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yuichiono
【ショートショート】 『空飛ぶ先生』
平和な時代。不良はすっかり時代遅れだ。それでも俺たちは学ランを着て(制服なんかないが)川原で(人目が多いが)ヤンキー座りを試み(できないが)タバコをふかす(といっても高いので水蒸気だけの電子タバコだが)。
「俺たちの存在意義ってなんだろうな」
ユチが言った。
「そりゃあ、授業フケるとこだろ」
「授業、オンラインだろ」
「画像オフにせずサボるのが漢ってもんよ」
「カッコ悪くね?」
それは禁句だ。俺は必死で言った
「熱血教師とのバトルがあんだろ」
だがみんながため息をついた。「自転車とかで追っかけてくんならともかく…」
噂をすれば影。「お前たちー」と空から声がした。
警官と生徒指導教員だけに使用が許されている空飛ぶシューズを履き、先生が俺たちを補導しに現れたのだ。
「カッコわりーぞ、先公」
「補導される身にもなってみろ」
「いい年して空飛ぶのみっともねー」
だが先生はひるまない。
「そういうお前らだってヒコー少年だろうが」
