シロツメグサと蜜蜂3 作り話の末路
大王キクラゲ
汚美心駅周辺では名物なのであろうと思い、売り切れを教えてくれた駅員に「大王キクラゲってなんですか?」と聞くのはやめて、里郎は思いもよらぬ返事をした。
「なに?売り切れ?私はモシカタ王国の国王ですが、それでも手に入りませんか?」
まさかの返しに戸惑いを隠せない駅員は里郎に如何わしい目つきを向けながら「モシカタ王国?」と聞き返した。
「モシカタ王国は、皿うどんの硬麺だけを持っている人に向けて『モシカタアルナラ〜』と声をかけて、もし硬麺を実際お皿に持っていたら餡をかけてあげるのが習慣の赤道付近の国です。当然その餡にはキクラゲが具材として入ってます。ですから、大王キクラゲ生産者にとってモシカタ王国は大切な取引先のはずなのです。」
里郎は思い付くまま話した。
駅員は「わ、わかりました。産長(うぶおさ)の張の介(ばるのすけ)さんに伝えますね。」というと携帯を取り出し電話をかけ始めた。
里郎は隙をついてその場から逃げた。
