第70話 【衝撃爆笑体験】街コンの席替えで逆方向へ歩き続けた男
【もとしの爆笑日記 第70話】
◆導入(つかみ)
「え? なんでみんな、そっち行くの?」
街コンの席替えが始まった瞬間、ぼくは“ひとりだけ逆方向に歩き出していた”。
正確に言うと——
歩き出していることにすら気づかず、堂々と進んでいた。
そのときのぼくはただ、
(次のテーブル、たしかこっち側だったよな…?)
と、なぜか“確信”していた。
でも、あとで思い返すと、あのときすでに 地獄の始まりの足音 が聞こえていた。
なぜならその日のぼくは…
・寝不足で判断能力ゼロ
・初対面の女性の前で汗が止まらない
・緊張で若干めまい
・目の前のコーヒーをこぼしかける
・そして最悪の「勘違い癖」が発動していた
つまり、ぼくの“逆方向歩行事件”は、
起こるべくして起きた“爆笑の前兆”だったのだ。
◆もとしという男(読者が一瞬で共感するキャラ紹介)
もとし(27)。
日本人。独身。実家暮らし。4人家族(父・母・弟)。
趣味は読書と朝散歩、そしてプラモデル作り。
仕事帰り、アニメの戦闘機のパーツを組み立ててるときだけは世界でいちばん穏やかになれる。
ただし、
“恋愛経験は薄いのに、プライドだけは厚い”
という致命的な弱点がある。
街コンでもそれは悪い意味で発揮される。
「初対面?任せろ、爽やかアピールでいける」
「席替え?大丈夫、空気を読めば自然と動ける」
——と毎回思うのだが、だいたい何かしらズレる。
今回ももちろん例外ではなかった。
◆第1章:街コン開始5分で“イヤな予兆”
街コン会場に入った瞬間。
ぼくは、入口でスタッフさんに声をかけられた。
「番号札、こちらです〜!今日はよろしくお願いしますね!」
元気な声、明るい笑顔。
普通なら何でもない一言だが、ぼくはなぜか軽い違和感を覚えた。
(な、なんか今日はみんな距離が近い…?)
緊張がピークに達すると、人間は意味不明なことを感じるらしい。
席に案内されると、
目の前にはニコッと微笑むショートカットの女性・ゆりさん(仮名)。
「初めまして、よろしくお願いします」
「よ、よろしくお願いします……!」
その瞬間、ぼくの脳は“なぜか全力で挙動不審モード”に勝手に切り替わっていた。
■会話文(開始早々の崩れ)
ゆりさん「今日は来るの緊張しませんでした?」
もとし「え?あ、はい、気圧が……」
ゆりさん「き、気圧?」
もとし「いえ、気合が……」
——やってしまった。
開始3分で、すでに一度ミスっている。
その小さなミスが、後半の**“破滅的な席替え事件”の伏線**になるとは、このときぼくは思いもしなかった。
◆第2章:街コンあるある“自己紹介タイムに謎の焦り”
自己紹介カードに記入する時間。
ぼくは丁寧に書こうとして、
なぜか「趣味」の欄に “プラモデル作り(主に戦闘機)” とやたらハッキリ記入した。
(いや、もっとウケよさそうな趣味…あっただろ…?)
もう遅い。
緊張のせいで、いつも以上に判断基準が迷子になっていた。
ゆりさんがぼくのカードを見て、目を丸くする。
「プラモデル、作るんですね!」
「はい。あ、いや、作ってます。あの、作ったり……作らなかったり……」
ゆりさん「全部じゃん……笑」
軽くツッコまれた。
悪いツッコミじゃない。むしろ優しい。
なのにぼくは、
(ヤバい、今日こそはミスできないのに……)
と勝手に焦りを強めていく。
焦りの正体は分かっていた。
——席替えが苦手なのだ。
街コンの席替えは、人間の“空気読む力”が露骨に試される。
・どのタイミングで立つ?
・どっち方向へ進む?
・誰が先?
・ぶつからない?
・テンパらない?
