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鬼瞼児杜興──歌川国芳《通俗水滸伝》より

🔸江戸っ子もざわついた“鬼瞼児”杜興

江戸の町で「なんやこの迫力…!」と注目を浴びたのが、鬼瞼児(きれんじ) 杜興(とこう)。
中国の伝奇小説『水滸伝』に登場する108人の豪傑のひとりで、歌川国芳の浮世絵シリーズ《通俗水滸伝豪傑百八人之一個》にも力強く描かれとるんや。
あだ名の“鬼瞼児”は、その厳つい顔つきから付けられたもん。荒々しい性格と超人的な怪力で知られ、仲間のためなら命も惜しまんタイプや。

🔸水滸伝ってどんな話?

腐敗した役人や乱れた世の中に立ち向かうため、義を重んじる者たちが「梁山泊(りょうざんぱく)」という湖のアジトに集まり、悪を成敗していく物語や。
舞台は中国・北宋時代、書かれたのは明代の伝奇小説。江戸時代の日本でも大人気で、国芳のシリーズはキャラの名場面を一枚絵で鮮烈に見せたことで評判になったんや。

🔸杜興ってどんな人?

元は地方の乱暴者で、酒・博打・喧嘩に明け暮れる毎日やったけど、義理は固く、仲間のためには命を張るような男や。
梁山泊に加わる前には、村人と揉めて投獄されるも、義賊の仲間に助けられ、その恩に報いるため命がけで戦ったという話もある。
実は荒くれに見えて、梁山泊では副将的な役回りをこなす“実務派”やったとも言われとる。
戦場でも地道に働く、堅実な人物として描かれとるで。

🔸国芳が描いた、杜興のこの一枚

歌川国芳《通俗水滸伝豪傑百八人之一個 鬼瞼児杜興》
ボストン美術館蔵

国芳が描いた杜興は、とにかく圧がすごい。
両手で大きな鐘を振りかぶり、いまにもぶち下ろしそうな構えや。
背中には、滝を思わせる模様に龍がめぐる刺青が彫られとる。
鳴り響きそうな鐘に、踏ん張った足とねじれた胴――“鬼”の異名にふさわしい一枚やで。

🔸✨👀 ここにも注目!

このシリーズは“入れ墨ヒーロー”としても人気を集め、江戸の入れ墨文化に火をつけた代表作や。杜興も背中いっぱいに彫り物を入れとるで。


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