見出し画像

開業資金は、30万円だった。週1万円の間借りで始める「週末カフェ」開業の全記録

「デザイナーがお店をやるなんて、余裕があるんですね」

たまにそう言われます。
でも実際は、そんなに綺麗な話ではありません。

お店を持つのは、ずっと「老後の夢」でした。
小さい頃から自分のお店を持ちたくて、でも大人になるにつれて現実的じゃないと思って、普通に就職して。

それが変わったのは、家族が心の病気になったことがきっかけです。
必死で調べるうちに、社会との繋がりがなくなったことも原因のひとつではないかと感じました。

いつか家族が安心して人と話せる場所を、自分の手で作りたい。
「老後」まで待つ理由が、なくなりました。

とはいえ、開業資金なんて貯まっていません。
ネットで調べると「カフェ開業には500万〜1,000万円」と出てきます。無理です。

でも、私は今、東京・東中野で自分のお店を営業しています。
かかった初期費用は、約30万円でした。

初期費用、全部見せます

freee(会計ソフト)に記録していた、開業前(2025年1月〜3月)の実数です。

  • 食器・調理器具・備品など:174,278円(20回に分けて少しずつ買い足し。最大の買い物は76,346円)

  • 食品衛生責任者の講習:12,000円

  • 開業前の食材の仕込み:24,918円

  • お酒(クラフトビール)の初期仕入れ:34,185円(+送料など3,646円)

  • 税理士さんへの開業相談:55,000円(※これは任意。なくても開業できます)

  • 敷金・礼金・内装工事:0円

合計 304,027円
税理士さんへの相談を抜けば、約25万円です。

なぜ敷金も礼金も内装費もゼロなのか。
「間借り」だからです。

私のお店は、おじいちゃんとおばあちゃんが定食屋をやっている元カラオケスナックを、週末だけ借りて営業しています。
家賃は週1万円、光熱費込み

で、売れるの?

オープン初月(2025年4月)の売上は、202,740円でした。
(店内飲食196,340円+テイクアウト6,400円)

「思ったより売れてる」と思いましたか?
それとも「そんなものか」と思いましたか?

正直に言うと、ここから1年、閑散期には週末2日で7,000円という土曜日も経験します。
常連さんが1人だけ来てくれて、気を遣ってたくさん注文してくれた日もありました。

それでも2年目の今、基本黒字で回るようになりました。
直近の週末売上は3万〜6万円台です(このnoteで毎週公開しています)。

このnoteに書いたこと

平日はデザイナーとして働きながら、週末だけ店主になる。
この2年でわかったのは、カフェ開業でいちばん大事な決断は、開業前に終わっているということです。

物件にいくら払うか。何を売るか。どこまで自分でやるか。

ここから先は、私が実際にやった手順を、失敗も数字も全部そのまま書きます。

  • 間借り先の探し方と、実際にかけた言葉

  • 週1万円という条件をどう決めたか(確認すべき項目リスト付き)

  • 必要だった手続きと、かかったお金

  • 原価50%を超えてしまった失敗と、メニューの決め方

  • 新規客を連れてきたインスタとチラシ

  • 平日フルタイムで働きながら店を回すやり方

「いつか自分のお店を」と思っている人が、今の貯金のまま最初の一歩を踏み出せるように書きました。

1. 間借り先の探し方 — 不動産サイトには載っていない

間借り物件は、探すものではなく「見つけて、声をかける」ものでした。

私がやったのは、自分の生活圏を歩くことです。
東中野を歩いていて見つけたのが、おじいちゃんおばあちゃんが定食屋として使っている元カラオケスナックでした。

決め手は、他の人がすでに間借りしているのを見たことです。
「ここは貸してくれる場所だ」とわかったからです。

ただ、いきなり交渉には行きませんでした。
まず何度かお客さんとして通って、顔見知りくらいの関係になってから切り出しました。

実際に言ったのは、こんな言葉です。

「他の方が間借りされているのを見たんですが、もしかして、他にも間借りの募集ってされていますか?」

「貸してください」ではなく、「募集していますか?」。
相手が断りやすい聞き方のほうが、実は話が進みます。ここから詳細を聞かせてもらう流れになりました。

これから探す人へのチェックポイント:

  • すでに間借り営業がある店は、交渉のハードルが一段低い

  • 「昼だけ」「夜だけ」営業している店は、空き時間が商品になる

  • SNSで「#間借り募集」を探す方法もあるが、生活圏で探すと通いやすさで続けやすい

ここから先は

2,868字

¥ 980

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?