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AIと一緒にWebサービスを作って気づいた「これからの学び方」

「プログラミングの勉強」って、もう意味ないの?

最近、こんな声をよく聞きます。

「AIがコード書いてくれるなら、プログラミング勉強する意味あるの?」

結論から言うと、意味はある。ただし、学ぶべきことが変わった。

昨日、僕はAIコーディングアシスタント(Antigravity × Claude Opus 4.6)と一緒にWebサービスの決済ページを作っていました。その体験の中で「あ、これからの時代に必要なスキルってこれだな」と気づいたことを書きます。


AIが5秒で書いたコードに、僕は驚いた

僕は昔、「デザインパターン」というプログラミングの設計手法を必死に勉強しました。

デザインパターンとは、ざっくり言うと「よくある問題に対する、先人が見つけた解決策のカタログ」です。料理でいうレシピ集みたいなもの。

有名なものだけで23個もあるデザインパターンを本で学び、写経し、「この場面ではこのパターンだ!」と使えるようになるまで何年もかかりました。さらに、Webアプリを作る際には、また別のデザインパターンを覚える必要がありました。

ところが今日、Webサービスに「決済後のページをリロードしても二重購入にならない仕組み」が必要になった時、AIはわずか5秒でこう提案しました。

「sessionStorageでリロードを検知して、history.replaceStateでURLを書き換えれば二重送信を防げます」

…完璧な答えでした。

僕が何年もかけて学んだ「パターンを状況に合わせて選ぶ力」を、AIは一瞬でやってのけた。

正直、ちょっとショックでした。


でも、AIは「あるバグ」に気づけなかった

決済ページの仕組みはこうです。

  1. ユーザーが商品を購入する

  2. 決済が完了すると「ありがとうページ」に自動で飛ぶ

  3. そのページで、裏側のデータベースに「1件購入された」と記録する

AIはこの仕組みを完璧に作りました。テストしたら、ちゃんと動きました。

問題は、僕が「ありがとうページ」でF5キー(リロード)を押した時に起きました。

購入数が増えた。

もう1回リロードした。また増えた。

28件、29件、30件…。実際には1回しか買ってないのに。


人間にしかできなかったこと

面白いのは、AIはこのバグに自分では気づかなかったということ。

プログラムとしては正しく動いている。ページが開くたびに、購入データを送信する。仕様通り。

でも、「普通のユーザーってリロードするよね?」という発想は、AIからは出てこなかった。

僕が使っているGoogleのAntigravityというAIコーディング環境では、ClaudeのOpusやGeminiなどの最新AIモデルが動いています。コードを書く能力は圧倒的。でも、「実際に使ってみて違和感を感じる」ことは、まだ人間にしかできない。

僕が「リロードしたら数字増えちゃうよね」と指摘した瞬間、AIは即座に完璧な修正コードを出してきました。

つまりこういうことです。

問題を「解く」力はAIが上。問題を「見つける」力は…人間にしかないのか?

実はここ、少し補足が必要です。

AIに「チェッカー役」を与えて、別のAIが書いたコードをレビューさせる「マルチエージェント」という手法があります。セキュリティの穴やパフォーマンスの問題など、チェックリスト化できる問題はAIも見つけられます。

でも、今日の「リロードしたらどうなる?」は、「普通のユーザーって何をやりそうか」という生活者の直感から来ていた。この種の発想を、AIが自発的に持つのはまだ難しい。

既知のパターンに当てはまる問題 → AIも見つけられる。
チェックリストにない「なんか変だな」 → まだ人間の領域。

この境界線は、AIの進化とともに動いていくでしょう。でも今この瞬間は、「違和感を感じる力」が人間の最大の武器です。


もう一つの気づき:「それ、日本人に伝わる?」問題

小さな出来事ですが、印象的だったので書きます。

決済後の「ありがとうページ」に、「CURRENT STATUS」(現在の状況)という英語の見出しがありました。

その下には集計データを表示する日本語のセクション。

僕はAIに聞きました。

「これって意味ある? 日本人にとって『CURRENT STATUS』ってなんか説明っぽくない?」

AIは即座に同意して削除しました。

これは技術の問題ではありません。「日本のユーザーがこれを見てどう感じるか」という感覚の問題。こうした「違和感」を感じ取れるのは、その文化で生きている人間だけです。


これからの時代に必要な3つの力

デザインパターンの暗記はAIに任せていい。
アルゴリズムの実装もAIに任せていい。
ベストプラクティスの適用もAIに任せていい。

では、僕たち人間は何を学べばいいのか?

