよく
「殻を破れ」と言っていた。
鋼鉄のように輝く鎧を纏い
携える武器は数えるのも面倒になった
人は言う。
「君に何ができる?」
私にはこう答えることしかできない。
「……何ができるか?」
「何ができないかを話した方が、早いかもしれません」
「私にはできないことなどありません」
「なぜなら、できないことはできるようになればいいだけだからです」
他者のフィードバックを純粋に受け止め続け、人の望む自分を構築し、期待に応え続けて来た。
そろそろ、自分の期待に応える時だ。
艸々
Q,芥川
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