ショートエッセイ:英国「食」旅行記 (9)アフタヌーン・ティー
さて、すっかり英国の紅茶が好きになった私は、二度目の訪英が実現した時、憧れのアフタヌーン・ティーに挑戦しようと思いました。
アフタヌーン・ティーは、身もフタもない言い方をすると、紅茶の他に、三段になったお皿(ティースタンドと言う)に甘いものや軽食がてんこ盛りになってついてくるという、ヴォリュームたっぷりのメニューでして、これをおかずに紅茶をがぶがぶ飲む訳です。
日本の喫茶店でもアフタヌーン・ティーを1,2度頂いたことがありますが、指先でつまめるプチフールとか小さくてさっくりしたスコーンとか。繊細なサンドイッチとか、とにかく上品で、宝石のようにキラキラしておりました。
事前にガイドブックで研究すると、ホテルやデパートでお茶すると、目の玉が飛び出るほど高い上に予約が必要なのです。
安くて予約要らずの気軽なところはないかなぁ。私は博物館や美術館のカフェを狙ってみました。
ナショナル・ポートレート・ギャラリーのカフェがひっかかりました。予約不要、お値段は一流ホテルの1/3くらい。ヤター!!
ロンドンに着いた初日、さっそくナショナル・ポートレート・ギャラリーのカフェにワクワクしながら飛び込みました。
メニューを見てびっくり!
日本なら普通こういうお店で出るお茶というと、ダージリン、セイロン、アッサム、アールグレイ、オレンジペコ…といったところだと思うんだけど、さすが英国、紅茶の種類だけでも倍くらいあったし、他に緑茶や中国茶、ハーブティーといった顔触れが並んでいて、どれを選ぼうか本気で悩んでしまいました。とりあえずアッサムを頼もう。
そして待望のティースタンドが運ばれてきました。
ごっちゃり(写真参照)。
何ですかこの食べ応えのありそうなサンドイッチは。
ケーキはまぁ良いとして、スコーンもでかい。ジャムの瓶は恐らく一回で使い切る量である。このアイスクリームかポテトサラダみたいのは、多分クロテッドクリームだ。バターと生クリームの中間のような、こってりした危険なクリーム…!!
上の写真のティースタンド下段のお皿の右側を良く見てみると、私の驚愕の表情が、心霊写真のように写りこんでおります(笑)。
お茶を淹れ、スコーンから食べ始めました。本当はこのお菓子たちにも食べる順番があるようなのですが、まぁ一番食べたかったのがこのスコーンということで。
スコーンはナイフで横に割り(縦に割るとグズグズに崩れます、注意!)、いちごジャムとクロテッドクリームを塗りたくって食べます。ちょっとモサモサしたスコーンの食感が、一気に滑らかに艶やかになります。おいし~(涙)。お茶が進むこと進むこと。
次はサンドイッチに挑戦。アフタヌーン・ティには必ずきゅうりのサンドイッチが入っていますが、旦那がきゅうりを食べられないので、私が代わりに食べる…美味しいがお腹にたまるぞ、このサンドイッチ!! おまけにお茶でお腹がたぽんたぽんである。
ケーキがことのほか食べたかった私でありましたが、無念にも旦那に譲ることに…ああ、ケーキ食べたかった…。
あとでどこかで読んだところによると、アフタヌーン・ティというのは分類すると食事の一種なのだそうです。道理でお腹が一杯になるわけだ~。
日本に帰り、カフェやレストランでアフタヌーン・ティを見かけるとつい頂いてしまいます。
高いのはまぁ諦めるとしても、寂しいのは、日本のティースタンドに載っているのは、指先でそっと作ったようなお洒落なお菓子ばっかりで、ロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリーのカフェのような、あか抜けないけど味と量は自信あるぜ!!なお菓子が殆ど見られないことです。
あの素朴なアフタヌーン・ティーが懐かしいこと。
英国に、もう一度行きたい。
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