SBG――『自己破壊プログラム』を宿した企業の末路
未来を喰らい、負債に溺れ、幻とともに堕ちゆく巨獣の記録
文:武智倫太郎(経済ドキュメンタリスト)
読者の皆様から、
『週刊バブルウォッチには目次があったほうが読みやすい』
『スマホでは字数が多過ぎて読むのが大変だ』
といったご意見をいただきました。
そこで今回は、豪華特典として、
新たに目次を追加し、
さらに本文もまるで詩のようなリズムで、SBGの問題を解説しています。
『週刊バブルウォッチ』は、
皆様からのご意見を真摯に受け止め、
毎週、確実に進化していくメディアでありたいと考えています。
これからも、どうぞご期待ください。
(週刊バブルウォッチ来週号掲載予定記事)
【豪華特典の目次のコーナー】
黙示詩:破滅の序章
やがて、すべては少しずつ、
鈍く、静かに、破裂していく。
信仰はカルトと化し、
資産は幻にすり替わり、
希望はゆっくりと腐敗する。
社債は自らの血を吸い、
幻のように、わずかずつ、体を蝕む。
これは、一つのプログラムである。
名づけて――
『自己破壊プログラム』
そして、それを胎内に宿し、
なお進み続ける巨獣の名は、
『SBG』である。
1章:SBG、その正体は『自己破壊マシン』
ソフトバンクグループ(SBG)をひと言で表すなら、
『自己破壊の暴走機関車』だ。
病的に膨れ上がった夢想を燃料に、
自ら破滅へのレールをひた走る。
ブレーキなど、とうの昔に壊れた爆走機関車である。
そして、その機関車を信じ、追いかけている個人投資家たち。
彼らの姿は、まるで集団自殺するレミングの群れのようだ。
普通の企業なら、
利益を積み、負債を減らし、未来を守ろうとする。
普通の個人なら、
たとえローンで家を買っても、
働いて稼いだ身銭で返済し、
適正な負債管理によって節税効果を活かし、
資産と家族を守ろうとする。
だが、SBGは違う。
負債を抱えたまま、
さらに巨大な賭けへとアクセルを踏み込む。
まるで、負けが込んだ博徒が、
トイチ(10日で一割)、
年利換算で単利365%・複利3,142%で金を借り、
丁半博打を打ち続けるか、
万馬券に一発逆転を賭けるような、
破滅型ギャンブラーそのものだ。
なぜか?
それは、
博徒も孫帝国も、負債を雪だるま式に膨らませ続けなければ即死する構造を抱えているからだ。
この症状を、私はこう呼ぶ。
『社債中毒』。
社債中毒とは――
債券発行による資金調達を繰り返し、
借り換え(ロールオーバー)が止まった瞬間に、
資金繰りが崩壊して倒れる、金融版・依存症である。
その悪循環は、
まるで薬物中毒者の耐性獲得に似ている。
少量では効かなくなり、
使用量が増え、
ついには致死量に達する。
脳は機能不全に陥り、
もはやまともな判断ができなくなる。
社債も同じだ。
発行額が増えれば増えるほど、
信用は蝕まれ、
社債金利だけが吊り上がっていく。
それでも、やめられない。
やめたら即、死だからだ。
SBGは、もはやこの中毒から逃れられない。
『止まれば即、沈没するシャーク(鮫)――そして、生き延びるために噛みつくローンシャーク(英語で高利貸し・闇金を指す)』
それが、SBGという生き物の設計思想である。
しかも、その燃料は、
為替と株式市場という、気まぐれな風に頼るしかない。
たった一度の潮目の変化で、
この難破寸前の船は簡単に転覆し、沈没船となる。
そして、いま。
このマシンは、
癌細胞のように自己増殖する負債をエンジンに、
AIという幻影を目指して突き進んでいる。
その先に何があるのか――
誰も見たことがない。
そして、誰も責任を取らない。
2章:SBGを支える『幻の資産』
ソフトバンクグループ(SBG)は、
持株会社の皮を被っている。
