未定8の②
和哉の葛藤と態度
ひまわりからの苛立ちをぶつけるようなLINEを受け取った和哉は、スマホの画面をじっと見つめていた。
彼は、その日最悪の一日を過ごしていた。営業先ではクライアントに怒鳴られ、会社に戻れば上司から理不尽な叱責を受け、心身ともに疲れ果てていた。
そんな中、届いたひまわりのLINE。普段ならすぐに返信していたが、その日は、スマホをポケットにしまい込むことしかできなかった。
ひまわりの年齢を知っているからこその葛藤
「彼女はまだ17歳だ。」
和哉は何度もその言葉を心の中で繰り返す。彼女が未成年であること、その純粋さや不安定さに自分がどう向き合うべきか、和哉は答えを見つけられないでいた。
彼女が感情をぶつけてきた理由もわかる。それは彼女なりのSOSなのだろう。けれど、それに応えるべきなのか、それとも距離を置くべきなのか、和哉は迷っていた。
「彼女の気持ちを受け止めることで、逆に彼女を傷つけてしまうんじゃないか?」
「自分みたいな大人が、彼女の人生にどれだけ影響を与えてしまうのか……。」
ひまわりの純粋な感情を大切にしたい一方で、彼女の年齢を思うと、自分の存在が彼女にとって負担になっているのではないかという恐れがあった。
和哉の内なる理想と現実
和哉は理想主義者だった。人に対して誠実でありたい、正しい選択をしたいという思いが強かった。だが、その理想と現実のギャップが、彼を苦しめていた。
「ひまわりがもっと大人になってからなら……。」
そう考えるたびに、彼女を待つべきだと思う一方で、彼女の現在の気持ちを無視することはできなかった。
「俺は、彼女にとってどんな存在なんだろう。」
この問いに答えを出せないまま、和哉はまたため息をついた。
返信までの半日
ひまわりからの「元気?」という短いメッセージが頭に浮かぶ。苛立ちがこみ上げそうになったが、それを抑え込む。彼女が年齢的にも未熟で、気持ちを整理できないのは当然だと自分に言い聞かせた。
仕事の疲れや自分の葛藤をひまわりにぶつけてしまうのは、絶対に避けなければならない。
「彼女は悪くない。俺が大人でいなきゃ。」
しかし、彼女に対してどう答えるべきかが分からず、半日もの時間が過ぎてしまった。
短い返信
最終的に、和哉は慎重に言葉を選んで返信を送った。
「ごめん、忙しくて返信が遅れた。ひまわりは元気?」
一見何の変哲もない返信だが、そこには彼の迷いと気遣いが詰まっていた。彼女の気持ちを無視せず、しかし深く踏み込むことも避けた、ぎりぎりの距離感だった。