今日の体験から、3つだと思いました。


① 「違和感を言葉にする力」

今日、僕がAIに伝えたことを振り返ると:

  • 「画面に収まらないのが気になる」

  • 「数字がピョンと跳ね上がるエフェクトがほしい」

  • 「この英語、日本人にはピンとこない」

コードは一行も書いていません。

でも、この「なんか違う」を言葉にできなければ、AIは何も改善できませんでした。

プログラミングを学ぶより、「自分の感じた違和感を、相手に伝わる言葉にする練習」の方が、これからは大事かもしれません。


② 「自分で触ってみる力」

リロードしたら二重にカウントされるバグ。

これは、AIにはテストできない種類のバグでした。

なぜなら、「ユーザーが無意識にやりそうなこと」を想像して、実際にやってみる必要があるから。

テストコードを書かせるのはAIの得意分野。でも「こういう使い方する人いそうだよな」と想像して実際に試すのは、まだ人間の仕事です。


③ 「段取りを考える力」

今日の僕の判断はこうでした。

「まず自分の環境でテストして、次に別のドメインで試して、明日クライアントの環境で最終確認する」

AIも段取りの提案はできます。でも、「明日クライアントに見せるから今日中にここまで終わらせたい」という文脈を踏まえた最終判断は、その状況を生きている人間にしかできません。

AIは「何をやるか」を指示すれば実行できます。でも、「何をやるべきか」を決めるのは人間の仕事です。


学び方の変化

<昔の学び方>
パターンを暗記する
コードを自分で書く
技術を深掘りする
知識をインプットする

<これからの学び方>
違和感を感じ取る
結果を触って確かめる
全体の段取りを描く
判断をアウトプットする


プログラミングを学んだことは無駄だったのか?

ここで冒頭の問いに戻ります。

「AIがコード書いてくれるなら、プログラミング勉強する意味あるの?」

答えは「ある」です。ただし、その意味が変わりました。

パターンを学んだから…

僕がデザインパターンを学んだから、AIが提案する設計が「正しいかどうか」を判断できる

昔のプログラミング経験は、AIの出力を評価するための土台になっていたんです。

以前、僕は「習熟の負債」という言葉を作りました。過去に積み上げたスキルが、新しい時代への移行を妨げてしまう現象のことです。

料理に例えると、こんな感じです。

包丁の使い方を何十年も磨いてきた料理人がいるとします。ある日、フードプロセッサーが登場した。ボタンひとつで、玉ねぎのみじん切りが5秒で終わる。

初心者は迷わずフードプロセッサーを使います。でも、包丁の達人ほどこう思う。

「いや、包丁の方がきれいに切れるし…」

この「包丁の腕がある」こと自体が、新しい道具への移行を遅らせてしまう。これが「習熟の負債」です。

でも今日気づきました。

あれは「負債」じゃなくて「資本」だった。

フードプロセッサーの刃の角度がおかしいと気づけるのは、包丁で何千回も切ってきた人だけ。「この切り口は繊維を潰してる」と感じ取れるのは、手の感覚を知っている人だけ。

学んできたことは消えない。形を変えて、新しい道具を「評価する目」になる。


まとめ:AIと働く時代の「学び」

AIコーディングツール(僕はAntigravity + Claude Opus 4.6を使っています)は、間違いなくプログラミングの世界を変えました。

でも、人間が不要になったわけではない。

むしろ、「何を作るか決める」「違和感を見つける」「段取りを組む」という、より本質的なスキルの価値が上がっている。

これからプログラミングを学ぶ人は、コードの書き方と同時に、「自分が感じたことを言葉にする練習」をした方がいい。

すでにプログラミングができる人は、その知識を「AIの提案を評価する目」として活かせばいい。

学び方は変わる。でも、学ぶこと自体の価値は、むしろ上がっている。


あなたは、どう学びますか?

AIと一緒に働く時代の「学び」について、今日の体験から感じたことを書きました。

でも、これは僕の答えであって、あなたの答えではありません。

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