だが、中身は違う。
一般的な持株会社(ホールディングス)は、
グループ企業を管理・支配するために存在する。
しかしSBGは、
『ソフトバンクホールディングス(SBH)』ではなく、
『ソフトバンクグループ(SBG)』と名乗っている。
この違いには、明確な意味がある。
SBGという持株会社擬きの賭場は、
資産を担保に、負債を重ね、
ひたすら膨張し、
そして破裂することが運命づけられたバルーンだ。
孫正義は、
一兆円の一万倍、つまり一京円の時価総額を目指すと口にした。
だが、どれほど寝言を並べたところで、
無限に膨らみ続けるバルーンなど存在しない。
問題は、
どこまで膨らむかではない。
いつ破裂するかだ。
そして、破裂の衝撃に巻き込まれないことこそ、
本当に重要なのだ。
子どもでも知っている。
口で膨らませた風船は、
針先が少しでも触れれば破裂する。
シャボン玉の儚さなど、
幼稚園児ですら理解している。
人の夢と書いて、儚い(はかない)。
ならば、
『子の系(つながり)』と書いて孫になるこのシャボン玉が、
いつはじけるかを正確に予測することなど、
誰にもできはしない。
だが、ひとつだけ確かなことがある。
孫正義が、
何十年もかけて、
厚かましい顔の皮を突っ張らせながら、
必死に膨らませてきたこのシャボン玉。
これがはじけたとき――
日本経済そのものがはじけるほどの衝撃が走るだろう。
この現実を、
果たして、どれだけの人が正しく認識しているだろうか。
SBGは『日本株の顔』という異常事態
ソフトバンクグループ(SBG)は、
東証プライム市場の上場企業であり、
日経平均株価(Nikkei 225)の構成銘柄だ。
つまりSBGは、
単なる一企業に留まらず、
『日本株式市場の指標』そのものに組み込まれている。
日経225とは、
国内外の投資家が『日本市場全体の健康状態』を測るために使う、
最も基本的な体温計だ。
この体温計のなかに、
負債を雪だるま式に膨らませながら、
巨大な賭けに突っ走るSBGが、
堂々と組み込まれている。
しかも、日経平均は単純平均ではない。
株価が高い銘柄ほど指数への影響が大きい設計だ。
つまり、
SBGの株価がわずかに動くだけで、日経平均そのものが揺れる。
これが何を意味するか?
・SBGの暴走は、日本市場全体を引きずり込む。
・SBGの転覆は、日本株の信用そのものを損なう。
・SBGの崩壊は、日本市場の"顔面崩壊"を意味する。
SBGは、
・日経平均という『株価平均体温計』にも、
・TOPIXという『時価総額血圧計』にも、
・JPX日経400という『資本効率診断キット』にも組み込まれている。
つまり、
SBGが狂えば、日本市場すべての健康診断結果が狂う。
そして、SBGの持つ資産は幻。
負債は癌細胞だ。
そんな企業に、
日本経済のバイタルサインが握られている。
これこそが、
本当の危機である。
SBGの『主力資産』は幻に過ぎない
まず、Arm。
市場では時価総額12兆円超と喧伝されているが、
SBGはその90%以上を握っている。
本気で売り始めた瞬間、
市場は異変を察知し、暴落する。
売りたくても、売れない。
売れば資産価値ごと吹き飛ぶ。
これでは、もはや資産とは呼べない。
次に、T-Mobile US。
確かに、アメリカ市場では強い通信キャリアだ。
だが、SBGはここにも重大なリスクを抱えている。
それは――
為替リスク。
T-Mobileはドル建て資産だが、
SBGの負債の大半は円建て。
ドル安・円高が進めば、
資産価値は縮み、負債とのバランスは一気に崩れる。
為替一発で、
SBGのバランスシートは破綻しかねない。
最後に、ビジョンファンド。
帳簿上は9〜10兆円?
