いつきちゃんのアドベントカレンダー 12月14日
本日のテーマは「クリスマスツリー」🎄
本物のもみの木である必要はありませんよね
クリスマスツリー🎄
雪混じりの風をまともに受けて、私は自分の発言を後悔した。
人工芝が貼りついたツリーを嫌って、今年こそはと本物を求めた。しかし小ぢんまりとしたものでさえ、その桁の多さに驚く。ならば自分で採ればいいだけのこと。
私は山にやってきた。山の風は街の風とは別人格だった。そこには思いやりも思慮分別もない。このまま進むと帰れなくなるかもしれない。そんな恐怖がよぎる。
しかし自宅では子どもたちが待っている。
滾るような身体の熱と服の外に凍てる風は、水の中と外ほど隔っていた。
ようやくもみの木に辿り着き、私は見上げた。
濃い緑の巨人は騒ぐことも怯えることもなく、しなやかにこの風に吹かれている。
傍らの自分と同じくらいの背丈の木の側にビニールシートを広げた。これはちょうどいい。
私は自分の肩の雪を払い、右手のノコギリのそのぎらぎらとした刃に手袋を這わせた。
さっさと終わらせよう。
私は再び、傍らのもみの木を見上げた。
私はビニールシートの端を掴み、それを北風にはためかせ、ゆっくりと歩き出した。
少し温かい風が、私の背中を押す。


