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【ショートショート】 『ダジャレバナナ』
「その商品は、男を試す道具じゃった。わしが若い頃、驚安の殿堂を謳い文句にした店で売られとったんじゃが、飛ぶように売れたとか売れなかったという」
「じいちゃん、それ本当に売れたの?」
「それがどんなバナナかというとじゃな、顔が描かれているのじゃ。『と、とんでもねえ〜〜!』と今にも言わんばかりの顔じゃ」
「はあ。俺の話聞いていないよね」
「そうじゃろう、そうじゃろう。例のセリフを言いたくてたまらなくなるじゃろう。わしはその玩具を買って、隣に住んでいたライバルのチケリくんに勝負を挑んだ。庭に立ち、二人の中央にダジャレバナナを置き、誘惑に負けてあのセリフを言ったほうが負けじゃ」
「まったくくだらないね」
「負けたほうが、ミリちゃんをすっぱりあきらめる、というものじゃった」
「そんな勝負のネタにされた女子がかわいそうだ」
「勝負は三日三晩、不眠不休で行われた。嵐となり、強風に煽られ、干していた布団までもが遠くに飛ばされ…」