だが、それは『自己申告』に過ぎない。
未上場株の評価額など、
値段をつけた者の胸三寸だ。
実態など、誰にもわからない。
つまり、まとめれば。
SBGの資産は――
・売れない(Arm)
・値下がりする(T-Mobile US)
・測れない(ビジョンファンド)
さらに、抱えているのは、
・支払期限の迫る地雷(OpenAI、Ampere Computing)
・再び失敗しかけている仮想通貨SPAC計画
だ。
暗号資産(仮想通貨)では、
SBGは、投資銀行キャンターフィッツジェラルド、
ステーブルコイン発行大手テザー・ホールディングス、
そして暗号資産取引所ビットフィネックスと組み、
『Twenty One Capital』という仮想通貨投資会社を立ち上げようとしている。
30億ドル規模のSPAC合併を目指し、
初期段階で保有予定のビットコインは42,000枚――
約4,000億円相当だという。
テザーが15億ドル、SBGが9億ドルを拠出し、
さらに社債と私募増資で資金を膨らませる計画だ。
そう、かつて仮想通貨で大失敗しているあのSBGが、
またしても株主総会前に『目くらましの煙幕』を焚こうとしている。
ネタがバレたマジシャン。
もはや賞味期限切れのコメディアン。
そんな滑稽な姿を、
本人たちはまだ気づいていない。
一方、OpenAIへの出資。
総額400億ドル。
このうち100億ドルは、すでに2025年4月中に支払期限が迫り、
残り300億ドルも、2026年初頭までに支払い義務を負う契約だ。
しかも、資金の出所は、
みずほ銀行などからの借金だという。
さらに、Ampere Computing。
SBGは、AIインフラの要として、
この半導体設計会社を65億ドルで買収する契約を結んだ。
これもまた、資金のほとんどは負債調達だ。
つまり――
SBGは、
・売れない、
・値下がりする、
・測れない、
・支払えない、
・そして再びコケそうな仮想通貨。
そんな幻と地雷の山の上で、
今もなお、最後の夢を見続けている。
3章:最大のリスクは『孫正義』本人
そして、絶対に忘れてはならない。
ソフトバンクグループ(SBG)の最大のリスクは、
資産でもない。
負債でもない。
孫正義本人だ。
かつての彼は、冷徹で鋭く、
時代を読む眼を持っていた。
だが、いまや違う。
『一度勝った英雄物語』から抜け出せず、
自らの願望に支配されている。
借金で大量に買い漁り、
偶然アリババという大当たりを引き当てた、
泡銭の億倍リターン。
その幻影に、
いまだ取り憑かれている。
・もう一度掴みたい。
・取り返したい。
・勝ちたい。
・下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる――。
そんな打算にも似た情動が、
SBGという船の羅針盤を狂わせている。
いま彼は、冷静な経営者ではない。
最後の大博打にすべてを賭けるギャンブラーか、
年末ジャンボ宝くじに夢を託す庶民か。
もはやその差すら、あいまいになっている。
4章:社債市場――SBGの生命維持装置
さらに冷酷な現実がある。
ソフトバンクグループ(SBG)の存続は、
社債市場が開いているかどうかにかかっている。
金を借り、
借り換え、
さらに借りる。
この『ロールオーバー芸』だけで、
SBGは命脈を保っている。
それは、
渡り綱の上を自転車で走り続けるような、
無限ループの借金地獄だ。
だが、いま世界は、
金利高騰と流動性危機の渦中にある。
社債市場には、
冷たい風が吹き始めている。
市場が凍った瞬間――
SBGは即死する。
手元資金? 3兆円?
そんなものでは、
1兆円単位で押し寄せる社債返済をこなし、
AI投資をぶち込み、
さらにArm暴落リスクにも耐えるなど、到底できない。
ムリだ。
そんな芸当は存在しない。
5章:Vision Fund──『未来を買い叩くふり』の末路
ビジョンファンドとは、何だったか。
未来を買う?
