とりあえず、スキと言ってみる
noteを始めたばかりの頃、「スキ」という言葉に違和感があった。

他のSNSは「いいね」である。
会社のチャットも「いいね」である。
親指を立てたマークをポンと押せば、それで済む。
「見ました」
「賛成です」
「了解です」
「とりあえず反応しておきます」
たった一つの親指が、いくつもの仕事を引き受けてくれる。
実に働き者である。
ところがnoteでは、「スキ」を押す。
なぜ、スキなのだろう。
いいねだったら、もっと気軽に押せるのに。
スキとなると、急に恥ずかしい。
記事を一本読んだだけなのに、帰り道で呼び止めて「あなたのことがスキです」と告白しているような気分になる。
いやいや、そこまでの関係ではない。
今日初めて記事を読んだだけである。
こちらは軽く会釈するくらいのつもりなのに、画面の向こうではハートが飛んでいる。
距離の詰め方が早い。
だから最初の頃は、スキを押す前に少しためらっていた。

本当にスキなのか。
最後まで読んだから押すのか。
共感したから押すのか。
面白かったから押すのか。
こんな簡単なボタン一つに、何を真面目に悩んでいるのだろう。
それでもnoteを続けているうちに、少しずつわかってきた。

「いいね」は、評価である。
「スキ」は、感情である。
いいねは、相手が作ったものに丸をつける。
スキは、それを読んで動いた自分の心を渡す。
うまく書けているから、いいね。
役に立ったから、いいね。
それだけではない。
なぜだかわからないけれど、この一文が残った。
この話を読んで、昔のことを思い出した。
ちょっと笑った。
少し泣きそうになった。
そんな、丸や点数では表せないものまで、「スキ」なら届けられる。
スキとは、「あなたの記事は正解です」ではなく、「僕の心が動きました」という報告なのだ。
そう考えても、恥ずかしさが消えたわけではなかった。
むしろ、やっぱり少し恥ずかしい。
感情を渡すのだから、当然である。
でも、恥ずかしいからこそ、もらったときはうれしい。
今では僕も、すっかりスキを押す側になった。

それどころか、自称「スキ動画普及委員会」の会長まで務めている。
会員は何人いるのか。
活動実績は何なのか。
そもそも、いつ設立されたのか。
会長である僕も、よくわかっていない。
ただ、会社でも仕事のチャットに「スキ」を押せるようになってきた。
以前なら無言で親指を立てていた場面で、今は少しだけ勇気を出して、スキを送る。
「資料を作成しました」に、スキ。
「対応ありがとうございます」に、スキ。
「今日は早めに帰ります」にも、スキ。
最後のものは、仕事への評価なのか、その人への感情なのか、少し判断が難しい。
それでもいい。
いいねより少し近くて、告白よりはずっと軽い。
そのくらいの場所に、スキはいる。
noteを始めた頃の僕が見たら、たぶん驚くだろう。
あれほどスキを押すのが恥ずかしかった男が、今では会社にまでスキを持ち込もうとしている。
慣れとは恐ろしい。
いや、スキとは恐ろしい。
押すたびに、少しずつ人との距離を近づけてしまうのだから。
ナオユキ
このエッセイは、バトンで書きました
この文章は、ゆきさんからいただいた「#エッセイしりとり」のバトンで書きました。
前の人が書いたエッセイタイトルの最後の一文字から始まるタイトルで、次のエッセイを書く企画です。
ゆきさんのタイトルは、
『いいことがなかった日の、いいこと』
最後の文字は「と」。
だから僕は、
『とりあえず、スキと言ってみる』
というタイトルで書いてみました。
実は、エッセイを書くのは今回が初めてです。
何をどう書けばエッセイになるのか、いまだによくわかっていません。
ただ今回は、noteを続ける中でずっと引っかかっていた「スキ」という言葉について、少し立ち止まって書いてみました。
ゆきさん、そして発案者のマイキーさん、初エッセイの機会をありがとうございました。
スキ動画が好きすぎて
先ほど、自称「スキ動画普及委員会」の会長と書きました。
冗談のように見えるかもしれませんが、活動については意外と本気です。
僕はスキ動画が好きすぎて、ついにスキ動画のLPまで作ってしまいました。
▼スキ動画コンテストのギャラリーはこちら
エッセイを書くのは初めてなのに、スキ動画のためのページは作れる。
自分でも、力を入れる場所が少しおかしい気がします。
でも、それくらいスキ動画が好きです。
スキを、ただ押すだけで終わらせず、読んでくれた人へ小さな動画として返してみる。
「読んでくれてありがとう」
「また来てくれてうれしい」
「あなたの反応で、次も書こうと思えました」
そんな気持ちを、5秒の動画に込めて届ける。
それは、この記事で長々と書いてきた「スキ」という感情の、もう一つの形なのかもしれません。
そして現在、第2回スキ動画コンテストを開催しています。
今回は、動画作成に使える450クレジットも配っています。
「動画を作ってみたいけれど、まだやったことがない」
「ちょっと興味はあるけれど、難しそう」
そんな方にこそ、この機会に試してもらえたらうれしいです。
スキ動画を作って、誰かにスキと言ってみる。
やはり僕は、スキ動画普及委員会の会長なのだと思います。
次のタイトルは「る」から
僕の『とりあえず、スキと言ってみる』。
最後の一文字は「る」です。
今回の「#エッセイしりとり」のバトンは、普段から「エッセイといえばこの方々」と尊敬している三人へお渡ししたいと思います。
一人目 きのころさん
日常の中にある出来事を、きのころさんがどのように言葉にするのか。
いつも勉強させてもらっています。
「る」から始まるエッセイ、ぜひ読んでみたいです。
二人目 須川さん
お馴染み文藝大賞の主催者です。
いつもバトン渡してばかりですみません…
今回のバトンも、もしよろしければ受け取ってください。
三人目 赤柴さん
エッセイと聞いて、真っ先に思い浮かんだお一人です。
赤柴さんが「る」をどう料理するのか、楽しみにしています。
忙しかったり、今は違うなと思ったりしたら、どうか気軽にスルーしてください。
また、次へのバトンも無理に渡さなくても良いと思ってます。
(スルーもOKなので、バトンを止めてもOK理論)
ゆるりと受け取っていただけたらうれしいです。
僕の初めてのエッセイは、これでおしまい。
エッセイになっているかどうかは、まだわかりません。
でも、もし少しでも心が動いたら。
とりあえず、スキと言ってみてください。

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8/19までまだ期限あります。
初心者大歓迎!
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動画生成にまだ触れたことがない人も、すでに作ったことがある人も、この機会に遊んでもらえたらうれしいです。
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