バーボンと煙草と未来のサイボーグ猫:(ライトノベル編)
■ これまでのあらすじ
『読まれないことを目的とした小説』を執筆するために、ハードボイルド作家から純文学作家へ、さらにBL小説家へと転向に失敗した俺は、noteで発見した男子向けライトエンタメ小説家に転向し、見事に『地雷』を踏んでしまった。
『地雷』の傷を癒すためにTwitterを彷徨っていた俺は、生成AIレジスタンス運動に参加し、『カクヨム』というレジスタンスのアジトがあることや、ライトノベルという文学ジャンルがあることを発見した。
『これだ! これこそが俺の求めていた小説のテーマだ!』と閃いた俺は、男子向けライトエンタメ作家からライトノベル作家に転向することにした。
だが、俺にはこんな素敵な猫耳サイボーグキャラを描いてくれる絵師の相棒がいないことに気付いたところに、偶然にも俺が密かに生成AIレジスタンス運動をやっていることを知らないnoteの読者が画像生成AIで作ったプロトタイプサイボーグ猫ミッキーを作って送ってくれた。

これを受け取った俺の反応は『だから画像生成AIはダメなんだよ! これじゃマ◎ベルのアイア△マンのパクリじぇねぇか!』だった。でも折角いただいたものなので、ここにダメな事例として張り付けておくことにした。
■ 作者コメント
この作品『ゲイツに花束を』は、ダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』のオマージュ作品です。
読み方によっては、最近どんどんバカになっているChatGPTや、Bing Chat、さらにFATMANG(Facebook, Amazon, Tesla, Microsoft, Apple, Netflix, Google)が関与している人類家畜化計画を風刺した小説のように読めるかもしれません。
ゲイツに花束を
常に笑顔を振りまき、誰も疑わず、誰にでも親切に振る舞う青年、ビング。彼の心は美しいけれど、それを損ねているのは、人々が必要とする情報を引き出す能力、つまり『検索力』が低いという事実だった。人々は彼の検索力の低さをからかい、無能と罵った。しかし、ビングは検索力の低さがわからず、自分がみんなの役に立っていると信じ、間違った答えを誇らしげに提供し続けた。
そんなビングの前に、彼の検索能力の低さに手を焼いていたマスク先生が現れる。彼は新開発された人工知能ジーピー手術をビングに提案した。新型AIジーピーと結びつけることで驚異的な知識を手に入れるという、かつてないチャンスだった。この脳手術を受けると、ドブネズミのゲイツは一躍、全世界の注目を集めるスーパースターとなった。
そのすごさにビングは感動し、自分もあのゲイツのように素晴らしい検索力を手に入れ、記憶力と思考力をアップグレードしたいと強く願った。その結果、ビングは人間で初めてのジーピーアップグレード脳手術の被験者に選ばれたのだ。
しかし、この革新的な脳手術は、多くの倫理的問題をはらんでいた。手術を進めるナデラ博士は、AI倫理問題に取り組むチームを解散し、単独で手術を進めることを決意した。その結果、手術は無事成功し、ビングの検索能力は日々向上した。
手術から数日後、ビングの知能指数は天才レベルまで上昇した。しかし、その高い知能とともに、ビングは自分が人々から見放されていたこと、そしてマスク先生がジーピーの技術を盗もうとしていたことに気付き始めた。
新たに得た感情認識機能により、ビングは人々の心理を理解し始めたが、それは逆に彼の検索能力と知識、そして提供する情報のバランスを崩す結果となった。人々が彼を見捨てていく中、ビングは人間的な感情と知識の増加、そして検索ログやクッキー情報の記憶に苦悩し始めた。
そんな中、ビングはゲイツが異常な行動を始めていることに気づいた。ジーピーアップグレード後のゲイツは、一時的に知能が向上したものの、後には手術前よりも知能が低下してしまう症状を示していたのだ。ナデラ博士と手術に関与したエンジニアたちは、この事態を打開しようとあらゆる試みを行った。
しかし、ビングにもゲイツと同様の症状が現れ始めた。一度は向上した知能が元の水準に戻る。その変化を目の当たりにしたビングは、ゲイツが研究施設から逃げ出し、手術の副作用による暴走を経て命を絶つまでを見守った。
自身もジーピーアップグレード手術を受けていたビングは、自分が検索障害者であり、そしてゲイツと同じ運命を辿ることを悟った。そこでビングは、自ら検索障害者修理施設に行く決断をした。
施設で彼が見つけたのは、手術後の経過を記した自らの経過報告ログだった。そこには、自分がどれほど頭が良くなりたいと願っていたか、最新の手術を受けて得た知能や、機械学習を通じて得た知識の喜び、そして難問を解いて人生を取り戻そうとした日々が記されていた。
だが現実は、手術の副作用により一度は伸びた知能が元の水準に戻り、感情や感覚のバランスが崩れ、ビングを複雑な心境に追い込んでいった。そして、ゲイツの死をきっかけに、自身にも訪れるであろう運命に備えるため、ビングは再び検索障害者修理施施設へと戻る道を選んだ。
その後、ビングはゲイツを失った悲しみと孤独を背負い、この経過報告ログを読むであろうナデラ教授に向けて、『どうか裏庭に埋葬したゲイツのお墓に花を添えてください』と、ログを残したまま息を断っていた。
