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【ショートショート】 『雪和尚』

 干ばつであった。数々の祈祷師が雨乞いをしたが効き目はsない。
「ひとり、すごいのがいるが…」
「ぜひお願いする」
「だが失礼なことを言うとすぐいじけるから気をつけてくれ。あと、雨じゃない」
「へ?」

 雪乞いができるという僧が現れた。

「拙僧でよろしいのでしょうか」
「降りゃいいよ。火を焚いて霜除けするし。だけど空には雲ひとつなくお天道さんがに照りつけているのに、雪なんて…」

 だが僧侶が護摩を焚くと見る間に空は暗くなり、ちらりと、やがてこんこんと雪が降ってきたのである。
 歓声があがった。

「雪和尚、万歳!」

 夜は宴となる。雪はしんしんと降り、雪見酒…とあいならなかった。大吹雪だ。

「ちと降りすぎかなあ」

 だれかが言うと、僧が黙って立ち上がった。

「しっ。よけいなこと言うな。あー、和尚がすねてどっか行っちまったじゃねえか。探すぞ」


 雪の中、仁平と悟助が裏山でようやく人影を見つけた。

「おい、和尚だ」

 吹雪の中、歌声が響いていた。


「ありの〜ままの〜」 

#毎週ショートショートnote
#雪和尚

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