常用漢字を極端に読めない大人(高卒以上)が少なからず居るのだが…何故だろうか?
珍しい現象ではなく、いくつかの要因が重なれば十分に起こり得ます。特に重要なのは、
「読める状態を維持する環境にいなかった」
という点です。
なぜ高校卒業でも読めなくなるのか
「高校を出ているのに読めない」という違和感はもっともですが、実際には次のような構造があります。
1 日常で使わないと忘れる
漢字は知識というより、使用頻度で維持されるスキルです。例えば、
仕事で漢字をあまり使わない
文章をほとんど読まない
音声や動画中心の生活
になると、読めていた漢字でも普通に抜け落ちます。
2 スマホと変換依存
現代特有の要因です。スマホでは、
読めなくても入力できる
予測変換で選べる
ため、「読めないが使えている」状態が成立します。結果として、読む能力だけが落ちていきます。
3 読書量の差
かなり影響が大きい要素です。本や文章を読む習慣がある人とない人では、
語彙力
漢字認識
に大きな差が出ます。つまり、学歴よりも読書習慣の方が影響が大きい。
4 教育の実態
高校卒業といっても、全員が同じレベルではありません。実際には、
暗記で乗り切る
テスト後に忘れる
という学習も多く、定着していないまま卒業するケースもあります。
5 音中心の理解に偏る
会話中心の生活では、
意味は理解している
しかし漢字として認識していない
という状態になります。例えば、
言葉は知っている
でも漢字を見ると読めない
というズレが起きます。
6 個人差(認知特性)
一部には、
文字認識が苦手
読みが定着しにくい
といった個人差もあります。これは努力不足ではなく、特性の問題の場合もあります。
まとめ
常用漢字が読めない理由は、
使わないことで忘れる
変換に依存する
読書量の差
教育の定着不足
などが重なった結果です。したがって、「高校を出ているのにおかしい」というより、環境次第で誰でも起こり得る現象です。
今は SNS 文化だしネットニュースも流行っていて「読む体験」は難しくないと思うのだが?
「読む機会が増えている=読解力や漢字力が維持される」ではありません。今はむしろ、
“読んでいるようで、読んでいない”構造
になっています。
なぜSNS時代でも読めるようにならないのか
一見すると、
SNS
ネットニュース
で文字に触れる機会は増えています。しかし中身を分解すると、質が全く違います。
1 短文・断片ばかり
SNSは、
短文
見出し
要約
が中心です。そのため、
文脈を追う
難しい語彙に触れる
機会が少なく、漢字の「読み」を定着させる環境になっていません。
2 そもそも読まない
ネットニュースも実態は、
見出しだけ
最初の数行だけ
で終わるケースが多いです。つまり、文字は見ているが、文章として読んでいない。
3 ひらがな化・簡略化
SNSでは、
読みやすさ優先
難しい漢字は避ける
傾向があります。例えば、
「有難う」ではなく「ありがとう」
「殆ど」ではなく「ほとんど」
のように、漢字に触れる機会そのものが減っています。
4 予測・雰囲気で理解している
SNSでは、
文脈が単純
話題が限定的
なため、知らない漢字があっても前後の流れで理解できることが多いです。結果として、正確に読めなくても困らない。
5 アルゴリズムによる偏り
SNSは、
自分の興味に合った内容だけ
似た語彙レベルの投稿
が流れてきます。そのため、語彙の幅が広がらない。
6 「読む」と「見る」の違い
ここが一番重要です。本や長文は、
意識して読む
意味を追う
言葉を確認する
必要があります。一方SNSは、
流し見
スクロール
直感理解
です。つまり、処理の仕方が全く違う。
まとめ
SNSやネットニュースは、文字量は多いが、
読解負荷は低い
漢字定着に向いていない
という特徴があります。そのため、
「読む機会はあるのに読めるようにならない」状態が普通に起こる
というのが実態です。
漫画でも、読む価値はあるのか?
漫画でも「読む価値は十分にあります」。ただし、漢字力の向上という点では限界があります。
漫画は「読む」行為なのか
結論から言うと、読む行為ではありますが、文章読解とは別物です。漫画は、
絵
コマ割り
セリフ
を組み合わせて理解するため、文字だけに依存していないのが特徴です。
良い点
漫画にも明確なメリットがあります。
語彙に触れる機会になる
文の流れに慣れる
会話表現を覚えやすい
特に、普段まったく読まない人にとっては入口として非常に有効です。
限界
一方で、漢字力という観点では弱点があります。
1 ふりがながある
多くの漫画では漢字にふりがなが付いています。そのため、
読めなくても理解できる
状態になります。
2 絵で意味が分かる
難しい言葉が出ても、絵や状況で意味が補完されます。結果として、
正確に読まなくても成立する
3 長文が少ない
漫画は基本的に短いセリフ中心です。そのため、
複雑な文章を読む訓練にはなりにくい
では無意味か
無意味ではありません。むしろ、
「何も読まない」よりは遥かに良い
です。ただし、漫画だけでは、
漢字の読み
語彙の定着
は伸びにくい、というだけです。
本質
一行で言うとこうです。
漫画は「読む力の入口」にはなるが、「漢字力の完成」には足りない
まとめ
漫画は、
読む習慣を作る
言葉に触れる
という点で価値があります。ただし、
漢字を正確に読む力を鍛えるには、それだけでは不十分
という位置づけです。
自分は成人してから小説を読むようになって、一時期は朝昼晩で3冊を読む程だったが、その時点で漢字が読めないという弊害はなかった。だから小説で漢字を覚えたというのは違って、やはり学校教育の中で覚えたと思うのだが、これが否定されるとすると、漫画の成果ということになる。漫画は物心つく頃から読んでいたし、自分にない語彙を知るのも楽しみだった。これは子供の間で、それなりに流行る読み方だと思うのだが。
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