auじぶん銀行をメインにして十数年。電話番号で送金、スマホでATM。「無料送金」が騒がれる前から、ここは“走り”だった【25年auオタクの記録】
【この記事の要約】 auじぶん銀行は、KDDIと三菱UFJ銀行が共同で2008年に開業したネット銀行。電話番号だけで送れる「ケータイ番号振込」を開業当初から備え(個人間送金「ことら」の14年前)、スマートフォンでセブン銀行ATMから現金を出し入れする「スマホATM」は2017年に“日本初”として全国展開した先駆けでもある。日常面でも、ステージ制「じぶんプラス」で他行あて振込・ATM出金が毎月一定回数まで無料、グループ内(auじぶん銀行どうし・三菱UFJ銀行あて)は何度でも無料、Pontaも貯まる。25年auを使ってきた一個人が、長年メインに置いてきた目線で、事実と出典つきで整理する。
※本記事は、25年auを使っている一個人の利用体験にもとづく感想です。
事実関係はすべて出典つきの公開情報にもとづきます。
最新の条件は各公式サイトでご確認ください。
最近、「銀行間でも手数料0円で送れる」という話題をよく見ます。便利な時代になりました。
ただ、25年auを使ってきた決済オタクとして、ひとつ言わせてください。
auじぶん銀行は、そういうことを“かなり昔から”やってきた銀行です。 私が十数年メインで使い続けているのは、流行りに乗ったからではなく、むしろ逆 。この銀行が先にやっていたことに、世の中があとから追いついてきた、という実感があるからです。
今日は、その「先駆け」だった部分を中心に、日常の便利さと正直な弱点まで、調べ尽くして書きます。
実は、いくつもの“走り”だった
① 電話番号で送れる「ケータイ番号振込」を、2008年から
auじぶん銀行は、KDDIと三菱東京UFJ銀行(当時)が共同で立ち上げ、2008年7月17日に個人向けサービスを開始しました。そして驚くのが、その開業当初の提供サービスのなかに、すでに「ケータイ番号振込」=相手の携帯電話番号だけで送金できる仕組みが入っていたことです[1]。
口座番号を聞かなくても、電話番号だけで送れる。いまでこそ当たり前に語られる機能ですが、これを2008年からやっていた。個人間送金として話題の「ことら送金」が始まったのが2022年ですから、14年も先回りしていたことになります。ケータイ会社が作った銀行ならではの発想だったと思います。
正直に補足すると、このケータイ番号振込はauじぶん銀行どうしの送金に限られます[2]。他行の相手に電話番号で送れるわけではありません。それでも、2008年当時にこの体験を提供していたことの先進性は、25年auを見てきた身からすると、もっと評価されていいと感じます。
② スマホでATM出金「スマホATM」は、2017年に“日本初”
財布を持たずに、スマホだけでコンビニのATMから現金を引き出す。これも、auじぶん銀行が先駆けでした。
2017年3月27日、じぶん銀行はセブン銀行と組んで「スマホATM」を開始します。アプリを使ってセブン銀行ATMで入出金できるこのサービスについて、両社のプレスリリースは「スマートフォンによるATM入出金サービスの全国展開は、日本初」と明記しています[3]。
つまり、いま各行が当たり前に提供している“カードレスでATMから引き出す”体験は、auじぶん銀行が全国で最初に走らせたものだった、ということです。auオタクを名乗る私の体感でも「昔からできた」と思っていましたが、調べたら想像以上 。体感が正しかっただけでなく、本家本元でした。現在はセブン銀行ATMに加えてローソン銀行ATMにも対応し、財布を家に忘れてもスマホだけで現金を出し入れできます[4]。
③ アプリに「タイムライン」、これも日本の銀行で初
さらに2016年6月、じぶん銀行はアプリを全面リニューアルし、入出金などの情報を時系列で見せる「タイムライン」を日本の銀行として初めて導入しました[5]。スマホ前提のUIにいち早く振り切った銀行だった、ということです。
