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kyatapy
【ショートショート】 『燃える雨雲』
魔神の祀られている山村であった。願ったことは必ず叶えるが、魔神であるがゆえに不吉な形の結果をもたらすこともあるという。だからめったなことでは願ってはならなかった。
村人の目を盗んで財産が手に入ることを望んだ男は、子供が死んで見舞金を受け取ることになったし、顔の痣が取れることを祈った娘は、顔ごと失った。
日照りが続いた。
「魔神さまに祈ろう」
「だが魔神さまのことだ。大洪水になって人が亡くなるしれない」
「だったら、雨雲が見えたらすぐに避難すればよい。この際、洪水でも御の字なのだだ。あとで村に戻れば、大地は潤っているではないか」
村人の総意で、慎重に願い事がなされた。
やがて、村全体が山が大火事になった。
草木の水分を吸った黒い煙が、上昇気流を伴って雲のようにたなびいた。核を得た水蒸気は上空で水滴を形成する。
その後、黒い雨が降ったという。