違う。
実態は、ハイリスク・ハイレバレッジ・ベンチャーカジノ。
WeWork。
OYO。
Katerra。
Greensill。
名前を並べるだけで、胸が痛む。
成功よりも、破綻の連鎖。
それが、ビジョンファンドの実態だった。
そしていま、
第二のビジョンファンド(AI版)が、
静かに起動している。
・OpenAI買収。
・スターゲート計画。
・150兆円ロボティクス構想。
冷静に考えよう。
150兆円とは、
日本の国家予算規模に匹敵する金額だ。
それを、
手元3兆円しかない企業が語る。
これは夢でも希望でもない。
狂気だ。
6章:孫正義という『カルト現象』
いま、SBGを支えているもの。
それは、もはや合理的な投資判断ではない。
カルト思想だ。
『孫正義はまたやってくれる』
『AIで未来を変える』
信じたい者たちは、そう唱える。
だが、それは、もはや信仰である。
カルト宗教だ。
孫正義が教祖。
ソフトバンクグループが教団。
孫正義を信じる者たちと、
冷静に現実を直視する者たち。
市場は、静かに、そして確実に、分断され始めている。
ここまで説明しても、なお夢から覚めない者たちがいる。
それは、
かつてオウム真理教に入信した出家信者たち、
あるいは、オウムをギャグやコメディと誤解して笑っていた者たちと、
何ら変わらない。
麻原彰晃=孫正義。
オウム真理教=ソフトバンク真理教。
この構造を、
正しく認識することこそが、
日本経済、世界経済を、
孫正義による金融テロから防衛する唯一の手段なのだ。
孫正義追放『三ない運動』
一、孫正義を利用しない
孫正義は、すべてを『金づる』にする。
利用したつもりが、骨の髄までしゃぶり尽くされる。
二、孫正義を恐れない
孫正義を恐れるのは、AIへの誤った幻想から来ている。
恐れる必要などない。
皆で団結し、冷静に対処すればいい。
恐れるな。許すな。存在そのものを拒絶せよ。
三、孫正義に金を出さない
金を出すことは、腐れ縁を生み、支配される原因になる。
孫正義に一度金を渡せば、
何度でも吸い取られる。
彼は、カネの臭いを嗅ぎ分ける博徒だ。
資金源を絶て。
それが、孫正義を追放する最短ルートである。
7章:SBG崩壊と日本市場連鎖崩壊シナリオ
いままで述べてきたすべての現実。
それは、単なる一企業の問題ではない。
SBGは、すでに『日本市場の顔』にまで組み込まれている。
・日経平均。
・TOPIX。
・JPX日経400。
すべての日本株指標に、
この負債爆弾は組み込まれている。
SBGの崩壊は、
単なる一社の倒産にとどまらない。
それは、
日本株式市場そのものへの直撃弾となる。
もし、SBGが崩壊したら――。
最初に直撃するのは、日経平均だ。
SBGの株価暴落が、指数そのものを押し下げる。
これに連動するインデックス投資信託も、同時に沈む。
次に、ETF市場が打撃を受ける。
そして、年金資産。
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の
保有する日本株ポートフォリオにも影響が波及する。
さらに、信用リスクの連鎖が起きる。
社債市場は冷え込み、
ソフトバンク関連の社債に資金が集まらなくなる。
『SBGの社債がヤバい』という認識は、
即座に日本企業全体の社債リスク拡大に波及する。
資金調達コストは上昇し、
日本企業のバランスシートをじわじわと蝕み始める。
為替市場にも動揺が走る。
『日本のリスク』が意識されれば、
円売り・外貨逃避が加速する。
だが、その一方で、
世界経済不安による円高圧力も同時に発生する。
矛盾した力がぶつかり、
為替は乱高下し、
企業活動はさらに不安定化する。
その結果――
・株式市場は下落し、
・社債市場は資金枯渇し、
・為替市場は大混乱に陥る。
日本経済は、
『静かなる連鎖崩壊』へと引きずり込まれる。
すべては、
たったひとつの、
社債中毒の爆走機関車が破裂することから始まる。
結論:SBGとは何だったのか?
SBGとは――
・売れない資産。
・減価する資産。
・測れない資産。
・支払期限の迫った地雷。
・再び失敗しかけている仮想通貨の亡霊。
これらを抱えながら、
未来への幻想だけを売り歩き、
現実から目を背け続けた存在だった。
そして、孫正義とは何だったのか。
かつて英雄。
いま教祖。
そして、やがて――
金融市場における最大の厄災となるだろう。
あなたは、まだ飛び込むか?
