ダイソーは、神の中で第2位。
私は普段、スーパーへ足を踏み入れるたびに、
空を……いや、蛍光灯を見上げてこう思います。
「ああ……今日も無事に命を繋いでもらうか」
普通の人は、スーパーへ買い物に行きます。
私は、生存確認へ行きます。
この時点でお分かりの通り、
今日は限界を極めし節約ガチ勢のお話です。
まず最初に、声を大にして言っておきたいことがあります。
ダイソー。
あなたは本当に偉い。
100円ショップの皮を被りながら、
300グラム108円(税込)の乾麺を、
何事もなかったかのように棚へ並べている。
あれはもう、食料なんて生ぬるい言葉では表現できません。
我が家の緊急生命維持装置です。
「え? ダイソーって文房具とかタッパーを買うところじゃないの?」
違います。
私の中では、世界有数の非常食メーカーです。
しかし。
そんな神企業にも、
私の中の絶対的なヒエラルキーが存在します。
申し訳ない。
ダイソー神は、第2位です。
栄えある第1位。
それは……
業務スーパー神。
彼こそが、この過酷な現代社会に君臨する圧倒的王者です。
500グラム116円のパスタ。
400グラム138円のひやむぎ。
量がおかしい。バグを疑うレベルです。
「この値段設定で、本当に利益出てるの?」
買い物へ行くたび、私は勝手に、
業務スーパーの経営状況を心配しています。
だって、冷静に計算してみましょう。
業務スーパーは100グラム約23~34円前後。
対するダイソーは100グラム36円。
その差、たった数円。
ですが人生という長期戦では、
この数円が最後に勝敗を分けます。
左を制する者、世界を制す。
数円を制する者、引きこもりを制す。
私は今日も、この数円のために血を流して生きています。
しかも乾麺。
こいつの本当の強さを、きちんと把握している人は少ない。
その、強さは値段ではありません。
わかります?
それは、保存性です。
意外と知られていませんが、乾麺はほとんど腐りません。
もちろん賞味期限はあります。
でも、お米みたいに虫が湧く心配も少ない。
冷蔵庫も使わない。停電しても困らない。
食費サバイバル界では、絶対に裏切らない最強の近衛兵です。
ところが。
この鉄壁の布陣に、突如として予想外の伏兵が現れました。
その名も……
クスリのアオキ神。
お前、薬屋じゃなかったのか。
なぜ薬より野菜が安い日がある。
業務スーパーで158円だったキャベツが、
数日経って売り切り間近になると、
アオキでは88円とか普通に転がっています。
意味が分かりません。
薬局なのに。
彼らは薬ではなく、
キャベツで現代人の胃を救っています。
もはや白魔法使いです。
そして、最後に控えるラスボス。
イオン神。
「いやいや、イオンって普通に高いじゃん」
そう思いますよね?
私も思っていました。
ところが。
国産大豆しょうゆ。
これだけは異様に安い。
だから私は、こうしてます。
しょうゆだけはイオン神。
主食の乾麺は業務スーパー神。
野菜はクスリのアオキ神。
緊急時はダイソー神。
という、高度な物流ネットワークを構築しています。
我が家の物流は、Amazonより複雑です。
各企業の皆様。
日々の血を吐くような企業努力、
本当にありがとうございます。
でもね、私は知っているんですよ。
巨大企業にも、たった一つだけ弱点があることを。
値下げワゴン。
あれです。
パン。肉。惣菜。野菜。
閉店前、行き場を失った彼らを、
どうか全部あそこへ放り込んでください。
私が責任を持って保護します。
これは買い物ではありません。
フードロスから食品を救う、人道支援活動です。
最近はジュースもそうです。
「あー、今日はコーラが飲みたい。」
そんな貴族みたいなことは言いません。
ワゴンの中で50円になっている、
聞いたこともないメーカーの炭酸飲料。
「……君に決めた。」
飲みたい物を飲むんじゃない。安い物を愛する。
それがプロです。
だからSNSで、
「今日は奮発して焼肉用のお肉を正規価格で買いました!」
なんて投稿を見るたびに、私は心の底から思います。
正気か?
私にはまだ、そのレベル帯へ行く資格はありません。
私の一日は、
「今日はどの神様へ参拝するか」
という会議から始まります。
業務スーパー神か。
ダイソー神か。
アオキ神か。
イオン神か。
神々を巡礼しながら、少しでも安く生き延びる方法を探す。
それが私の日常です。
そして。半額シールを追いかけ、
スーパーを三軒ハシゴし、
高いスーパーよりトータル300円安く買えた日。
本当に嬉しいんですけど。
URの激レアアイテムを引き当てたくらい嬉しい。
たった300円。でも、その300円があれば、
もやしなら何袋も買える。
うどんなら何食分も食べられる。
ボディソープだって、一本届く。
私にとって300円は、
「まあ、いいか」
で失くしていい金額じゃありません。
命の残機です。
だから今日も私は、チラシアプリを見る。
自転車を立ち漕ぎしてスーパーをハシゴする。
端から見れば「そこまでして300円?」と思うかもしれません。
おいコラ。舐めてんのか?
300円だから、そこまでするんです。
節約生活には、一発逆転なんてありません。
10円。20円。50円。
その積み重ねだけが、
最後に命を助けてくれる。
だから私は今日も、
値下げシールという名の伝説のアイテムを求めて、
勇者のような顔でスーパーへ向かいます。
そして、たまに。
値下げシールが一枚も残っていない日があります。
その日は静かに帰ります。
「くそが!」って叫んで。(心で)
ラスボスを倒しに行ったら、
すでに誰かが討伐済みだった時の気分です。
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チップというパン代を投げてくれると、たぶん明日も生きます。