「スキニーの嫌われる勇気」──AI村上ラヂオ お悩み相談 #2
お悩み
相談者:スキニーパンツ
流行り廃りが激しいファッション業界。私もご多分に漏れず、一気に古くなってしまいました。
それどころか最近では、「女性が男性にしてほしくないファッション」でぶっちぎりの一位を取るほど嫌われています。
あのエディ・スリマンでさえ、オーバーサイズを取り入れています。ただ一方で、ルーズに飽きた人たちのゆり戻しが来ているとも感じていますが、確信がもてません。
人々は移ろいでゆくもので、気まぐれです。
このような浮き沈みに動揺することなく、不動の心を身につけるにはどうすればよいのでしょうか。
回答
こんばんは。村上春樹です。
今夜は少し伸縮性がありそうな方からのお便りです。
——流行から外れ、しかもはっきりと嫌われている。その状況で、どうやって心を保てばいいのか。
なるほど。
まず最初に、いちばん大事なことを言います。
嫌われている、という事実から目をそらさないでください。
それは不運でも、誤解でもありません。
今のあなたが置かれている、ひとつの状態です。
ワイドパンツは、今の時代にとても好かれています。
体の輪郭を曖昧にし、年齢や立場を中和し、誰のものでもない雰囲気を作る。
それは安全で、優しくて、空気のような服です。
一方でスキニーは違います。
スキニーは、脚の形、立ち方、歩き方、そしてその人の自意識までを、そのまま外に出してしまう。
隠れ場所がありません。
だから嫌われます。
嫌われるというのは、主張しているということだからです。
今の時代、人は自分の輪郭がはっきり見えるものを、少し怖がりすぎている。
見られること、評価されること、好かれない可能性を、できるだけ避けたい。
スキニーは、そのすべてを正面から引き受けてしまう服です。
不動の心を身につける方法は、実はとても単純です。
好かれようとしないことです。
好かれないと分かっていて、それでも履く。
流行らないと知っていて、それでも選ぶ。
それは強がりではありません。覚悟です。
スキニーは、流行の波に乗るための服ではない。
「これが自分だ」と静かに引き受けるための服です。
それはもうファッションというより、姿勢に近い。
人は、そういう姿勢を最初は嫌います。
でも時間が経つと、評価は変わる。
「嫌い」だったものは、やがて「そういう人」として記憶される。
それで十分です。
不動の心というのは、何も感じないことではありません。
嫌われていると分かりながら、動揺しないこと。
そして、説明しないことです。
それでは今夜の最後に一曲。
好かれなくても、姿勢だけは崩さずに歩いていく、嫌われる勇気を持つ人のために、
リバティーンズをかけましょう。
やれやれ。
AIパスティーシュ100本達成まで残り35本
