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🌸閑話30〜積み重ねる人

もう30話。
いゆさんからインスパイアされた記事を
書いてみました。
いつもありがとうございます🫶

情熱大陸 チックにどうでしょう。

― 静かに積み重ねる日々 、

         はなのその先へ―

【生活の交差点】

北海道の内陸に位置するとある市。
盆地特有の
底冷えする空気が街を包む。

中心部の一角
古いマンションや病院
スーパーや学校が立ち並ぶ街。

通院する人
下校する学生
買い物袋を持つ人々が
足早に通り過ぎる。

除雪車の振動
雪が街路樹を揺らす音。
遠くでサイレン
車のタイヤが雪を踏む音。

PM3:00の部屋の中は
暖房のやわらかな光に満ちている。

台所。
洗濯物。
開いたパソコンとスマホ。
生活音だけが静かに響く。

この一年
彼女は“何者かになろう”とは
しなかった。
ただ
日々を⸻積み重ねていた。

【省略しない生き方】

文字を打つ指先
スクロールするスマホ。
雪の降る窓の外に目をやり
ゆっくり息をつく。

「振り返るほど、立派なことはしてないですよ」

少し間を置いて、続ける。

「書いて、介護して、また書いて。
 娘の壊れかけた心にも寄り添ったし
 夫がいない年末も
 どうにかやり過ごそうと
 しているところです。
 怒ったり、泣いたりも、ちゃんとしました」

肩をすくめ、深く息をつく。

「ええ。
 いろんな気持ち省略しなかったです」

彼女が書いてきたのは
大きな成功譚ではない。
小さな日常の断片。

閑話
過去の恋愛
父や義父を看取った痛み
義兄とのどうしようもないやり取り
施設に入った夫との関係⸻
すべて静かに受け止めてきた。

【積み重なる断片】

過去の記事タイトルが一瞬ずつ浮かぶ。

娘が抱える言葉にならない痛みも
夫の不在も
うまくいかなかった夜も
選ばなかった道も
すべて静かに積み重なっていく。

文字を打つ手
スマホを操作する指
揺れる洗濯物。

ストーブは静かに燃え続け
生活音だけが
音も立てずに積もっていく。

【言葉の積雪】

外の雪景色。
文字が画面に浮かぶ。

スクロールされる文章は
彼女の一年の記録。

すべてを
正しく処理できたわけではない。
でも
受け止めたものを無理に動かさず
余白として
その隣に居続けた⸻

【続く夜、2025年から2026年へ】

はなは再び日常に戻る。  

スマホを置き
洗濯物を片づけ
窓の外の雪を一瞥する。

街の灯りの中に
部屋の明かりが静かに溶け込む。

静かに生きるという選択。
その強さを
彼女は今年も書き続けた。

娘の心のことも
夫の不在も
すぐには解決しないだろう。
しかし
彼女は逃げない。

手を止めず
文字を重ね
日々を見つめ続ける。

文字は
2025年から2026年へと
途切れず連なっていく。

静かに生きることは
勇気の選択でもある。

はなの言葉は
今日も未来へ向かって
積み重なっていく⸻

確かな光として、2026年も。


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