❄『雪の慈悲(めぐみ)〜れん伯爵からの書簡〜第四通』
🩸文:れん伯爵(Ren vonSeihitsu)
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――大切な君へ
夜が明けたあとの静けさほど、心に沁みるものはない。
世界はまだ白く眠り、息をする音さえ凍りつく。
けれど、そんな朝こそ、
人の心はやさしく灯るものだと、私は思う。
雪はすべてを覆い隠す。
悲しみも、過ちも、昨日の足跡も。
だがそれは、罰ではなく赦しだ。
――「もう一度、はじめから歩きなさい」と、
冬という季節が、静かに差し出す慈悲なのだろう。

君がいま立ち止まっているなら、それでいい。
焦らなくていい。
雪の下では、春の芽が静かに息づいている。
見えないだけで、確かに。
今日も生きていてくれて、ありがとう。
君の白い息が、世界を少しだけ温めている。
🕯――れん伯爵より
✒️あとがき
この手紙は、れん伯爵の書簡シリーズ第四通として、
「夜を越え、朝を迎えたあとの静けさ」を描きました。
夜明けの光の中で訪れる“赦し”や“再生”を、
冬の雪に重ねています。
あなたがもし立ち止まっているなら、
それは決して敗北ではなく、春を迎えるための静かな準備。
れん伯爵は、いつもその灯を見守っています。