ぼくは過去2回、席替えでミスっている。
一度は“早く立ちすぎてスタッフに注意”。
一度は“動く方向を間違えて三角コーナーの前で止まる”。
だからこそ今回は絶対に失敗したくなかった。
——その強い意識が、のちに最悪の勘違いを生む。
◆第3章:席替え予告のアナウンスで異様な緊張
街コン開始から20分。
スタッフさんがマイクを持つ。
「はーい、そろそろ席替えのお時間でーす!」
会場の空気が一気にザワつく。
ぼくの心臓はドクンドクンと暴れだす。
(よし…落ち着け。今回は絶対に間違えない。
みんなの動きに合わせて、自然に、自然に……)
その瞬間、ゆりさんが笑いながら言った。
「もとしさん、すごい緊張してません?笑」
「へ?そ、そんなことないですよ。いつもこんな……常に緊張というか……」
ゆりさん「常に?大変ですね…笑」
(※この会話があとで重要な伏線になる)
◆第4章:そして運命の“立ち上がり”——違和感が始まる
スタッフ「男性の方は“右回り”でお願いしまーす!」
右回り。
つまり、ぼくは“右の方向”へ移動する。
——はずだった。
でもぼくはその瞬間、なぜか “逆の方向”に意識が引っ張られた。
(えっと…右ってこっち側だったか…?
いや、でも、さっきスタッフさんが案内してくれたとき…?
どっちだったっけ……?)
自信がグラグラ揺れる。
周りの男性たちは、スッと自然に右へ立ち上がる。
ぼくも立ち上がり——
なぜか、左へ歩き出した。
もちろん自覚ゼロで。
そのときのぼくの脳内。
(完璧…!今日の席替えはスムーズだぞ…!)
——そう、完全に“逆”なのに。
◆第5章:周囲の視線に気づくまでの“地獄の数秒”
歩きながら、妙な気配を感じた。
背中に刺さるような視線。
そして、どこかから聞こえる小さな声。
「え?あれ逆じゃない?」
「行く方向…違くない…?」
ぼくは気づかないふりをした。
(いや、大丈夫。ぼくのルートが正しい。
みんなが間違ってる可能性も…なくはない……!)
その自己肯定が致命的だった。
◆第6章:決定的違和感——スタッフの“目”
ぼくがさらに2歩ほど進んだところで、
左前にいたスタッフのお姉さんと目が合った。
その目が明らかにこう言っていた。
「え?なんでそっち行ってるの…?」
だがぼくはその“無言のSOS”に気づかない。
(スタッフさんが見てる…つまり、きっと正しい!)
——違う。
完全に逆である。
そしてここから先、ぼくは“さらに逆方向へと歩き続けてしまう”。
しかも 自信たっぷりの顔で。
ここで終わるはずの小さなミスが、
なぜ“爆笑の大事件”へと発展したのか?
それにはいくつか理由があった。
◆第7章:勘違い連鎖の伏線(あとで全部回収)
①ぼくは緊張すると“反転”の感覚が狂う
②さっきの自己紹介の失敗で混乱していた
③ゆりさんに「常に緊張してるんですね」と言われ、余計に意識していた
④そのせいで“右回り”の指示がうまく脳に入っていなかった
⑤さらに当日の会場レイアウトが複雑だった(※あとで重要な伏線)
これらの理由がすべて重なり、ぼくは“逆方向へ堂々と進む男”になってしまった。
そして、決定的だったのは——
ぼくが誰よりも真剣な表情で歩いていたこと。
そのギャップが後半、とんでもない事態を引き起こす。
◆第8章:そして——事件は起きた
ぼくが逆方向に歩き続けているとき。
本来歩くべき右側から、
5〜6人の男性が同時にこちらへ向かってきた。
つまり、ぼくと衝突コース。
周囲の空気がザワつき、
女性陣も小声でざわめき始める。
「え…どうするの…?」
「ぶつかるよね…?」
「止まらないのかな……?」
ぼくはまだ気づかない。
(よし、スムーズ。今日は完璧…!)
——完璧ならとっくに席に着いている。
そしてついに、
会場全体が“ざわっ…”と揺れる瞬間がくる。
スタッフのお姉さんが慌てて、
ぼくに向かって一歩踏み出した。
「すみません!◯番の方、そっちじゃなくて——」
ぼくは振り返る。
その瞬間。
後半の“爆笑クライマックス”の火蓋が切られる。
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