月末の残業から抜け出すために、自動化に踏み込んだ3冊の順番

恋のアーカイブ

平日の夜、オフィスに一人残って、Excelへの転記作業をようやく終えた。


経理部で6年目の私は、毎月末になると3つのシステムから数字を出力し、同じ表に手作業で転記していた。件数は毎回200行を超える。「自動化すればいいのに」と分かっていながら、プログラミングの知識がなく、手が出せずにいた。


去年、後輩に「先輩、これマクロ組めば10分で終わりますよ」と言われて、何も言い返せなかった夜がある。


それから3冊を、この順番で読んだ。まずプログラミング未経験でも触れる範囲を知り、次に体系立てて仕組みを理解し、最後にAIと組み合わせて応用の幅を広げる。この順番にした理由は、いきなり応用書に手を出していたら、また挫折していたと思うからだ。


未経験のまま挫折していた理由


以前、別のプログラミング入門書を買って3日で挫折した経験がある。今回、本屋で「未経験者でもOK」という一文だけを頼りに手に取ったのが「プログラム未経験者でもOK!! 業務効率化/自動化のためのGoogle Apps Script」だった。



読み進めて分かったのは、スプレッドシートの操作を1つずつコードに置き換える練習から入る構成だということだった。いきなり全体を自動化しようとせず、まず「セルの値を読む」「別のシートに書く」という小さい単位から手を動かす。


最初の1週間で作れたのは、3つのシステムから出した数字を1つの表にまとめるだけの短いスクリプトだった。


40分が5分になった。


転記にかかっていた時間は、それだけ縮んだ。


物足りなさもある。基礎の操作が中心で、複雑な条件分岐や外部サービスとの連携までは扱っていない。ある程度書ける人には易しすぎるはずだ。ただ、3日で挫折した私には、この易しさが続ける理由になった。


小さいスクリプトを書いたあと、仕組みで理解する


短いスクリプトが書けるようになった後も、少し複雑な処理になると、毎回検索しながら手探りで書いていた。理由が分からないまま、それっぽいコードを真似していただけだったからだ。


手にしたのは「詳解! Google Apps Script完全入門 第3版」、体系立てて学び直すために選んだ一冊だった。



基礎文法からスプレッドシートやGmailの自動化までを、順を追って体系立てて扱っている。読み進めると、これまで感覚で書いていた部分に、きちんとした理由があると分かった。特に、条件を分解して1つずつ処理する考え方を理解してからは、コードを書く速度が変わった。


ボタン1つ、数十秒。


200行あった月末の転記作業は、その時間でほぼ自動化できるようになった。


他の入門書でなくこれを選んだ理由は、感覚で書いたコードを真似するだけの自分から抜け出すには、遠回りでも体系立てて理解し直す本が必要だと思ったからだ。


向いていないのは、とにかく早く1つの作業だけ自動化したい人だと思う。分厚く、体系的に学ぶ分、遠回りに感じる人もいるはずだ。


自動化ができたあと、AIと組み合わせる


転記の自動化ができたあとも、数字を並べたあとの「気づいたことをまとめる」作業だけは残っていた。ここはルールで書けず、自動化の壁になっていた。


この壁を越える方法を探して見つけたのが「Power Automate for desktop×ChatGPT業務自動化開発入門」だ。RPAとAIを組み合わせて自動化する方法を扱い、報告資料までの導線を、どこまでRPAに任せ、どこからAIに渡すかを整理する内容だった。



読んで気づいたのは、ルールで処理できる部分と、AIに判断を渡す部分を分ける考え方だった。数字を並べる部分はRPAに任せ、数字から異常値を拾って一言でまとめる部分だけChatGPTに渡すようにした。以前は異常値を探すだけで1時間ほどかかっていたが、この分担にしてからは15分ほどで報告用の一言まで作れるようになった。


この本が合わないとしたら、まだRPAもGASも触ったことがない人だと思う。いきなりAIとの組み合わせから入ると、うまくいかない時にどこが原因か分からなくなる。この3冊目を最後に持ってきた決め手は、自動化の土台ができてから初めて、AIとの組み合わせが生きると分かっていたことだ。


AIが出した結果を確認するポイント


自動化が進むほど、確認を飛ばしたくなる誘惑も強くなる。


ChatGPTに数字のまとめを頼むと、一見もっともらしい一文が返ってくる。だが、実際の原因を確認すると、単純な入力ミスや締め日のズレであることが多い。


AIが拾った「異常値」の中には、単に月初の請求タイミングがずれただけのものも混ざっていた。人が判断せずにそのまま報告資料に載せていたら、誤った説明をするところだった。AIに全部任せる選択肢は取らないと決めている。


社内ルールとして、AIが拾った異常値は、必ず元データに戻って人が確認してから報告資料に反映する決まりにした。


評価・収入との接続


月末の転記と一次チェックが自動化できてから、経理部での自分の役割が変わった。


以前は数字を並べるだけで定時を過ぎていたが、今は浮いた時間を、数字の変化の理由を調べることに使えている。時間を作れたこと自体は入り口で、そこから何を積み上げたかが成果になると今は思っている。


先月の部内会議で、上司に「単純作業を減らして、判断が必要な仕事に時間を使えている」と評価された。自動化する前より多くの量をこなせたことも報告したが、上司が反応したのは量ではなく、判断の中身の方だった。


収入にすぐ跳ね返るとは言い切れないが、判断の仕事を任されるようになれば、いずれ収入にもつながるはずだ。次のキャリアの選択肢も広がった。


3冊のうち1つだけ選べと言われたら、今の自分は間違いなく最初の「プログラム未経験者でもOK」を指す。ここでつまずいていたら、後の2冊にはたどり着けなかった。


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今日やるなら


- 手が止まる転記作業を思い浮かべ、その中の一手順だけを書き出す

- その作業の手順を、最初の一歩から順番に紙に書く

- 手順の中で、ルールだけで処理できる部分と、人の判断が必要な部分を分ける

- 自動化する範囲は欲張らず、最初の1手順だけに決める

- ChatGPT(https://chat.openai.com)を開き、次のプロンプトを使う:「次の作業手順を、Google Apps Scriptで自動化できる部分と、人の判断が必要な部分に分けてください:[手順を貼る]」

- 出てきた案から、一番小さい手順を見る

- うまくいった手順は、やり方を固定する

- できたスクリプトは、迷わず使える場所に置く


遠回りに見えた手順も、実際に手を動かしてみると一番の近道だった。土台を飛ばして応用書から入っていたら、今度もまた3日で本を閉じていたと思う。


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『AIに仕事を任せて速くなったのに、自分の市場価値が下がった話|効率化で終わる人と実力が上がる人の差』

https://note.com/ai_income_work/n/na1369a4318b1

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