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noteは日本のSNS革命の鍵となるか? 社会運動の未来像を探る

 この記事は『政治不信と年金・医療崩壊が日本にアナーキズム的コミューンをもたらすのか?』の続編です。前回の記事では、政治不信や社会制度の崩壊が進む中で、日本にアナーキズム的なコミューンが誕生する可能性について考察しました。

 特に環境意識の高まりとサステイナビリティに焦点を当て、持続可能な生活を追求する人々が増加している現状を取り上げました。また、他の記事でも、アグロフォレストリー、エコビレッジ、パーマカルチャーといった概念に基づいた共同体の実践が、サステイナブルな生活を志向する人々にとって魅力的な選択肢となっていることを書いています。このシリーズが好評であれば、章立てして書籍にまとめたいと考えています。

 一方で、日本の将来の財政破綻や食糧危機を懸念し、サバイバリスト的な自給自足の生活を志向する人々が増加している状況にも触れました。私はモザンビークでコミューンを形成していますが、こちらはサバイバル要素が非常に強いと言えます。

 日本に住んでいると想像し難いかも知れませんが、きれいな飲用水が確保できない無電化の村では、日常的に食べて生きていくこと自体がサバイバルです。さらに、病院もないため、毒蛇にかまれたり、マラリアや、コレラ、赤痢といった感染症や食中毒で多くの人が命を落としています。ここではまさに生死をかけたサバイバルが日常の一部なのです。

 前回の記事ではアナーキズムに焦点を当てましたが、その後、『具体的にムーブメントを起こすためには、日本ではどのようなSNSが起爆剤になり得るか?』という趣旨の質問をいただきました。そこで今回は、情報伝達手段に限定してその答えを探ります。

 なお、この情報伝達の手法は、社会運動だけでなく、政治運動やマーケティング、プロモーションにも応用可能です。そのため、アナーキズムに興味がない方でも参考になるかも知れません。

 社会運動で訴求力を持つ情報発信と、オンラインショップでの書籍や文房具の販売のための情報発信は、求められるアプローチが全く異なります。

 社会運動においては、人々の感情や共感を引き出し、行動を促すようなメッセージが重要です。

 一方、オンラインショップでは、製品の利便性やコストパフォーマンスを強調することが訴求の中心となります。両者のアプローチは異なりますが、共通する要素は『相手に行動を促すための効果的な情報発信力』です。この力があれば、あらゆるビジネスや運動において活用することが可能です。

 また、社会運動で培った情報発信力は、オンラインショップでの販売に直接応用できるわけではありません。例えば、社会運動では人々に感情的な共感を促すことが重要ですが、一方、ビジネスでは消費者の心理や市場ニーズ、価格競争力など異なる要素も考慮する必要があります。

 しかし、両者で共通する『人を動かすための情報発信技術』は、多様な分野においても役立つスキルです。社会運動での経験は、他のビジネスにおいても十分に活用できるものなのです。

ジャスミン革命とは何か?

 ジャスミン革命とは、2010年から2011年にかけてチュニジアで発生した抗議運動で、長期独裁政権を担っていたベン・アリ大統領を追放するきっかけとなった革命です。この運動は、チュニジア国内の経済的不平等、失業、政府の腐敗、不正選挙に対する国民の不満から始まりました。

 特にFacebookやTwitterを中心としたSNSが、情報共有と迅速な動員の手段として大きな役割を果たし、この運動を支えました。この革命は、アラブ世界全体に民主化の波を広げ、『SNS革命』や『Facebook革命』、『アラブの春』などと呼ばれる一連の民主化運動の引き金となりました。

日本版SNS革命について

 日本でジャスミン革命のような大規模な運動が起こる場合、どのSNSプラットフォームが最適なのかを考察することは重要です。チュニジアのジャスミン革命では、FacebookやTwitterが迅速な情報共有と拡散において大きな役割を果たしましたが、日本では世代ごとのSNS利用傾向が異なるため、同じような展開が可能かどうかは慎重な検討が必要です。

 特に日本では、社会運動や抗議活動が比較的少ないため、SNSの選定が運動の成功に大きな影響を与えるでしょう。

 また、SNSの即時性と拡散力が重要な要素であることはもちろん、日本社会特有の高いプライバシー意識や、政府との関係性にも配慮し、どのプラットフォームが信頼性や使い勝手の面で支持を集めるかを見極める必要があります。

SNS革命の背景と未来の展望

 日本における情報伝達やSNS革命を考える際、他国の事例や歴史的背景を参考にすることは有益です。たとえば、2011年の『アラブの春』や2019年の香港民主化運動では、SNSが国境を越えて情報を拡散し、人々を結びつけ、政府や企業が情報をコントロールする力を弱める役割を果たしました。

