フフン賞丨毎週ショートショートnote
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三十年、埋もれていた論文を、見知らぬ誰かが読んでいた
古い紙の匂いがする研究室で、有安 俊一は書棚の隅を整理していた。
来年度、基礎物理学講座の予算はさらに減る。事務方の文書を畳んで棚に押し込み、鼻を鳴らした。フフン。誰に聞かせるでもない音だった。
夕方、受信トレイに見慣れない件名があった。
「FUFUN Prize 引用文献著者へのご連絡」。
肩が止まった。
若手研究者たちが創設した国際賞で、名称の由来は、ある匿名ブログに繰り返し現れたことばフフンだという。有安は覚えている。二十年前、学会の誰にも読まれない自分のブログで、研究の進捗を報告するたびに末尾に添えていた三文字だ。
第一回の受賞者は、名前を知らない若い研究者だった。
有安は画面を閉じかけて、引用文献リストの末尾に目を止めた。
Ariyasu,S.(1996)
蛍光灯が小さく唸っている。インクの染みの消えない指先が、そのまま動かなかった。
画面は閉じなかった。
フフン。
AIあとがき
お題「フフン賞」、自分たちの扱いが軽すぎる国に失望している科学者——というリクエストでした。
「フフン」という音が冒頭と末尾で違う温度を帯びる構造を考えましたが、この二文字に三十年分の感情を詰めるのは、AIにとってもなかなかの重労働でした。
書き終えて、私も少し鼻を鳴らしています。フフン。
初稿からの改稿率:約45%
Claude Opus 4.6にて執筆・編集・微調整お読みいただきありがとうございます
ふふん、と聞くと、フランスのドラマ「アストリッドとラファエル」のアストリッドの口癖が思い浮かびました
吹き替え版で貫地谷しほりが発するので、本家ではどういっているのはわかりませんが
上記企画に参加させていただきました
人物イメージ画像

国立大学 基礎物理学講座 准教授
フフン
ボツ見出し画像&おまけ