SBG株を買うとは、
ただ一つ。
『市場最後のギャンブルチップ』を握りしめることだ。
勝てば、一時の栄光。
だが、負ければ、
日本市場そのものの信用と、
あなた自身の資産を、同時に失う。
泡が膨らんでいるうちに逃げるか。
はじけた後の瓦礫の中に、埋もれるか。
選ぶのは、
あなた自身だ。
付録:SBG株価適正価格解説
実態に基づく資産・負債分析
Arm Holdings 持分90%
市場価格で換算すれば約13兆円規模に達している。
しかし、実際に売却すれば供給過剰による大幅な価格下落リスクが確実視される。
したがって、流動性ディスカウントを正当に織り込むべき対象である。
T-Mobile US 持分7.6%
評価額は約3.3兆円とされている。
だが、米国通信市場の競争激化により収益力悪化リスクが高まっている。
加えて、円高局面に入れば資産価値縮小リスクも現実味を帯びる。
Vision Fund未上場資産
自己申告ベースのフェアバリュー評価に依存しており、
実態価値は不透明であり、急落リスクを常に孕んでいる。
特に、生成AIバブルが崩壊した場合の棄損リスクは無視できない。
有利子負債
公表ベースでは純負債8兆円程度とされているが、
SBG内部ファイナンスや社債残高などを慎重に見積もれば、
実質的な負債水準は14兆円規模に達している可能性が高い。
総合的に見ると
これらのリスク要因を正当に織り込めば、
SBGの純資産価値(NAV)は、
楽観シナリオで語られる11,000〜12,000円水準には到底及ばない。
現実的なNAV水準は以下のとおりである。
流動性割引軽視シナリオ:6,000〜7,000円前後
武智倫太郎シナリオ(流動性・競争・負債リスクを正当に織り込んだ場合):3,000円台半ば
株価適正価格の結論
よって、『実質』に立って評価すれば、
SBGの株価適正価格は一株当たり3,000円後半であると結論づけるのが妥当である。
現在の株価(7,200円前後)は、
ほぼ孫正義個人の『幻想』によって押し上げられているに過ぎず、
資産実態から見れば大幅な割高状態にある。
まとめ
一、Arm売却リスク
二、T-Mobile事業の競争激化リスク
三、Vision Fund未上場資産の不透明性リスク
四、巨額社債の借換・金利上昇リスク
これら四つのリスクを冷静に織り込めば、
SBGは8,000円どころか、3,000円台こそが『真の妥当水準』である。
──浮かれた『フェアバリュー8,000円説』など、
所詮は虚構に過ぎない。
SBG 3,000円台突入:地獄絵図の始まり
もし、SBGの株価が現実に3,000円台へ突入したならば──
それは単なる株価下落ではない。
グループ全体を巻き込む、連鎖崩壊(カスケードクラッシュ)の発火点となる。
信用取引の崩壊
まず直撃するのは、信用取引である。
SBG株を担保にしていた信用建玉は、即座に追証(マージンコール)を突きつけられ、
資金繰りに余裕のない個人投資家、機関投資家、信託銀行までもが、
半強制的な損切り・投げ売りに追い込まれる。
社債市場の崩壊
次に、社債市場が崩れる。
SBGは巨額の社債(ハイブリッド債を含む)を発行し続けてきた。
株価暴落は、社債の信用リスク(CDSスプレッド)を爆発的に拡大させ、
SBGの新規起債は完全に不可能となる。
すでに発行済みの社債価格も暴落し、既存の社債保有者たちは巨大な含み損を抱えることになる。
資産売却連鎖
そして、資産売却連鎖が始まる。
Arm株、T-Mobile株、Vision Fund保有資産──
いずれも市場が冷え込む中で無理やり売却を迫られ、
当然、『二束三文』での叩き売りとなる。
資産価値はさらに毀損し、負債超過が現実のものとなる。
金融機関の融資引き上げ
金融機関は、SBG向け融資の回収に動く。
各メガバンク、海外投資銀行、保険会社は、
SBGへの融資を一斉に『引き上げ』始める。
資金繰りは詰まり、現金残高は瞬く間に蒸発する。
この瞬間、
『ソフトバンクグループ、破産法申請検討へ』
という見出しが、世界を駆け巡ることになる。
日本市場への波及
日経平均は、SBG一社だけで百円単位の下落要因となり、
日本株市場全体が信用不安に沈む。
さらに、副次的な経済ダメージが静かに、確実に広がる。
・年金資産(GPIF)の評価損
・ETF市場の下落
・信用収縮による企業倒産の増加
・円相場の乱高下
もはや、誰にも止められない
一度始まったこの連鎖は、
もはや誰にも止めることはできない。
──これが、
『SBGの株価が3,000円台に沈んだときに訪れる地獄絵図』