こうして並べると、ケータイ会社の銀行という出自そのものが早かった。実際、KDDIは通信事業者として初めて銀行代理業の許可を取得して、この銀行を世に出しています[1]。「スマホ時代の銀行」を、スマホが当たり前になる前から作っていた 。それがauじぶん銀行の地味にすごいところです。

2008 ケータイ番号振込(開業)/2016 タイムライン 日本の銀行初/2017 スマホATM 日本初。下に「ことら送金 2022」を置いて“14年の先回り”を視覚化。
日常の便利さも、ちゃんとそろっている
歴史だけの銀行ではありません。毎日使う道具としても、よくできています。
振込もATMも、毎月一定回数まで無料
利用状況に応じた4段階のステージ制度「じぶんプラス」があり、ステージが上がるほど無料回数が増えます。下から「レギュラー」「シルバー」「ゴールド」「プレミアム」の4段階です(2022年4月のリニューアル以降。それ以前は5段階制でした)。他行あての振込手数料は、いちばん下のレギュラーで月3回、最上位のプレミアムなら月15回まで無料。ATM出金手数料も、レギュラー月2回からプレミアム月15回まで無料です[6]。
そして地味に効くのが、auじぶん銀行どうし、または三菱UFJ銀行あての振込は、どのステージでも何度でも無料という点[6]。auじぶん銀行同士なら原則24時間365日リアルタイムで、手数料0円で送れます[2]。グループ内に送るぶんには、回数を気にしなくていい。

グループ内=無制限/他行あて=月3〜15回/ATM出金=月2〜15回/ATM入金=原則無制限。※ステージは4段階(レギュラー〜プレミアム)。正確な無料回数は公式サイトで要確認。
コンビニATMとスマホATMで、現金も自由
前述のスマホATM(セブン銀行・ローソン銀行ATM、カードレス)に加え、各ATMでの入出金に①の無料回数が効きます[4]。普段使いの範囲なら、現金まわりでお金がかからない。ネット銀行の弱点とされがちな「現金の出し入れ」が、むしろ強みになっています。
Pontaが貯まる 、 au経済圏と地続き
じぶんプラスは、毎月の取引に応じてPontaポイントが貯まり、ステージによって倍率も変わります[7]。最上位のプレミアムなら、通常の15倍のPontaが貯まる設計です[8]。
貯まるのがPontaであることに意味があります。au PAY残高にチャージして街で使う、ローソンで使う、au料金に充てる 。 出口がいくらでもある。auマネ活でau PAYやauじぶん銀行をまとめている人なら、同じ財布に合流していきます。さらに、auじぶん銀行と三菱UFJ eスマート証券(旧auカブコム証券)をつなぐ「auマネーコネクト」を設定すると、スタンプを獲得でき、円普通預金の金利優遇も受けられます[9]。銀行・証券・決済・ポイントが一本につながるのが、au経済圏でこの口座を持つ強みです。
なお、じぶんプラス自体はauユーザー専用ではなく、口座があれば誰でも対象。ドコモやソフトバンクのユーザーでも使えます[7]。ただ、Pontaの出口とauマネ活との相性まで考えると、いちばん旨味が出るのはやはりauユーザーです。
それでも、正直に書いておくこと
これだけ褒めても、抑えておくべき点はあります。
ひとつ、②のとおり「ケータイ番号振込」はauじぶん銀行どうしに限られます。電話番号で“他行の相手”に送れるわけではありません。
もうひとつ、ステージ制の「無料」は、あくまで回数の優遇です。土台にあるのは、ごく普通の銀行振込(全銀システムを通る振込)。無料回数を超えれば手数料はかかり、上位ステージを保つには取引の条件を満たし続ける必要があります。そして当然、auじぶん銀行という一つの銀行に紐づく話です。
便利で、しかも先駆けだった。でも「回数」と「銀行」には縛られている。
ここは正直なところです。
そして、ここから次回につながります。「では、回数にも銀行にも縛られず、電話番号や口座だけで無料に送る方法はないのか?」。じぶん銀行が2008年に“グループ内”でやって見せたことを、いま“銀行をまたいで”実現する仕組みが、実は2つあります。その話は次の記事で。
まとめ 25年見てきて思うこと
