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函館公園の櫻之碑(さくらのひ)

 今年も大型連休を前に、函館市民の待ちに待った桜の開花が発表になりました。お花見、楽しみですね。冬が長い分、東京にいた頃に比べて、花見への期待と熱意がかなり高いと実感します。
 わが家の近くの函館公園では、持ち込みのジンギスカンが楽しめるほか、露店が出てやきとりやおでんなどが買い食いできたり、夜は園内に張り巡らされたちょうちんに灯が入って幻想的な夜桜が見られたり。遊園地、動物舎、噴水広場もあって、おちびさんたちも大喜び。「お花見フルコース」といってもいいような、多彩な楽しみがあります。
 ところで、この函館公園の一角に、その名も「櫻之碑」という石碑があるのをご存知でしょうか。谷地頭方面の出入口を入って右手の土手の上、かなり大きな縦型の碑です。時の経過のせいか、文字の凹凸が浅くて、かなり近寄って見ないと読み取りにくくなっていますが、右から左へ、確かに「櫻之碑」と彫られています。
 これは、明治時代に桜と梅の苗木5000本以上を自費で函館公園に植えた、信濃の商人・逸見小右衛門(へんみ こえもん)の功績をたたえて、昭和7年に建てられたもの。明治24年に桜と梅2250本、明治27年にも同じく3000本を、すべて自費で、自らもすきやくわを持って植栽したと、公園内の看板に記されています。その頃の桜で残っているのは2本だけのようですが、当時に財を成した商人たちの公的事業に私財を投じた夢の恩恵が、函館公園の桜にも残っているというわけ。こうしてお花見を楽しめるのも、偉大な先人のおかげです。
(北海道新聞みなみ風コラム「立待岬」2017年4月24日掲載記事を一部改変)

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