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借り物の剣では、守れない : 最強AI「Mythos」が突きつける非対称の絶望

前回、Mythosのマーケティングについて、盤面の仕掛けを俯瞰するような、少し私らしくない記事を投稿しました。まぁ、たまには良いでしょう。

人間のエリートハッカーが何週間もかけるサイバー攻撃の工程を、わずか数時間で完遂してしまうというその新世代AI。システム上の弱点をあっという間に暴き出す能力は、確かに「脅威」と呼ぶにふさわしいものです。

日本国内の報道を見ていると、「危険すぎて限定公開になった最強のAI」に対するアクセス権を、政府やメガバンクがいち早く獲得した、と誇らしげに語られています。

Mythosの脅威は真実だと思いますが、受け手側の態度がどうにも釈然としません。おそらく、多くの方が感じている違和感と同じです。私たちは巨大なマーケティングの波に乗せられて、都合よく踊らされているだけではないでしょうか。

開発元は「危険性」をアピールして最強のPRを行い、メディアは脅威を煽って数字を稼ぐ。そして企業や政府は「米国企業と交渉できた」という外交の成果としてトロフィーを掲げる。見事なまでに、登場人物全員の利害が一致した舞台劇です。

正直なところ、私も最初は「これで日本のセキュリティも安泰だ」と胸をなでおろしかけました。次々と現れる最新技術の波を追いかけるだけでも、最近は少し息切れがする毎日です。だからこそ、どこかで「巨大な力を持つ誰かが守ってくれる」という安心感に、すがりたかったのかもしれません。

けれど、現実は私が思うよりずっと冷酷で、恐ろしい速度で進んでいます。
今日の「最強」はあっという間に過去の遺物になっていく。その圧倒的な速度の前に、自分の現在地すら見失ってしまいそうな不安に駆られます。

私が本当に恐ろしいと感じるのは、ターミネーターのような物理的な脅威ではありません。セキュリティにおける攻防の、絶望的な非対称性です。

「アメリカから最新のAIを借りることができた」と無邪気に喜んでいる日本の姿は、サイバー防衛の主権を丸ごと他国に預けている状態、つまり「技術的属国」への道を無自覚に歩んでいることに他なりません。
もっとも、こうして文字を打ち込んでいるMacも、ポケットに入っているPixelもアメリカ製を使っている私が、偉そうに言えた義理ではないのかもしれませんが。

かつて私たちが持っていたはずの、インフラの奥底で世界を支え続ける「自前の技術」への気概。それはいつの間にか薄れ、今や覇権を争うレースのスタートラインにすら、まともに立てていないように見えます。

「強力なAIが入ってきたから安心」という言葉は、心地よい麻酔です。麻酔は一時的に痛みを消してくれますが、同時に、迫り来る致命的な危険の報告すらも消し去ってしまいます。

私たちにできることは、目まぐるしく変わる前提に合わせて、自分たちのあり方を柔軟に作り変えていくことだけなのでしょう。
借り物の剣で、本当の意味で自分たちを守ることはできないと思います。

Mythos一強の期間は、そう長くは続かないでしょう。しかし私は少しだけ、未来の日本のデジタル空間が「誰の言語」で記述され、支配されることになるのか、静かな恐れを抱いています。

これもおかしな話です。少年時代、光瀬龍が描くような途方もなく広大で、どこか寂寥とした宇宙の景色に魅せられて以来、はるか数百万年先の銀河の歴史に比べれば、一惑星の自国の覇権がどうのこうのという悩みなど、いささか了見が狭いと分かっているのに。

それでもやはり、数十年先の足元の現実を突きつけられると、ひどく自分本位に、思い悩んでしまうのです。


今日の一枚:

自分の身は自分で守るしかないです。



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生成AIに試行錯誤 ありがとうございます‼️