日経に学ぶ情報操作入門(1):無料英語レッスン付き
軽く読み流すと意外と見落としがちですが、『日経で学ぶ情報操作入門』と『日経に学ぶ情報操作入門』では、『で』と『に』の一文字が違うだけで、意味が大きくことなります。
『日経で学ぶ』:"Learn through Nikkei"や、"Study with Nikkei"と表現できます。本稿では日本経済新聞を利用して何かを学ぶという意味になります。
『日経に学ぶ』:"Learn from Nikkei"と表現できます。この場合の『学ぶ』は、通常は日経新聞の報道や記事から直接教訓を引き出すという意味になります。また、その後の文脈によっては、日経新聞の手口や経営手法を学ぶという捉え方もできます。
日本語では『てにをは』のことを『助詞』と呼びます。日本で生まれて母国語と日本語を習得した後に、カリフォルニア大学バークレー校を卒業した大企業の取締役や、スタンフォード大学言語情報研究センターで客員研究員をした経験がある大学教授でも『助詞』が正しく使えず、株主総会で間違った説明をしたり、意味不明な英語論文を書いてしまうことがあるほど、日本語でも英語でも『助詞(Prepositions)』の使い方は意外と難しいものです。
以下に英語の"On", "At", "In", "To", "With", "From", "Over", "Under", "About"といった中学英語で習う助詞を使って例文を作ってみました。英語では、口語表現ではあまり気にならないかも知れませんが、文章を書く際には、コンマの有無で意味が全く変わることがあります。そのため、コンマの正しい使用法を習得することも極めて重要です。
"Yutaka, in collusion with Masayoshi, conducted under-the-table negotiations about supercomputers at METI starting from 10AM, and secured a subsidy of 5.3 billion yen."
『豊は正義と共謀して、午前10時から経済産業省でスパコンについて談合を行い、53億円もの補助金を確保しました』
ワンポイントレッスン
"under-the-table"は『秘密裏の』、『闇取引の』や『談合』という意味でよく使われるフレーズです。
スパコンに100億円投資 生成AI開発へ「富岳」超えも―ソフトバンク社長
2023年06月20日21時28分
ソフトバンクの宮川潤一社長は20日、東京都内で開いた定時株主総会で、文章や画像を自動で作成する独自の生成人工知能(AI)開発に向け、スーパーコンピューターに約100億円投資する考えを明らかにした。宮川氏は「(理化学研究所などが開発した)『富岳』の2倍くらいの計算能力を持ったものを作っていきたい」と語った。
ソフトバンクの株主総会では、同社の宮川潤一社長が100億円と述べているので、時事通信の報道は正確と言えます。
ソフトバンクが生成AI 企業向け 開発へスパコン整備
2023/6/30付日本経済新聞 朝刊
ソフトバンクグループ(SBG)の国内通信子会社ソフトバンクは生成AI(人工知能)を独自開発する。開発にあたりスーパーコンピューターも整備する。まず金融や医療などの専門知識を学ばせる分野特化型として企業向けに数年内に提供を始める。NTTも同様の生成AIを開発中だ。用途を絞って企業向けに提供する事業モデルが日本企業に広がり始めた。
生成AIの開発にあたり、スパコンに相当する計算基盤を200億円で整備
ところが、株主総会から10日後の日経電子版では、100億円が200億円と2倍の金額が報じられています。孫正義にとっては『2兆や3兆は誤差のうち』なので、100億円は一般社会人だと100円くらいの感じで、100円玉がポケットに入っているかどうか、解らないくらいの端数なのでしょう。
株主総会で株主から約5兆3000億円の損失責任を問われているのに『2兆や3兆は誤差』とは、最早何を言っているのかすら筆者のような凡人には理解不能です。これが『5兆円くらいは誤差』なら株主からの質問と会話が成り立っていますが、なぜ5兆円以上の損失責任の話しが、2兆や3兆円にすり替わっているのでしょう? 『-2兆円-3兆円=-5兆円』という意味なのかも知れません。
孫正義氏「2兆や3兆は誤差」発言に株主の憤り
山口敦雄・経済部
2023年6月28日
巨額損失と経営責任
ソフトバンクグループは傘下のビジョン・ファンドで2023年3月期に約5兆3000億円の損失を計上した。株主から「どう責任を考えるか」との質問が出た。
孫氏は「厳しい質問ですね。2兆、3兆上がったり下がったりは誤差のうちだ」と述べた。
一般常識で考えると『厳しい質問』ではなく『当然の質問』です。
ソフトバンクのスパコンに補助 経産省、生成AI開発で
エレクトロニクス ネット・IT 経済
2023/7/6 18:38日本経済新聞 電子版
経済産業省はソフトバンクグループの通信子会社ソフトバンク(SB)に、生成AI(人工知能)開発向けのスーパーコンピューターの整備費を補助する。SB自身が生成AI開発に使うだけでなく、他社にも貸し出す。生成AI開発は海外勢が先行している。日本でも開発基盤を整備することが経済安全保障上も重要だと判断した。
SBによるスパコンの整備費用のうち、経産省は3分の1にあたる53億円を補助する。
ここからは計算が少し難しくなって掛け算と割り算が必要になります。スパコン整備費用の1/3が53億円だと、スパコンの整備費用の総額は、53億円の3倍で159億円になります。この計算が正しいかどうかは、159億を53億で割ると3になることから、159億円で間違いないはずです。
これに消費税が10%上乗せされると、15億9000万円の消費税が加算されますが、内税式だと計算が難しくて、普通の人には計算できません。
そもそも内税と外税の違いや、売上と利益の違いが分からない経営者は、日本には大勢います。単利と複利では利息が異なりますが、このような専門用語は、税理士や公認会計士のような専門家に相談する必要があります。
但し、税務や会計の専門家に相談しても、100億円の1/3なのか、200億円の1/3なのか、分からないと専門家でも計算不可能です。これはスパコンを使っても計算できないほど難しい談合・忖度計算です。法律の専門家に相談しようと思っても、超法規的措置専門弁護士を探すのは至難の業です。
補助金と助成金の違いも分からない人が多いですが、補助金や委託費や助成金は返済義務のない資金です。
孫正義が金利や消費税を無視して経営できるのは、こういった返済義務のない国の資金が活用できる強みと、『丁半博打』の世界では『トイチの金利(10日間で金利がたったの10%です)』など気にする必要が無いからです。
論理的には1兆円孫損しても、次の勝負で2兆円、それがダメでも、4兆円、8兆円、16兆円、32兆円、64兆円と倍増しで、丁半博打を続けると10回連続で負ける確率は、たったの1/1024です。