 一方で、SNSは情報操作やデマ拡散のリスクを伴い、この点も未来のSNS革命を考える際には無視できません。

 さらに、SNSの流行周期が短くなっていることも重要なポイントです。2000年代前半に台頭したFacebookやTwitterは長らく主流SNSとして君臨してきましたが、近年はInstagramやTikTokといった新興プラットフォームが急速に普及しています。

 世代によってSNSの使い方が異なることは、日本におけるSNS革命にも大きな影響を与えるでしょう。たとえば、Z世代はInstagramやTikTokを中心に情報発信や消費を行いますが、X世代やベビーブーマー世代は主にFacebookやLINEを利用しています。この世代間ギャップは、今後のSNS戦略においても重要な要素となります。

 日本のように歴史的に大規模な社会運動が少ない国では、どのプラットフォームが今後の変革を支えるかがさらに重要です。たとえば、LinkedInはビジネス分野で強力なSNSですが、個人の情報発信や社会運動の拡散には適していません。

 一方で、noteのように深く掘り下げた議論や意見交換が可能なプラットフォームは、即時性や拡散力では劣るものの、社会運動の場として機能する可能性があります。

日本におけるSNS革命のカギとなる要素

世代間の違いとSNS利用の分断

 日本では世代によってSNSの利用傾向が大きく異なるため、SNSを通じた社会運動が特定の世代に限定される可能性があります。ジャスミン革命では、若者が主にFacebookやTwitterを利用して情報を共有し、迅速にネットワークを構築しましたが、日本ではZ世代がTikTokやInstagramを中心に利用し、中高年層はFacebookやLINEを利用しています。このように、社会運動が特定の世代に依存するのか、あるいは幅広い世代に支持を得るのかが重要なカギとなります。特定世代をターゲットにする場合、その世代が主に利用するSNSを選定することが必要です。逆に、幅広い世代を巻き込むためには、複数のSNSを戦略的に活用することが求められます。

プラットフォームの使い勝手と信頼性

 現在のX(旧Twitter)やLINEは、情報の信頼性やセキュリティ面でさまざまな問題を抱えています。Xでは虚偽情報やデマが広がりやすく、一方でLINEのオープンチャットはプライバシー侵害のリスクが指摘されています。こうしたプラットフォームを社会運動に利用する場合、信頼性やセキュリティ問題が運動全体の信頼性に影響を与えるため、慎重な選定が必要です。

 なお、noteは比較的長文の文字情報の発信に強みを持っており、深く掘り下げた内容を提供することで社会運動を支える可能性があります。特に他のSNSと連携して情報を拡散するモデルが有効でしょう。

 近年では、文字情報から生成AIを利用して音声データ、音楽、画像、映像を作ることが簡単になり、多くの人がさまざまなSNSで挑戦しています。しかし、文章が書ける人は、その執筆に集中することが重要です。

 これは小説を例に挙げると分かり易いですが、文字で書かれた情報は、漫画化、アニメ化、テレビドラマ化、映画化、演劇化など、あらゆる表現形式に転用することが可能です。

 私は文章と挿絵くらいしか自分では作りませんが、鉱物太郎さんのような方がショートリールや音楽を作ってくれるので、それぞれが得意なSNSで表現し、情報を拡散してもらえれば良いと考えています。

 本格的に取り組むのであれば、著作権の取り扱いやプロモーション費用の打ち合わせといった実務も必要になりますが、これらの契約事項を定義するのも、ポンチ絵や、音楽、映像などではなく、文・章・な・の・で・す

 あらゆる法律や条例、条約もすべて文字情報であり、宗教もまた、文字や口伝で正確に書き残されたものしか伝わっていません。

 つまり、このような観点から考えると、契約や思想において最も重要なのは、文字情報とその解釈能力なのです。noteは、作者も読者も文章理解力が高い傾向があるため、社会運動においてはnoteが最強のSNSの源泉として機能すると言えるでしょう。

未来のプラットフォームの展望

 将来的には、日本社会のプライバシー意識や信頼性への高い要求を満たす新たな国産SNSが登場する可能性があります。AIやブロックチェーン技術を活用することで、情報の透明性やセキュリティを強化したプラットフォームが普及し、従来のSNSに取って代わるでしょう。未来のSNS革命では、新しい技術によって強化されたプラットフォームが運動のエンジンとして機能する可能性が高いです。

過去の運動との比較と今後の展望

 日本の学生運動や左翼過激派への抑圧、グレタ・トゥンベリの気候運動の日本における拡散事例を参考に、今後の社会運動におけるSNSの役割を考察することが重要です。過去の事例から学びつつ、どのプラットフォームが今後の社会運動を支えるかを分析することで、未来の展望をより深く理解することができるでしょう。

武智倫太郎


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