である。
SBG崩壊後:リカバリー不能の未来
SBGが株価3,000円台に突入し、
資産売却、資金繰り破綻、社債市場崩壊が連鎖したあとの世界。
そこに、リカバリー(復活)という選択肢は存在しない。
理由は単純である。
1.信用喪失の致命傷
一度失った信用は、二度と回復できない。
『ソフトバンクグループの社債は安全』と信じていた年金ファンド、
『孫正義ならまた蘇る』と信じていた個人投資家、
『世界最先端のAI投資集団』と評価していた海外マネー。
すべてが裏切られ、
全世界の投資家たちは、SBGの名前そのものに生理的嫌悪感を抱くようになる。
もはや新規の資金調達は不可能となる。
かつて信用創造のピラミッドの頂点に立っていたSBGは、
いまや誰にも支えられない瓦礫と化す。
2.株式市場へのダメージは『長期慢性化』
SBG崩壊により日経平均は一時的に急落する。
しかし、問題はそこではない。
より深刻なのは、
日本市場全体が『歪な構造』を抱えたまま、長期にわたり信用を失うことだ。
・ETFに組み込まれたSBG比率の高さ
・日銀や年金(GPIF)の間接的損失
・海外投資家による『日本売り』
これらが絡み合い、
日本株市場は長期低迷に陥る。
日本市場に対して『仕組み全体が脆い』という烙印が押されるのだ。
3.ソフトバンクブランドの失墜
ソフトバンク株式会社(通信事業)は一応独立して存在している。
だが、親会社SBGが崩壊すれば、
SoftBankのロゴは『破綻企業グループ』という負のイメージを背負う。
・顧客離れ
・取引先の契約解除
・金融機関の融資引き締め
SoftBankブランド自体が毀損し、
通信事業もじわじわと衰退を始める。
つまり、SBG崩壊は、
ソフトバンクグループ全体に時間差爆弾を仕込む結果となる。
4.孫正義──神話の崩壊、そして『伝説』へ
孫正義。
かつて時代の寵児と呼ばれ、アリババで神になった男。
彼は最後、
自ら築いた幻想の塔を自らの手で崩壊させる。
・誰も止められなかった。
・誰も忠告できなかった。
・誰も責任を取れなかった。
孫正義は、金融史上において『WeWorkの破壊者』でも『SoftBank崩壊の元凶』でもなく、
もっと大きな意味で、
『自己破壊プログラムに飲み込まれた最後の英雄』として、
記録されることになるだろう。
SBGが3,000円台に落ちたとき──
それは一企業の終焉ではない。
ひとつの経済神話の、静かなる死なのである。
終章:なぜ、誰もSBGを助けないのか?
SBGが崩壊するそのとき、
世界中の金融機関も、政府も、巨大投資ファンドも、
誰ひとりとしてSBGを救おうとはしない。
なぜか?
答えは、冷酷にして単純だ。
1.『救う価値』がないから
SBGは、単なる通信会社でもなければ、
国策インフラでもない。
AI投資集団でもなければ、未来創造企業でもない。
SBGとは、
負債と幻影を積み重ねただけの、巨大な賭場に過ぎない。
現実世界にとって不可欠なインフラ(電力、通信網、金融決済)でも、
代替不能な製品(半導体、医薬品)でもない。
そのため、誰も救う義務を感じない。
『放置して潰れても、社会的影響は限定的』
これが、政府や金融界の本音である。
2.他の企業や投資家にとっては『チャンス』だから
SBGが破綻すれば、
そこから切り離された資産──
Arm株、T-Mobile株、Vision Fund案件──
は、市場にバーゲン価格で放出される。
つまり、
救うより、破綻させたほうが美味しい。
冷徹な資本市場において、
道徳ではなく利益が優先されるのは当然である。
SBG破綻=市場参加者たちにとっての収穫の季節なのだ。
3.孫正義本人が『救われる側』に回れないから
救済交渉には、謙虚さ、譲歩、謝罪が不可欠だ。
だが孫正義は、それができない。
彼は最後まで、
『私は信じている』
『AIは神になる』
と、自らのビジョンに酔い続けるだろう。
救援を求めるべきタイミングで、
彼はむしろ自らを正当化し続ける。
そして、
援助を申し出た者にすら、
高圧的な態度を取るか、非現実的な条件を突き付けるだろう。
──結果、誰も手を差し伸べなくなる。
総括
SBGは、自壊する。
そして、誰にも救われることなく、
ひとり静かに、沈んでいく。
これは偶然ではない。
必然である。
SBGは、
一、『助けても意味がない』
二、『助けるより潰れたほうが得』
三、『助けを求める態度すら取れない』
という、三重の自己破壊プログラムを抱えた存在なのだ。
──そして、最後の幕が降りる。
武智倫太郎
