通訳ガイドの仕事はAIに取って代わられるか?
こんにちは。エバンス愛です。アメリカ人の夫といっしょに社会人向けの英語コミュニティを運営したり、英語学習ブログやメルマガを書いたり、通訳翻訳、英語コンサルティングなどをしています。
最近、現役の翻訳者さんから「通訳案内士の仕事に興味がありますが、将来性はどう思いますか?」というご相談を受けました。その翻訳者さんは、「どんどん機械翻訳やAIが進化する中で、仕事量は増えるのに翻訳の単価は下がっており、これから大丈夫なのだろうか?」という不安をお持ちでした。
でも、「機械翻訳やAIが進化すると、観光案内もどんどん機械がやるようになるんだから、通訳ガイドだって需要が減るかもしれませんよね・・・」ともおっしゃっていました。
通訳ガイドの仕事は、今後AIが代替するか?
これから、機械翻訳やAIが進化すると、通訳ガイドも機械がやるようになるのか?
私の今の答えは、「あなたが個性を発揮してお客さんを喜ばせることができる限り、AIに取って代わられる心配はない」です。なぜか?旅行で人々が本質的に求めているのは、「情報」ではないからです。
もちろん、通訳ガイドさんの説明を聞きながら歴史的な建物を訪れたいという人は、このお寺は何年に誰が建てて、この宗派のお寺で・・・という情報に興味がないわけではありません。
でも、そんなことは自分でWikipediaですぐ調べられるのです。それに、ほとんどの場合、そういう「情報」なんて、はっきり言って、聞いてもすぐ忘れます。だって、絶対に覚えたい英単語だって何回やっても覚えられないのに、歴史の知識を、1回聞いただけで覚えられるわけないじゃないですか(;・∀・)
旅行で人々が求めているのは・・・?それはもちろん、「思い出」です。そして、その思い出は機械には作れないのです。
すごく素敵な通訳ガイドさんと出会って、その人にたくさん質問をして日本を知り、そのガイドさんと趣味や家族のことなど個人的な話をし、自分が具合が悪くなったときにはそのガイドさんが親身になって世話をしてくれ・・・と体験をしたら、その旅行は、「思い出」として残るのです。
情報満載の音声ガイド
私は、2024年の初夏にヨーロッパを旅して現地のツアーに参加しました。たとえば、地中海のマルタ共和国ではとても有名な礼拝堂を訪れて、その解説を音声ガイドで聞きました。その礼拝堂の歴史、ひとつひとつの絵や像の意味など、くわしい音声解説が1時間以上収録されていました。
その時の記事↓
が・・・この音声、クッソつまらなかったのです。(;・∀・)内容は、残念ながらほぼ覚えてません。私よりはずっと頭がいい夫も、覚えてないそうです。ガイドブックに載ってるようなこと、wikipediaで調べればわかるようなこと、そういう「情報」はつまらないし、人の記憶に残らないのです。
私たちの記憶に残ったサントリーニ島の通訳ガイド
でも、ギリシャのサントリーニ島で、私も夫のマイクもとてもよく覚えている通訳ガイドさんがいます。
そのガイドさんは、40歳くらいの女性。英語でガイドをしてくれましたが、出身はイタリアだそうです。サントリーニ島に20年近く前に移住して、ガイドの仕事をしているとのことでした。
どうして、彼女のことが記憶に残ったのか。このガイドさんは、移動中のバスの中で、言いました。
「このサントリーニ島は、ワインが美味しいことですごく有名です。あまりにおいしくて、ついたくさん飲んでしまうので、このように言われています。
サントリーニ島のワインを1杯飲むと、だんだんいい気分になっていきます。
サントリーニ島のワインを2杯飲むと、自分の名前を忘れ始めます。
サントリーニ島のワインを3杯飲むと、ギリシャ語を流暢に話し始めます。
そして、サントリーニ島のワインを4杯飲むと、もうサントリーニ島から離れられなくなります。
もうお分かりですね?私は、4杯飲んでしまったので、この島に住み着いてしまったというわけです」
きっと、このネタは彼女の鉄板ジョークなのでしょう。バスの乗客たちにも大ウケでした。
イタリアと言えば、ワインが美味しいことで有名な国ですよね。でも、そのイタリア人のガイドさんが惚れ込んで住み着いてしまうほどのサントリーニ島のワインって、どんなに美味しいんだろう・・・と、私たちはすごく興味を魅かれました。
この「4杯のワイン」の話と、ガイドさん自身がサントリーニ島に移住した個人的なストーリーは、夫のマイクにも私にも、「思い出」として強く心に残りました。
私たちは、その後の自由行動でワイナリーでワインをたくさん試飲し、たくさん買ったことは、言うまでもありません。幸い、4杯は飲まなかったのでちゃんと日本に帰ってこられましたが(笑)
サントリーニ島↓
とても「思い出」に残る通訳ガイドと言えば、このガイドさんもいました。↓
機械には、こういう記憶に残る「思い出」は作れません。心に残る個人的なストーリーも語れません。私たち人間は、どんなに機械が発展しても、やっぱり人とのふれあいを求めているのです。
楽しい思い出、記憶に残るストーリー、それが提供できる通訳ガイドさんは、きっとお客様の満足度も高いだろうし、これからもずっと求められます。
逆に、単なる「情報」を提供する観光案内なら、今後は機械がどんどんやっていくことになるでしょう。とても物知りだけど、wikipediaに載ってる情報しか言わない、丸暗記した情報をまくし立てるだけの音声ガイドみたいなガイドさんだったら、仕事がなくなっていくかもしれません。
AIとともに生きていく新時代
今後、AIを使わない世の中に戻ることはもうありません。たとえば、自動車というものが発明されて、そのせいでいくら痛ましい事故が増えているからと言って、「車はもう廃止しましょう」なんて議論にはならないのと同じ。
これからは、
・機械が得意なこと
・人間にしかできないこと
をしっかり見極めて、人間が求められるスキルをさらに磨いていくことが大切だと思います。機械が発達していくからこそ、私たちの人間力もより求められる。より、人間のあたたかみが求められる。そういう時代だと思います。
その中で、AIという最新技術を知り、英語学習や仕事に役立てながら、個性や人間らしさを発揮してさらに活躍できる場が広がっていくよう、私たちみんなで新時代を切り開いていければ最高だなと思います。
というわけで、長くなりましたが、何かの参考になれば幸いです。
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