派手な金利や一発の高還元で目立つ銀行ではありません。でも、やるべきことを、誰より早く、静かにやってきた銀行だと思っています。電話番号送金もスマホATMも、世の中が「便利だ」と騒ぐ十年以上前から、手元で動いていました。
auやUQ mobileを使っていて、Pontaを貯めている人とは、相性がとてもいい。現金も使う人には、スマホATMが効く。十数年メインに置いてきた一個人として、いまも気持ちよく使えています。最終的にどの銀行を選ぶかは人それぞれですが、「この銀行、地味だけど先を行ってたよね」という事実だけは、25年auを見てきたオタクとして、記録しておきたかった次第です。
出典
[1] MarkeZine「じぶん銀行が個人向けサービス開始、セブン銀行ATMも利用可能に」(2008年7月17日)
(開業当初の提供サービスにケータイ番号振込・口座番号振込・ATM取引・Edyチャージ。ATMは三菱東京UFJ/セブン/ゆうちょ。KDDIは通信事業者として初めて銀行代理業の許可を取得)
[2] auじぶん銀行公式「振込」「ケータイ番号振込(よくあるご質問)」 https://www.jibunbank.co.jp/service/transfer/
https://help.jibunbank.co.jp/faq_detail.html?id=375
(ケータイ番号振込はauじぶん銀行口座間のみ対応/auじぶん銀行同士は原則24時間365日リアルタイム・手数料0円)
[3] 日本経済新聞(セブン銀行・じぶん銀行 プレスリリース)「『スマホATM』サービスを開始~日本初、スマートフォンによるATM入出金サービスを全国で展開~」(2017年3月27日) https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP440561_X20C17A3000000/
[4] auじぶん銀行公式「スマホATM」
https://www.jibunbank.co.jp/service/smartphone_atm/
(キャッシュカードを使わずアプリでセブン銀行ATM・ローソン銀行ATMから入出金)
[5] ペイメントナビ「じぶん銀行がセブン銀行ATMでスマホ入出金を開始」(2017年)
https://paymentnavi.com/paymentnews/64117.html
(KDDIと三菱東京UFJ銀行が各50%出資し2008年設立。2016年6月にアプリを全面リニューアルし「タイムライン」を日本の銀行で初めて導入)
[6] ケータイ Watch「auじぶん銀行『じぶんプラス』をリニューアル」 https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1373776.html
(他行宛振込:レギュラー月3回〜プレミアム月15回/ATM出金:レギュラー月2回〜プレミアム月15回/auじぶん銀行間・三菱UFJ宛は全ステージ無料/スタンプによるステージ判定)
[7] ザイ・オンライン「じぶんプラスのリニューアルでPontaポイントも貯まる」
https://diamond.jp/zai/articles/-/1002660
(毎月の取引に応じてPonta付与、ステージで獲得ポイントが変動、auユーザー以外も対象)
[8] ザイ・オンライン「プレミアムステージのメリット」 https://diamond.jp/zai/articles/-/1005235
(プレミアムは振込・ATM出金が月15回まで無料、Pontaは通常の15倍)
[9] ザイ・オンライン「じぶんプラスのステージを効率よく上げる攻略法」 https://diamond.jp/zai/articles/-/1002667
(auマネーコネクトの設定でスタンプ獲得、円普通預金の優遇金利)
※本記事は2026年6月13日時点の公開情報にもとづきます。
ステージ名・無料回数・優遇内容・対応ATMは変更されることがあります。最新の条件は必ずauじぶん銀行公式サイトでご確認ください。
