もしスター・ウォーズが制作されていなかったら
『シュタインズ・ゲート』のようなSF作品にある世界線(パラレルワールド)の概念を導入して、スター・ウォーズ・シリーズが制作されなかった世界線を想像してみましょう。この世界線では、SF映画の歴史とポップカルチャーが大きく変わっています。
『インディ・ジョーンズ』の爆発的な人気
ジョージ・ルーカスは、SF映画の代わりに子供向けの冒険シリーズ『インディ・ジョーンズ』の成功にのみ専念しました。このため、80年代のポップカルチャーは考古学的冒険ブームに包まれ、子供たちはライトセーバーの代わりにムチとフェドラ帽子を振り回していました。
『スペース・トレック』の爆発的な人気
『スター・トレック』はこの世界線でSFの王座を独占し、さらに多くの映画やスピンオフシリーズが制作されました。宇宙連邦とクリンゴン帝国の対立は社会現象となり、クリンゴン語の辞書がベストセラーになり、エスペラント語はさらに廃れてクリンゴン語が国連公用語になっています。
『宇宙戦艦ヤマト』の世界進出
日本のアニメ『宇宙戦艦ヤマト』は、スター・ウォーズの不在により、世界的な大ヒットを記録しました。ハリウッドがトム・クルーズ(古代進役)で実写版を制作し、世界中の子供たちが『ヤマト発進!』と叫びながら宇宙船を操縦する夢を見ていました。イーロン・マスクは、火星探査よりも波動エンジンの設計図を手に入れるためにイスカンダルを探すことに執念を燃やしているはずです。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの先駆け
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』はスター・ウォーズの代わりに、SF映画の金字塔として君臨しました。ピーター・クイル(スターロード)のダンスバトルが、あらゆるパーティの定番となり、『Awesome Mix Vol. 1』は全世界でミリオンセラーになっています。
ロボットの進化
スター・ウォーズに影響を受けることなく、ロボット工学は独自の進化を遂げました。ルンバではなく、家庭用ロボット『R2-クリーンD2』が掃除をし、『C-3・TO(ティーチャー・オニヅカ)』はヤンキー教師ロボットとして活躍しています。これらのロボットは全て、スター・ウォーズと無関係に誕生します。つまり、現在我々がいる世界線は、R2-D2やC-3POに対する思い込みがロボットの進化を妨げているということです。
インターネットミームの変化
ダース・ベイダーの『I am your father』の代わりに、『Live long and prosper🖖』が最も引用されるミームになっているでしょう。『フォースの覚醒』ではなく、『ワープスピードへ!』がインターネットを席巻しているはずです。
このように、スター・ウォーズが存在していなくても、同じような世界線に収束してしまうのは、『ダイバージェンス1%の向こう側』に行けるほどのインパクトがスター・ウォーズにはなかったということになります。
スター・ウォーズ・シリーズが無ければ、ジェダイの『ダークサイドに堕ちる』という概念が流行しなかったはずなので、『呪術廻戦』の夏油傑(げとうすぐる)が、『闇堕ち』することもなく、精神科医の鹿冶梟介(かやほうすけ)先生が、夏油傑の治療をする必要がなくなっていた可能性もあります。
武智倫太郎
