ニューヨーク州弁護士への道⑤

日本では社会人の英語力を測る指標は基本的にTOEICだと思うが、LLM受験生にとっては、TOEFLがすべてを決める。
TOEFLは、複数の会場で同時に始まるのだが、色々いって、私はお茶の水のソラシティ一択にしていた。綺麗だったから。
最初の声出しは、みんなI live in Tokyoを呪文のように呟く。今でもそうなのだろうか・・・(たまに帰国子女みたいな方が、「えっと~最初はロンドンにいて~」みたいなことを英語で話しているとそれだけで自信を失っていた。)

春に、カウンセラーからTOEFL80点取ってから来いと言われた時点で、私は確か40点くらいだった。
最初はそれなりに勉強したのもあって、7月か8月には80点に届いた。当時の志望校としては、最低でも95点程度は欲しいなと思っていたので、まだまだだなと思いつつ、カウンセラーに連絡した。
彼は私のことを覚えていて、80点の点数をみて、すぐに「これなら、全米トップ30のロースクールはどこかしら入れます。トップ30にいけば一応悪くないです。TOEFLは最高点だけ出せばいいから、毎月受け続けていただくとして、出願書類の準備をしましょう」とのこと。

「あ、なんだもうこの点数でも最悪いいのか」と思った。
さすが自分に甘い私、二度と90点には届かなかった。志望校とか言ってたのが恥ずかしい・・・

出願書類としては、自己PR等の各校ごとの書類のほか、最低2通の推薦状が必要だった。この推薦状は、各校ごとに作成するのではなく、「あなたの学校にとっておすすめです」という体裁で1パターン作成して使いまわしができるものだった。
原則として、①卒業した大学やロースクールの教授および②職場の上司がマストで、3通目に念のために準備するなら一緒に業務をしたことのある外部弁護士に頼むように、とのことだった。

ここで、私には大学で全く勉強をしなかったという過去が襲い掛かる。

学校名は伏せるが、私はそれなりに有名私大の法学部を卒業していた。いわゆる学部卒。
ゼミにも入っていたが、私のゼミは、その法学部で唯一法律を一切探求しないゼミだった。
ゼミには30以上おり、全員全く勉強する気のない者で固められ、ゼミでは、教授がプリントアウトしたよくわからない資料を一人一段落ずつ読むだけ。在学中から、こんなゼミあるんだなと驚いていた。ただ、当時の私にとっては天国だった。

私のLLM留学にあたり、教授に推薦状を書いていただくとしたら、当然ゼミの教授である。
しかし、上記のようなゼミの教授で書いてくれるのか、全く疑問だった。
カウンセラーにその旨伝えたところ、彼からすると意味がわからないらしく、ゼミの教授が書いてくれないわけないだろう、という雰囲気だった。

仕方なく、私は教授のメールアドレスを過去の履歴から見つけて、推薦状を書いてほしいとお願いした。

すぐに返事が来た。曰く、自分は法学部にはいるが法律にそこまで明るくない、自分のせいでロースクールに受からなったら責任がとれない。つまり、お断りされた。

カウンセラーは、そんなこと聞いたことないと愕然としていた。

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