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スポーツテックCSのリアルとは?熱狂の裏にある3つの泥臭い課題

こんにちは、こまてんです。

「スポーツが好きだから、スポーツテック企業でCSとして働いてみたい」
「でも、キラキラしたイメージの裏側で、実際はどんな苦労があるんだろう?」

そんなふうに、キャリアの選択肢として Sports Tech(スポーツテック) を検討している方はいませんか?

その気持ち、痛いほどよくわかります。私も2児の父として、休日に息子のサッカーを見ていると「ここにテクノロジーが入ればもっと面白くなるのに」なんて職業病が出てしまうことがあります。スポーツには人を熱狂させる力がありますから、それを仕事にできたら最高ですよね。

しかし、あえて先輩として本音を言わせてください。
スポーツテックのCSは、一般的なSaaSのCSよりも「泥臭い」です。  

華やかなスタジアムや選手の活躍を支えるのは、地道なオンボーディングと、特殊な商習慣との戦い。ここを理解せずに飛び込むと、「イメージと違った」と火傷しかねません。

そこで今回は、IT企業でCSとして働き、様々な業界を見てきた私の視点から、 スポーツテックCSの「リアルな難しさ」と、それを乗り越えるための「生存戦略」 を解説します。

結論から言うと、この領域で求められるのは「データ分析力」以上に、「アナログな現場に入り込む人間力」です。


スポーツテックCSが直面する「3つの壁」

スポーツテックと一口に言っても、ファンエンゲージメント系(B2B2C)や、選手強化・チーム管理系(B2B)など様々です。しかし、CSとして対峙する課題には共通点があります。

それは 「感情」と「季節性」と「リテラシー」 の壁です。

1. 「オフシーズン」というチャーンの魔物

一般的な業務効率化SaaSであれば、年間を通して一定の利用が見込めます。しかし、スポーツには明確な「シーズン(試合がある期間)」と「オフシーズン」が存在します。

これがCSにとって何を意味するか、想像できますか?

「試合がない期間、プロダクトを使う理由が消滅する」 というリスクです。

特にアマチュアチームやスクール向けのサービスの場合、オフシーズンに入った瞬間に「来月は使わないので解約(または休止)します」という連絡が急増する。これがスポーツテックCSの胃が痛くなる瞬間です。

だからこそ、単なる「ツールの使い方」を教えるだけでは足りません。
オフシーズン中こその活用法(過去データの分析、来季のチーム編成シミュレーション、選手の自主練管理など)を提案し、 年間を通じた価値 を設計できるかが腕の見せ所になります。

2. 「アナログな現場」への浸透という高いハードル

「iPad? 操作が難しくてわからん!」

現場のコーチや監督の中には、長年の経験と勘を重視し、デジタルツールにアレルギーを持つ方も少なくありません。決裁者(オーナーや学校法人)が導入を決めても、実際に使う現場が拒否反応を示せば、オンボーディングは頓挫します。

一般的なIT企業ならSlackやZoomで済む話が、スポーツの現場では通用しません。
時にはグラウンドまで足を運び、雨に打たれながらスマホの画面を見せて操作説明をする。そんな 「ハイタッチ」を超えた「フィジカルタッチ」 な支援が求められることも。

ここで、「ITリテラシーが低いからダメだ」と切り捨てるのは二流のCS。
「どうすれば直感的に、練習の邪魔にならずに使ってもらえるか?」を徹底的に考え、 相手の目線まで降りていく姿勢 が不可欠なのです。

3. 勝敗に左右される「感情の変数」

チームが連敗している時、新しいツールを導入する余裕はあるでしょうか?
答えはNoであることが多いです。

「ツールを使っている場合じゃない、練習だ!」
チームの成績が悪化すると、プロダクトへの不満がなくとも、雰囲気的にツールの優先順位が下がることがあります。逆に、勝っている時は「ゲン担ぎ」も含めて継続してくれたりもする。

クライアントのモチベーションが「論理」ではなく「感情(勝敗)」に左右される。  
これは他の業界ではあまり見られない、スポーツテック特有の難しさと言えるでしょう。

CS思考で読み解く「勝ち筋」の作り方

ここまで脅すようなことばかり書いてしまいましたが、安心してください。課題が明確なら、対策も打てます。私が考える、スポーツテックCSとしての「勝ち筋」は以下の3点です。

成功定義を「勝利」以外に置く(サクセスの再定義)

「チームが勝つこと」をCSのゴール(顧客の成功)に設定してしまうと、自分たちではコントロールできない要素が多すぎます。

そこで、サクセスの定義を少しズラします。

  • コーチの事務作業時間が〇〇時間減った  

  • 選手の体調不良による離脱率が〇%下がった  

  • 保護者への連絡漏れがゼロになった  

このように、 勝敗に関わらず「確実に提供できる価値」 を数値化し、握っておくこと。これが、チームの調子が悪い時でも契約を継続してもらうための命綱になります。

「ファン」ではなく「パートナー」になる

スポーツが好きで入社した人にありがちなのが、クライアント(選手やチーム)に対して「ファン目線」で接してしまうこと。

「〇〇選手の役に立てて嬉しいです!」
これ自体は素敵なことですが、CSとしては危険信号。相手はプロ(または真剣な指導者)です。ファンとして接してくる相手には、本音の課題を相談しません。

必要なのは、 ビジネスパートナーとしての対等な視点
「今のチーム状況なら、この機能を使ってデータを可視化すべきです」と、時には耳の痛い提案もできる関係性を築く。この切り替えができる人が、現場から信頼を勝ち取っています。

熱狂をデータで裏付けする

スポーツテックの醍醐味は、やはり「感動」の瞬間に立ち会えること。
その感動を、CSとして データで補強 してあげましょう。

例えば、優勝したチームに対して「おめでとうございます!」と言うだけでなく、「今シーズンのデータを見ると、接戦時の後半15分の走行距離が、他チームより平均5%高かったですね。日々のコンディション管理の成果ですね」と伝える。

感覚的な「頑張り」を、客観的な「成果」として証明してあげる。
これこそが、テクノロジー企業がスポーツに関わる最大の意義だと思いませんか?

まとめ:それでもスポーツテックCSは面白い

最後に要点をまとめます。

  • 季節性(オフシーズン)のリスクを前提に、年間プランを設計する  

  • アナログな現場に寄り添う、泥臭いオンボーディングを覚悟する  

  • サクセスの定義を「勝敗」から「効率化・可視化」へシフトする  

スポーツテックCSは、決して楽な仕事ではありません。
しかし、自分がサポートしたチームが劇的な勝利を収めた時、あるいは子供たちのスポーツ環境が少しでも良くなったと感じられた時、 他のSaaSでは味わえない震えるような充実感 があるのも事実です。

「泥臭さ」すらも愛せるあなたなら、きっとこのフィールドで活躍できるはず。
もし迷っているなら、まずは一歩踏み出してみることをお勧めします。その経験は、どの業界に行っても通用する「本当の顧客志向」を育ててくれるでしょうから。

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